そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

安倍政権の異常さ、戦争法ですら正常に見えてくる原発処理

2015-07-06 | 原発と再生可能エネルギー
廃炉への道・全記録」2015file1.2.3.NHK、BSを見ることができた。何度も、「最前線で廃炉を見つめてきた」という言葉が繰り返されて、ディレクターの心意気が伝わってきた。なぜ、BSなのだろうかと思うが、これがやっとなのかもしれない。

福島原発(核発電)は三基がメルトダウンを起こしている。もうこれは廃炉にするしかないのであるが、「処理の第一段階は終息した」と宣言をした、野田総理という馬鹿げた人物もいたが、廃炉への道は極めて厳しい現状にある。廃炉への工程は大きく次の三段階を踏まえねばならないのである。
第一段階、準備と調査 第二段階 デブリの取出し 第三段階、処分・解体
この中で最も重要な作業は、核燃料デブリの取出しである。福島原発の三基はメルトダウンしている。事故当時はそんなことは起きえないと何度も”専門家”と言われる人物がいたが、今は影も形もない。核燃料はメルトダウンして原子炉の底を突き破って、どこかにたまっているのである。その量は推定で、600万トンと言われている。メルトダウンする時に、高熱でコンクリートと金属を溶解して取り込み、核燃料デブリとなって存在している。どのような物質になっているのか、全く分かっていない。前例がないのである。チェルノブイリのデブリは固くて通常の道具は役に立っていない。600万トンですら推定というより、仮定の量と言える。
チェルノブイリは、デブリなどには触れずに放置し大きな石棺で覆っているだけである。28年経過し作り変える作業に現在取り組んでいる。スリーマイル島は、メルトダウンしていない。福島ではどんなデブリになっているのか、調査すらまだ進んでいないのである。つまり第一段階の過程にあるが、それすら遅々として進んでいないのである。
スリーマイル島では、核燃料デブリの保管場所を巡ってあらゆるところから拒否されて、大陸を横断するようにして、アイダホの核研究所に保管することになった。運搬には、特別開発した運搬容器を使い、運搬で通過する州知事の許可を取って運び込んでいる。
デブリの保管について、福島ではいまだ論議すらされていない。つまり第一段階の準備すら取り組んでいないのである。
廃炉への工程は、準備に10年ほど、デブリの取出し終了は2036年、処分・解体は2051年とされている。廃炉まで40年の工程とされているが、どう見ても甘い見込みと言える。チェルノブイリでは、周辺に人が住めるようになるのは、300年先になるだろうと関係者が話している。
福島原発の廃炉への校庭は、全く手つかずの現状であると言って過言ではない。
チェルノブイリの技術者は、「廃炉に関する情報を開示するべきである。国民の理解を得ることが大事である。技術だけでは無理である」と発言している。
廃炉以前の問題、現状の放射性物質の封じ込めがすら、ほとんど進んでいないといる。何かに取り組むと、また新たな問題が生じるということが、際限なく繰り返されている。汚染水が貯まる一方なのである。
要するに気の遠くなるような、廃炉の過程であるが、放射性物質最終保管施設は勿論のこと、中間保存施設は勿論のこと、仮置き場さえ決まっていないのである。

こうした現状にありながら、3キロ以内にコントロールされていると言った安倍晋三の異常な発言は、オリンピック欲しさに皆で口封じをしているのである。バレバレの野田の方が可愛い嘘だったかも知れない。安倍は丸投げした原子力規制委員会の結果を受けて、事故処理が進んでいないながらも再稼働を容認するのである。インドやトルコへの海外への、原発売り込みもするこの異常さは、戦争法案の存在すら薄らいで見えるのである。背景に核発電所の抑止力があると、石破茂は指摘する。異常な戦争内閣と言える。
コメント (3)
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