EUで馬肉混入騒動が広がっている。元々馬肉を食べる文化と嫌う地域があった。今回英国で発覚したが、ここは馬肉を嫌う地域である。EU内は、当然のことであるが流通に関税などないが、地域によるこれまでの法制度や、上述のような食文化の差異は少なくない。
英国では、2501検体の調査で、29例で馬肉の混入が確認された。牛肉に混入されていたものである。EU各国で調査が進み、フランスやオランダやキプロスなど、10カ国以上での混入が確認された。現在は、比較的容易に正確に、DNA検査が可能である。
驚いたことに今回の調査で、フランスやオランダなどでは、100%馬肉であった牛肉が確認されている。英国は、ポーランドの業者やキプロスの業者が行ったと発表し、ポーランドは強く否定している。その一方で、英国でも3名の馬肉業者が逮捕されている。
今回英国で発覚したが、相当根が深いことも分かってきた。この広がりは時間的な長さを意味しているし、背景の深さもあるものと思われる。
元々、ヨーロッパは農耕に使われ乗馬などの、馬の文化の底辺が広い地域である。ところが、最近は農耕用の馬は不要となり、経済的な理由などで乗用馬の売却が行われている。こうしたことと、食用馬に対する感覚の浅さが、偽装につながったものと思われる。
EUは4月には結論を出すと表明しているが、広範囲に広がって調査が困難な状況と思われる。そして何よりも、馬肉を供出した所が、ルーマニアやキプロスなどEUでは格差を受けている地域であることも事実のようである。
無関税のシステムは、歴史や法制度や規制や文化や宗教や民族性などを考慮せず、経済性だけで判断されるため、こうした問題が恒常的に起きるのである。TPPで起きることの良い例である。