そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

「人新世(じんしんせ)」が地質学会で認証受けるのも近い

2024-09-23 | 気候変動
マルクス経済学者斎藤幸平氏の、いつまでも経済成長を望む人たちへの警鐘となる「人新世の資本論」が大ベストセラーになって、人新世という地質学用語が頻繁に使われるようになった。斎藤幸平氏はこれを「”ひと”じんせ」と仮名を振っている。科学の地質学に人新世(”じん”しんせ:Anthropocene)と社会学を別けることかと思われる。
第二次世界大戦終了後の1950年辺りを起点として、人口やエネルギー消費量や肥料の増加や大気の変動が大きく伸びてきている。この辺りか現在を人新世と名付けようというする学者が、各方面から沢山でてきた。
地質学者たちは、現代を地質学的最終的Stageとして、完新世(Holocene)と呼んでいた。農耕が始まってからの現代まではひと括りにして呼んでいるのである。地質学とは文字通り、地層に過去が刻まれた過去を評価し研究する学問であるというのである。地質学者は、たった70年ほどでは地層に組み込まれていないというのである。
ところが、1952年ころから核実験が東西冷戦を背景に、頻繁に行われてきた。核実験で排出された、プルトニュウム240と239の比率で実感箇所まで特定できるというのである。核実験のプルトニュウムは世界各地の地層に均等に降り注ぎ、きざまれているのことが判ってきた。
また、石炭を燃やすことで空気中に排出される球状炭素粒子も、穏やかな海底や湖底などに降り注がれ、地縞(ちこう)として世界各地で確認されている。
たった70年であるが、過去になかった速度と広がりで地球を蝕んでいることがわかる。伝統的な地質学の概念さえも突き崩す、そして新たな地質時代を我々は作り上げてしまったのである。
人新世はヒトの経済活動がもたらしたものであるとして、資本新世(Capitalpocen)と呼ぶべきという人たちがいる。しかしながら、この気候変動をもたらしたものは資本主義だけでなく、これと競った社会主義も同様の経済活動の効率を求める体制であり、双方の経済活動の結果といえる。人々が、経済活動を通じて欲望を満たしてきた結果であるともいえる。
農耕が始まって、地中の炭素を大気に吐き出すようになっても、まだ穏やかだった完新世は、人新世になり大気中のCO2を一気に数十倍にまで押し上げようとしている。そして、それは先進国が優先的に行ってきた行為ともいえるのである。
学者たちは今転換すれば、最悪の事態を遅らすこともできると、可成り悲観的である。昨夜関西の友人に電話するとようやく30度を切ったということであったが、北海島の東の果ての私のの家ではストーブを焚いていた。

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