アメリカの兵士がイラクで戦死する、その多くは移動中の道路脇に置かれた爆弾によるものであ る。通常の戦闘車や貨物車では到底生き延びられないと思ったのであろう。とてつもない車を作ってしまった。
強力な鉄板で周囲を固め、下は斜めになっているそうである。道路上で爆破されても、左右に力を分散するようにできている。3000台ほど作って、イラクに送る予定だったよ うだが、結局は1500台になるそうである。
この車は、Mine Resistant Ambush Protected Vehiclesと呼ばれているそうで、略してMRAPと 言われている。日本語の呼び名はないが、とてつもなく高価なものに思える。これでまた軍事産業が潤うことになるのだろう。
しかし、これは違うのではないのだろうか。路上の爆弾対策をやるのに、より強力な装備の武力でこれに対応するのは、イラクに対する力の政策をこれからも続けることを象徴しているように思えてならない。
こんなものに金を使うなら、もっと違うものでイラクの人たちを本当に思いやり、平和をもたらすことにこの金を使うことができないのだろうか。一貫して、武力の増大を続けるアメリカに、辟易している国が次第にイラクな どから撤退するのは当然のことである。いずれにしても、このような車の開発とイラクの平和の招来とは無縁のものである。
アメリカは、イラクからの撤退を真剣に考えるべき時に来ているように思えるのである。そんな時にこのような車を大量に配備すること自体が、どこか狂っているのではないか。いや、これこそアメリカの真の姿なのであろう。それでも、この国を「国際貢献」と称して、支援するのですか、安部晋三ボッチャマ。