そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

そりゃ車が食べることになるさ

2006-12-15 | 再生可能エネルギー

原油の高騰と、地球温暖化を背景に、アメリカでは急速に穀物から抽出されるエタノール燃料へと転換がなされようとしている。

アメリカでは、エタノール生産1ガロン当たり51セントの補助金が2010年まで支払われることになっていることを背景に、中西部のコーンベルト地帯を中心にエタノール蒸留所が建設されて、すでに100ヶ所以上が現在稼動している。アメリカのエタノール生産量は年間50億ガロンが生産されている。因みに、10年前までは10ガロン程度であったが、20億ガロンを越えたのは僅か3年前である。

現在58のプラントが増築もしくは建設の計画がある。これらの全てが稼動する2012年には、アメリカは750億ガロンのエタノールを生産することになる。

政府は、これらエタノール生産には家畜用のコーンを当てることになり、国内外の家畜飼料の市場に大きな影響をも与えることになるとしている。Photo_55

国内では、家畜向けのコーンは大きく減ることになり、輸出用のコーンは相当量減少することになると、アメリカ政府は予測している。

アメリカでは、”現在、農業分野で最も過激に伸びる分野”と言われている。また”エタノール生産はコーン市場を大きく変革する”とも言われている。

日本は、2600万トンの穀物を輸入している。そのうち半分以上の1500万トンが家畜に与えられている。この8割がコーンである。日本の畜産が、バイオ燃料で大きく変革を余儀なくされる。

日本の家畜に与えられる穀物が減少することになる。高い穀物を与えることが、経営上問題になり、市場価格が高騰することにはなるが、家畜たちは健康にはなる。

日本の畜産が、正常に戻るチャンスでもある。

それにしても、人よりも家畜、家畜よりも車に優先させて、穀物を与えるシステムは異常であると思える。

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