福嶋第一原発処理に係わり放射性物質トリチュウムを汚染水含む、汚染水の海洋投棄を国が決定しているようである。トリチュウムそのものは自然界にもあり極めて毒性が低いものとされている。その一方で周辺の白血病患者が増加しているとの指摘もある。電力会社や政府、いわゆる原子力ムラの側に立つ研究者たちは安全性を強調する。
しかし、この手の話は星の数ほど彼ら、原子力ムラは発し続けているが、いつも閉ざされて論理の上に立ち原子力の安全性と説いてきた。彼らを信用するつもりはない。
ここでトリチュウムは安全か極めて毒性が低いのは事実であるかもしれないことを認めれば、これまでそうであったように原発開発・推進への道が開かれえることになる。こと原発に関することについて、彼ら原子力ムラを信用などしてはならない。新たに原発開発・推進へと動き出す彼らに海洋投棄への免罪符を与えてはならない。
風評被害が取り沙汰されているが、日本の漁業団体の要望書は補償金をききで引き出すためのパフォーマンスに過ぎない。彼らは札束見て懐柔されるに決まっている。
韓国南部の済州特別自治道の元喜龍知事は、東京電力福島第1原子力発電所のトリチウムなどの放射性物質を含む水の海洋投棄決定について中止を求め、要求が拒否された場合は訴訟を起こす考えを示している。元氏は韓国国会で記者会見し、太平洋でつながるすべての国が当事者だと主張、日本政府に対して海洋放出しないよう要求し、処理水に関する透明性のある情報提供や処理方法に関する協議を行うよう求めた。
また中国外務省も福島第1原発の放射性物質を含む水の海洋放出について、趙報道官は「福島での原発事故による放射性物質の漏出は、海洋環境、食品の安全性、人間の健康に深刻な影響を及ぼした。日本政府が自国の市民、近隣諸国、国際社会に対して高いレベルで責任ある態度をとり、原子力発電所のトリチウムを含む排水の処理計画実施の可能性を慎重に評価し、すべての情報を正確かつ透明に積極的かつ迅速に開示することに期待している。日本側が近隣諸国との協議に基づいて決定することに期待している」と述べた。
事故直後真っ先に声明を出したロシアも、いずれ海洋投棄について反対意見を出すに決まっている。ソ連崩壊後の原発や原子力潜水艦事故を起こした当事者に言われたくはないが、反対を表明するのは確実である。
トリチュウムの海洋投棄は八方塞がりになる。それではこの汚染水をどうするかという問題にすり替える論調に乗ってはならない。原発が生んだ放射性物質は処理できない、という事実をすぐ忘れる日本人のためにも、ゾンビのようにまた原子力ムラが復活し再活動できないためにも、東電の抱えさせ続けるより仕方ないのである。