イラクの前大統領の、サダム、フセインが処刑された。きわめて異例の処刑である。刑の 確定から、一月以内というのも異例であるが、彼には裁かれなければなら、ない大きな犯罪は残されたままである。クルド人の大量虐殺は裁かれていない。まるでクルド人は、すでにイラクから離脱した感すらある。
中東のマスメディアは、異例の速さによる処刑よりも、イスラム教を信じるもにとってはもっとも神聖な月の初日であったことに、驚いている。巡礼が始まる初日なのである。
今回の処刑には、アメリカの強い希望があったとされている。マリキ政権は、国内の週は対立の激化を恐れている。一部の推測では、処刑の延期を望んでいるとされたが、ブッシュ政権は行き詰まり状態の何らかのきっかけにしたかったのではないだろうか。
フセイン政権は、イランに対抗するためにと、アメリカが後押ししてできた政権である。政 権発足も終息も、アメリカが強くかかわったことになる。これで、内戦はさらに激化することが予測される。
フセインが拘束されるや、その当時行き詰った選挙区が打開されると、ラムズフェルが喜んだことすら、遠い記憶のようですらある。
それにしても法廷でのフセインの目が輝いていたことが印象的であった。