立憲民主党の新代表野田佳彦は今日(24日)、幹事長に小川淳也前政調会長(野田)、政調会長に重徳和彦衆院議員(野田)、国会対策委員長に笠浩史国対委員長代理(野田)とする新執行部の人事案を両院議員総会に提案し了承を得た。
このほか、代表代行に辻元清美代表代行(枝野)の続投、長妻昭政調会長(枝野)を横滑りさせ、大串博志選挙対策委員長(野田)を兼務とした。常任幹事会議長には菊田真紀子・元外務政務官(野田)を充てた。
小川、重徳、笠の3氏はいずれも代表選で野田の支援に回った野田の側近である。代表選を戦った枝野、泉、吉田の3氏は党の要職から外された。特に決選投票を争ったリベラルの枝野を外したところに、野田佳彦が立憲民主党を右旋回させようとする意図が読み取れる。
代表選の決選投票で野田を支持した国会議員は72人で、63人の枝野に9人の差しかない。執行部には飾りに近い、辻元と長妻を代表代行に置いただけである。枝野側から人事案に大きな反発が出ている。
共産党が早速選挙協力に疑問を呈するコメントを出している。野田たちは、安倍晋三の集団的自衛権公認は明らかな憲法違反としながらも、事実上憲法に抵触するとしながらも、アメリカとの関係からこれを容認しようというのである。「立憲」の名が泣くというものである。
野田は新代表に選出された後、「今日からノーサイド。挙党体制で政権を取りに行こう」と訴えているが、好きなくとも挙党体制にはほど遠い、論功行賞人事といえる。野田は維新と国民民主党との共闘を目指すのであろうが、口先上手の野田佳彦代表の立憲民主党の前途は多難である。