政府は新コロナウイルス対策として招聘している専門家委員会の検討・審議内容つまり議事録を作成しないということである。そもそも、専門家委員会を政権内に抱え込むことが本来の姿でない。政権・権力者に技術者の立場から色のつかない提言をするべきでであって、政権に忖度することが前提の専門家会議である事がおかしいのである。
しかも、安倍政権がこれまでずうっとそうであったが、安倍晋三に好意的な組織人物やからの提言しか受け付けていない。
現在は発言を匿名で箇条書きした「議事概要」を公開しているが、具体的な政策決定過程が検証できない。結局は発言者不明の議事概要を残すということにしている。これでは編集者がどうにでもできる。
論議を嫌う安倍晋三の政策決定はほとんど思いつきである。あるいは関わり知らぬことについては、お友達の進言をそのまま受け入れることになる。政策決定のプロセスが明らかにされていなければ、当初予測できないことで瑕疵が生じても検証することすらできない。そうしたものを残さないのは、慣例を無視してまで知られては困ること、検証されては不都合が生あるからといえる。
こうした考え方は、共産党による一党独裁国家の中国による政策決定に酷似する。民主主義とは内容もさることながら、少数者の意見や論議を重ねることこそが求められるのである。権力者が思うままに人事や政策を決定する姿は、習近平に限らず安倍晋三やトランプにも酷似する。
自らが政策内容を説明できない安倍晋三は、もっと哀れで官僚かなふりの文書を読み上げるばかりである。記者会見の時のプロンプターは遠隔操作が可能で、安倍の場合はカナだけで書かれているという。我家にはいまだに来ない寸足らずの布マスク配布なども、「国民はみな喜びますよ」とお気に入り高級官僚に耳打ちされたとされる。
公文書は平気で改竄するようになった。隠蔽もする。破棄までするようになったのは、森友学園問題で味をしめたからに他ならない。
内閣府の公文書管理委員会の委員として指針策定に関わった三宅弘弁護士は「指針は『発言者及び発言内容』と明記しており、誰の発言なのかを記す義務がある。議事概要では政策決定過程が検証できる資料とは言えない」と指摘し、「詳細な議事録を作成し、情報公開法にのっとり公表の是非を決めるのが政府の正しい態度である」と述べている。
黒川弘務検事長の賭け麻雀、異例の軽々処分の経過などは、安倍が先行決定した過程を秘匿するために周辺が虚言でかばったのである。森友も同じであるが、検証する材料を失くすか隠すかするが、できなければ嘘をつく。
「記録もねえ、記憶もねえ、議事録まったくとってねえ、金[給付金]もこねえ、マスクもこねえ、コロナ対応うそばかり、誠意もねえ、真摯でねえ、朝起きて夜寝るまで、外出自粛でテレワーク、子どもが周りでぐーるぐる、補償もねえ、謝罪もねえ、検事長週3賭けマージャン、カラオケねえ、ジムもねえ、届いたマスクは欠陥品、俺らこんな国いやだ、俺らこんな国いやだ・・・」憲法学者で早稲田大学教授の水島朝穂氏のサイトから借用