沖縄県知事の翁長雄志氏が亡くなられた。つい先だって知人を膵臓がんで亡くしたが、翁長氏も同病と知りとても案じていた。今年11月に任期が切れるが、ぎりぎりまで自らの立候補の判断を伸ばしていた。任期一年目と知り、少々驚いた。
翁長知事は7月27日に名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立て承認について、「公益に適合しない」などの理由で撤回すると表明。31日に沖縄防衛局の言い分を聞くための聴聞通知書を県が防衛局へ送ったが、これが最後の仕事となったようである。様態が急変し今日夕方亡くなられた。
辺野古基地の埋め立てとい、安倍政権の蛮行が始まろうとする矢先であっただけに、残念でならない。辺野古のこれからの政府の埋め立てで、大浦湾の環境破壊が心配でならない。沖縄の辺野古の埋め立て工事は、大浦湾のサンゴなど動植物の固有の貴重な自然の残る数少ない地域である。菅官房長官は、自然環境に配慮した埋め立てをやるなどと、全く矛盾したことを平気で言っている。
「沖縄は望んで基地を戴いたことは一度もない」「沖縄に新しい基地は作らせない」
翁長氏は、元々自民党員であり沖縄幹事長の要職さえ務めていた。沖縄に特化した基地問題を、党派を超えて真剣に取り組んだ結果が、この知事としての4年であったと言える。むしろ保守であればこそ取り組んだのかもしれない。党方針や派閥の意向に異論を唱えることのできない、国会議員のお歴々に見倣ってもらいたいものである。
安倍晋三とその一派は、翁長氏の死去をさぞかし秘かに喜んでいることであろう。翁長氏の圧倒的な県民の支持の下、強力な基地建設反対の柱を失って、これから始まり知事選挙を弔い合戦として、基地建設反対派に勝利してもらいたいものである。
政治家として筋を通し。文字通り命を懸け、命を燃やし尽くした戦いであった。翁長雄志氏の冥福を祈りたい。
さぞ翁長氏は無念だったことだろう。正に「悪貨が良貨を駆逐する」である。「悪党世に憚る」のたとえごとく、こんなどうしようもないシンゾがなおも居座ると想像するだけで、この日本に絶望してしまう。それにしても、なぜ我々有権者の代表であるはずの一議員のシンゾなのに、辞任待つだけで、我々からクビにすることができないのか。