日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)代表委員 田中熙巳さんの受賞演説が問題になっている。上図は被爆1周忌に長崎浦上天主堂に集まったた人たちの写真である。信者ばかりではなく、多くの生き残った市民である。
昨日の本ブログで、田中照巳さんの演説の全文を記載したのはこんなことにならないかと案じていたからである。田中照巳さんは被爆者は、「先ずは占領軍によって原爆に対する事実を沈黙するように強いられ、日本政府からも見放されました。孤独と病苦と生活苦、偏見と差別に耐えてきました。日本政府は一貫して、国家補償を拒み続けてきました」などと述べています。
核のタブーが壊されそうな現実があるとし、最後には、「世界中のみなさん、「核兵器禁止条約」のさらなる普遍化と核兵器廃絶の国際条約の締結を目指しましょう」と強烈な皮肉を日本政府に与え、世界に呼びかけました。
日本政府は、漫画「はだしのゲン」を教育の場から被爆の実相にあわないと引き上げさせている。広島教育委員会では、教育に使われるへいわノートをからはだしのゲンを削除した。その理由が、ゲンが鯉を食べると元気になるという話を聞いて、庭の池で鯉を飼っているのを、盗み釣りするのは教育にあわないというのである。お笑いである。子どもに弁当箱がただれていたのはっ実であるが、「はだしのゲンが実相だと思っている人がいるが、フィクションを教えるわけにはいかない」ということである。
「はだしのゲン」の追い出しは、急速に右傾化する政府の格好のターゲットになっている。広島に限ることなく全国n教育の場で排除が進んでいる。
またパールハーバー記念国立公園と広島平和公園が姉妹契約をしている。軍事施設がターゲットになった真珠湾攻撃と、国際法に明らかに違反する一般国民の非戦闘員がターゲットになった広島に落とされた原爆とは基本的に異なる。トップ同士で決めたようだが、核兵器の脅威などを希薄化させようとする行為としか思えない。
ノールウェイの選考委員長が、「この賞はあなた方だけではなく、すでに亡くなられた方々へのものでもある」と述べたことが印象的であった。
しかし、日本ではジワジワとそして確実に恐怖を煽り軍事化し、確実に右傾化しているといえるものである。