そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

今だけを論議しても仕方ない、核と米

2009-07-15 | 

現代は回転が速いためか、あるいは人々が忘れやすくなってせっかちになったのか、これまでの経緯を無視して今だけを議論する傾向が強い。そのいい例が、日本の減反政策と、欧米の核戦略である。

イランの核開発は、就任早々のIAEA事務局長も北朝鮮とともに最大の懸念を表明している。しかし、イランやイラクに核開発を促したのは、欧米によるソ連封じ込めの意図の産物であった。

とりわけ、フランスは積極的に平和利用を口実に、核技術の輸出、開発指導を行ってきた。暴力的な為政者にとって、核兵器ほど魅力的な兵器はない。フランスが支援していたパーレビー国王が失脚し、イスラム革命が起きるとこの関係は全く断たれてしまった。イランが平和利用を口実に核技術を開発するのは、彼らに促した国々の歴史がある。

イラクも同じである。ここはNATOに距離を置くフランスが、フセインの要請で原子炉を造り始めていた。バクダットの郊外のこの地域はオシラクと名付けられていた。イスラエルは、ある日突如としてここを空爆して破壊してしまった。国際法を無視したこの空軍の作戦は、オシラクオプションと呼ばれている。本ブログでも紹介したことがある。

そのイスラエルは、アメリカの後ろ盾で核弾頭を所有していることは、暗黙の了解である。イスラエル自身も、所有をにおわす発言の中にいる方が有利だと判断し、いまだ所有に事実を認めていない。

対立するインドとパキスタンが核を所有している以上、周辺国家は気が気ではない。彼らに核所有を促した大国の思惑が現在にいたっているのである。核は使用するより所有する方が政治的な意味合いが大きい。今更イランに核開発を止めさせるには、核所有する国家が自らの核兵器を廃棄する以外にない。オバマの核廃絶への具体的な成果を期待したい。

勤勉な日本の農民がら労働意欲を奪ったのが、減反政策である。今これを撤廃すると、価格の暴騰が起き農民は更に窮地に追い込まれる。だから減反(生産調整)できないという、農林族に農水大臣は白旗を上げてしまった。農産物(食料)に対する、国家としての明確な方針がなく、その時々の米の価格だけに固執してきた結果である。

人は忘れやすいのか、目先のことばかりをあげへつらう傾向にある。今度の選挙も、そうした軽薄な短期的視点ではなく、あるいは一時の人気取りに惑わされることのない、視点を基準にしていただきたいものである、

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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入力ミスのようですが。 (NPJ)
2009-07-15 18:05:48
入力ミスのようですが。

イランも同じである。ここはNATOに距離を置くフランスが、フセインの

イラクも同じである。
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ありがとう訂正しました。 (そりゃないよ獣医さん)
2009-07-15 18:35:55
ありがとう訂正しました。
返信する

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