そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

EUの馬肉混入騒ぎに学ぶ

2013-02-17 | 政治と金

EUで馬肉混入騒動が広がっている。元々馬肉を食べる文化と嫌う地域があった。今Photo_2回英国で発覚したが、ここは馬肉を嫌う地域である。EU内は、当然のことであるが流通に関税などないが、地域によるこれまでの法制度Photo_3や、上述のような食文化の差異は少なくない。

英国では、2501検体の調査で、29例で馬肉の混入が確認された。牛肉に混入されていたものである。EU各国で調査が進み、フランスやオランダやキプロスなど、10カ国以上での混入が確認された。現在は、比較的容易に正確に、DNA検査が可能である。

驚いたことに今回の調査で、フランスやオランダなどでは、100%馬肉であった牛肉が確認されている。英国Photo_4は、ポーランドの業者やキプロスの業者が行ったと発表し、ポーランドは強く否定している。その一方で、英国でも3名の馬肉業者が逮捕されている。

今回英国で発覚したが、相当根が深いことも分かってきた。この広がりは時間的な長さを意味しているし、背景の深さもあるものと思われる。

元々、ヨーロッパは農耕に使われ乗馬などの、馬の文化の底辺が広い地域である。Photo_5ところが、最近は農耕用の馬は不要となり、経済的な理由などで乗用馬の売却が行われている。こうしたことと、食用馬に対する感覚の浅さが、偽装につながったものと思われる。

EUは4月には結論を出すと表明しているが、広範囲に広がって調査が困難な状況と思われる。そして何よりも、馬肉を供出した所が、ルーマニアやキプロスなどEUでは格差を受けている地域であることも事実のようである。

無関税のシステムは、歴史や法制度や規制や文化や宗教や民族性などを考慮せず、経済性だけで判断されるため、こうした問題が恒常的に起きるのである。TPPで起きることの良い例である。

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