ロシアのエカテリンブルグで、二つの会議が相次いで行われた。一つは15日に開催された、上海協力機構(SCO)である。ロシアと中国が呼びかけカザフスタンやキルギスなど中央アジアの計6カ国で始まった経済協力機構である。インドやイランやパキスタンなどもオブザーバーなど で加わり、その動向にアメリカが神経を尖らせている。
16日エカテリンブルグ宣言をして、閉幕した。宣言内容は、アメリカ依存の世界から、国連を基軸とする社会へとするために、国連に経済・政治に強力な権限を持たせること。そして、米ロの核軍縮を歓迎し、朝鮮半島の非核化へのプロセスの再開を促している。
また、16日からはBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)が同所で会議を持った。こちらの方は、3兆ドルの外貨準備を各国の通貨で持ち合うことを確認し、基軸通貨としてのドルの存在を揺さぶりをかけようとしている。
しかしながら、BRICsはもともとアメリカのゴールド万サックスが命名した、必然的なつながりのある集合体ではない。結果として同床異夢の様子であるが、多少の立場の違いを残しながらも、世界通貨としてのドルの存在に異論を唱え始めようとしている。
世界はブッシュの強引で不条理なな手法の結果、急速に世界は多極化していることを、この二つの会議は物語っている。東西冷戦の崩壊からちょうど20年であるが、アメリカ一極集中の時代が終焉しつつある。
ところが日本は、相も変わらずアメリカ追従から抜け出すことはない。テロ対策でもイラク侵攻でも気候変動枠組み会議でも、アメリカを補佐するだけの存在となっている。日本がアメリカが同盟国ならば、忠告者であらねばならないはずである。
日本は急速に多極化する世界にあって、取り残されるような、前時代的政策を行って存在感をなくしている。環境問題、食糧問題さらには民族問題や核軍縮についても、何一つとして積極的な声明を出せないでいる。
手厚い医療や福祉のおかげで、長寿国になった。しかしそれを支えていくはずの世代は、大半が低所得であり子供を産み育てる意欲さえ失われつつある。
言い方は悪いが、1500兆ほどある個人金融資産。大半は高齢者が持っていると推測される。
そんな方達には、なんらかの形で若者世代が未来を感じとれる様な金の使い方をしていただきたい。悪徳商法や振り込め詐欺に会うよりずっとましだ。
あの世まで金は持っていけないのだから。