先日関西で撮影したカットは相当膨大でレタッチと整理に時間がかかりそうですので (滝汗)、ひとまずお先に2週間少々前の韓国出張撮り鉄シリーズを続けます。……いや、こちらも膨大で、到底レタッチが進んでいないのですが、夏休みに韓国を訪問される方のご参考にもなろうかと思いまして (笑)。
さて、先月末まではソウルから38度線目の前の都羅山まで全て非電化で、CDCやセマウル観光列車 (私が約2年前に乗ったときは空気輸送 ^^;) が運行されていた京義線ですが、前回記しました通りムン山までは全ての列車が8両編成の最新鋭交流電車による運行となってしまいましたので、ムン山から先に残された非電化・対北最前線区間の運行や営業形態がどう変わるのか、個人的には大いに興味をそそられるところでした (笑)。とくに……距離にしてごく僅かなこの区間が広域電鉄網に組み入れられるのか、それともムン山で運賃面でも完全に分断され、別々の改札となり切符の買い直しを強いられるのか……というあたりが重要な (?) ポイントでありますが、ムン山に到着して明らかになった答えは後者でした (^^;)。電車を下車して跨線橋に上りますと、列車用ホーム (当面は臨津江・都羅山行のみ) に下りる階段の手前に自動改札が設けられており、そこで出場or精算を終えた客はそのまま真っ直ぐ進んでコンコース内の切符売り場に向かうようになっております。ムン山から都羅山までは全線均一で1000ウォン也。京元線の末端区間 (東豆川=新炭里) と同じで思わず「安っ!」。しかも折からの円高ウォン安で「激安!」……(^^;)。
切符を購入後は、コンコースと列車用ホームの間に改札がありませんので、そのままホームに向かって列車が来るまでのんびりするも良し、あるいは臨津江・都羅山行の発車直前までコンコースの待合いスペースや売店にいるも良し、ですが……今のところ京義線電化開業ブームのため、臨津江・都羅山安保観光に再び火が点いている状態でありまして (南北関係の悪化で北朝鮮側の開城や金剛山に観光に行けなくなった影響もあるかも)、4両編成に組み直されたCDCの車内は特に休日となると混雑します。短時間でも座ってCDCの乗り心地を楽しみたい方は、早めにホームに向かうと良いでしょう……。ちなみに、CDCは毎時0分にムン山を発車しますが、直前に到着した電車の客が駅出札口で切符を買い直し終わるのを律儀に待ってから発車しますので、私が訪れた週末は8~12分程度の遅延が常態化していました……(-_-;;;)。わざわざ切符を買い直させるシステムをとっているのですから、それを織り込んだ連絡時間設定にすれば良いと思うのですが……(汗)。とくに、直前到着の電車は毎時1本のみのソウル発で、客が多いのですから……。
それはさておきムン山を発車した列車は、緑の中の平坦な路線を快調に飛ばし、途中小さな無人駅=雲泉[ウンチョン]に停車。ハイキング客が10人以上下車して行きましたが、こんな暑い中で平地ハイキングとはご苦労なことです (滝汗)。再びドアが閉まって4分ほど走ると、いよいよ民間人統制線の手前、臨津江に到着~。ここには朝鮮戦争時に破壊されたままの鉄橋や、鮮鉄の車両が保存されている鉄道分断点、そして北に墓を残した人々が祖先を祀るためにやって来る「望拝壇」などなど……さまざまなスポットが集約されており、ここを参観するだけでも1~2時間かかりますが、ほとんどの客はさらに都羅山観光へと向かうようで、ツアー申し込み窓口の前は200~300人ほどが並ぶカオスに (笑)。約2年前の平日はほとんど客がおらず、僅か1分ほどで都羅山ツアーの手続きが終わったのが夢のようです (^^;;)。あ、そうそう……詳細をご存じでない方のために大事なことを記すのを忘れていました。京義線末端の列車の多くは臨津江止まりで、日中4本が都羅山に向かいますが (都羅山発はツアー終了に連動するため5本)、一般人(外国人を含む)は民間人統制線を出る場合必ずツアーに参加しなければなりませんので、臨津江でそのまま乗る続けることは不可となっています(銃を構えた憲兵が乗り込んできて下車させられます)。全員客を降ろした列車はその後数十m進んで、既にツアー参加手続きを終えた客を拾って都羅山に向かうという次第。なお、一旦下ろされても切符は都羅山まで通しですので、臨津江では切符を持っているかどうか確認するだけです。
でもって……私は最初から今回は都羅山へは行かないつもりでしたので(人が多過ぎですし、空気が湿気あり過ぎゆえ展望台に登っても北朝鮮側が見えずつまらん。前回は土砂降りで開城の街が見えず……T_T)、切符はそのままゲットしまして (笑)、かねてからやってみようと思っていた撮り鉄を敢行~。1枚目は駅東側の踏切にて撮影。2枚目は民間人統制線手前最前線の爆破ブロック (白い看板にカムフラージュされています) をバックに入れたカットですが、取りあえず何も言われませんでした (^^)。但し……南北関係の緊張がピークに達すれば、この一帯では間違いなく撮り鉄不可となるでしょうし (何せ、すぐそばの道路には軍の作戦用資材がゴロゴロ置いてあるという世界ですから)、駐屯地も近くにありますので、軍人・民間人問わず「ここでは撮るな」と言われたら素直に従うのが無難です。
こんな感じで撮影を終えた後は、まだ帰りの観光客がおらず空いている列車に乗ってムン山に戻ってきたのですが、ムン山駅の列車用ホームの階段を登り切ったところに駅員氏が立って集札を行っていました。改札口がなくてもタダ乗りが可能なわけではないので御用心 (笑)。まぁ基本的には、途中の無人駅・雲泉 (今度はこの駅の周辺で撮り鉄したいなぁ~) から乗ってきた客から1000ウォンを頂戴するためにいるのだと思われますが……。
なお、電化前まで走っていたソウル=都羅山間のセマウル号は廃止となりました……(号泣)。京義線に優等列車が復活するのは、南北直通列車が登場する日となることでしょうが、金一家の三代目が「大将」扱いされ始めている中では、果たしてそんな日は来るのでしょうか (苦笑)。