仙石線の仙台近郊区間よりもさらに海側にある仙台港界隈での鉄道貨物輸送を担っている仙台臨海鉄道は、広大なヤードを有する仙台港駅を拠点として、北港には岩手県方面へと往復する石油タキ、西港にはビール積載コキが出入りしているほか、稀に仙台港に入港したクルーズ船客の輸送のため、通常は休止線状態な仙台埠頭に臨時列車が入ることもあるなど、そこそこ活発に運行されています。しかし8年半前の震災の際、仙台臨港鉄道は津波に直撃され、仙台港駅の惨状が広く伝えられたのみならず、所有する複数の機関車を失ってしまいました。その後懸命の努力により復活して今日に至りますが、機関車の不足は如何ともし難く、再起にあたって京葉臨海鉄道からDD13の貴重な生き残りが入線しています (但し機関は換装)。
現在SD55 105を名乗るこの一両は、もともと国鉄DD13 366でしたが、京葉臨海に譲渡されてKD55 15と改番され、さらに1994年に機関を換装してKD55 105と改番され、京葉臨海の主力として活躍して来ました。とはいえ、他の京葉臨海の機関車よりも車齢が高いことは否めないこともあり、震災にあたって仙台臨海の火急を救う罐として抜擢されたということなのでしょう。仙台入りの当初はしばらく、ATS未整備のため運用に入れず、SD55 104名乗っていたようですが、ATS整備によって105に再改番され、以来主力として活躍しているようです。
今回 (2年少々前ですが ^^;) の仙台臨海訪問にあたっては、折角ですので是非、貴重なDD13の残党であるSD55 105に当たりたいものだ……と思っていたところ、北港から単機で戻って来た罐がまさにドンピシャ!! 津波の襲来を思い出させるものは表向き見当たらないほど日常を取り戻した臨海工業地帯の踏切カーブを横切る風景 (1枚目) は感激モノでしたし、その後しばらく曇天のもと形式写真を撮り放題であったのも最高のひとときでした。
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