シリアの反政府勢力は、ヒズボラとイスラエルの停戦協議が負えるのを待つように、北部のアレッポを占拠した。それからわづか12日で、事実上無血で首都ダマスカスに入り、アサド大統領はロシアに逃亡しロシアはこれを認めた。
反政府勢力は、電光石火の攻勢で首都ダマスカスを「解放した」と述べた。刑務所から解放された、シリア解放機構のジャウラニ(HTSシャーム解放)が勝利宣言をした。
反政府勢力の南下を、政府の弾薬庫など幾つかの軍用施設をミサイル攻撃で破壊して支援した、イスラエルのネタニアフは歓喜した。ネタニアフはイスラエルの地だと占拠していたヨルダン川西岸を、早速シリアに返還し連帯の意を示している。
バッシュアール・アル・アサドは、後継を約束されていた兄の急死を受けて、医者の道を捨てて、イギリスから英国人の奥さんを連れて急遽帰国し、父の後を継ぎ大統領に就いた。
2000年から24年間シリアを支配した、アサドが非情な弾圧で2011年のアラブの嵐を耐え抜いたのは、ロシアとシリアの支援が背景にある。ロシアは2年前からのウクライナ戦争で支援が手薄になったのであろう。シリアはヒズボラ支援にシリアの地が必要であった。
トランプは、前期在任中に砲弾を放ったのは、就任早々に地中海からホムスのロシア空軍基地を攻撃しただけである。ジャウラニを1千億円の賞金を懸けテロリストと、指名手配していたアメリカの次期大統領トランプは、不介入を宣言している。
強権独裁政権であっても周辺国はアサドの失脚で、中東は再び混乱に陥るとカタール、サウジアラビア、ヨルダン、エジプト、イラク、イラン、トルコなどは悩んでいる。
シリア解放機構と報道されていいるが、少なくとも複雑な4団体が関係している、決して解放勢力は1枚岩ではない。反アサドで繋がっているに過ぎない。
ただ当分の間、現政権閣僚で政権を担うとのことであるから、大きな変化がないだろうが、周辺国がイスラエルやアメリカ(?)の支援政権を支援しないであろうから、更なる内乱が起きることも危惧される。
それにしても、宮殿のようなアサド大統領邸であるが、独裁者は何処も変わらない。独裁者が去って、多くのシリア国民は喜んでいる。近隣の国から、祖国シリアへの帰国の車で国境はいっぱいである。アサドの場合は、資産の多くを奥さんの国、イギリスにたんまり貯めているというから、国民の怒りもここまではまとまっているともいえる。