そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

高遠菜穂子さんの講演から学ぶこと

2015-10-24 | テロ
今日面積こそ香川県に匹敵しますが僅か人口1万6千人の別海町で、イラクで子供たちや医療支援のボランティア活動をやられている、高遠菜穂子さんの講演会を開催しました。主催者の感じでは60名程度かそれをどれほど上回るかという感じであった。結果として120名ほどの参加者で、狭い会場は立見席が出る状態となった。
彼女の熱気にに溢れた講演は、田舎者の多くの人たちに深い感銘を与えることとなった。会場は静まり返って、彼女の言葉を逃すまいとする人たちでいっぱいだった。もう一つ驚かされたのは、私たちの開催する講演は高齢者が圧倒的に多いのであるが、さすがに若者や中年の方たちの姿も見られたのである。
もう一つ驚かされたのは、イラクの子どもたちを支援するためと、会場に回した寄付の袋がいっぱいになっていたことである。万札も散見されるほどであった。中東とりわけイラクの状況などについて、生の声を聴きたいという意欲と、何か手助けになればという感情が会場に溢れていた。

高藤さんの講演内容は、とても多岐にわたり、予備知識がなければ理解できないほどであった。しかし今回は、彼女の現地の情勢分析の内容は後日に譲り、彼女が今日この会場で残してくれた言葉をいくつか紹介することにしたい。

イラク帰還兵はPTSDに悩んでいる。それはイラク戦争に大義がなかったからである。良心を持った人ほどその傾向が強い。2014年で、毎日22人自死している。現地で亡くなった兵士の数をはるかに上回っている。
しかも、PTSDは第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラク戦争とあらゆる世代で起きている。ISなどの戦闘報道で蘇るとのことである。

日本の自衛隊が、近々そうした状況に陥ることが十分考えられるが、日本にはアメリカの退役軍人省などと言うものもない。安全保障法(戦争法)を作ったが、アメリカを追従するというだけのことであって、戦争に伴いその後の生じるであろう対策は何一つとして準備されていないのである。

イラク戦争は誤りだった、イラク戦争参加国にほぼすべてが検証委員会を作って結論を出している。オランダなどは国際法に違反する戦争だったと結論している。参加国で検証していないのは日本だけである。しかも、いまだに安倍首相は「イラクが大量破壊兵器が存在しなかったことを証明できなかったからだ」と、嘘の発言をしている。

「イラクのアメリカ刑務所がなければIS(イスラム国)は存在しなかった」 これはISの現役幹部の発言である。

2013年がイラクは最も穏やかな年だった。イラクは確実に復興すると信じていた。この年の暮れから、マリキ政権の市民弾圧が始まった。反テロ法を作って、スンニー派を弾圧を始めたのである。そして現在は、バグダッドはイラン化している。(シーア派化しているという意味である)

未来に残したいのは、平和と健全なメディアである」と彼女は結んだ。

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