事故から8年経とうとする今ごろになってようやく、福島原発2号機でデブリと思える物体に到着した。政治家は今すぐやりますとか、すぐにでも廃炉に取り組むようなこと言っているが、現実には8年も経ってようやく原子炉枠の底部に至ったのである。
このデブリを取り出すことにはなるだろうが、取り出すだけで50年はかかるだろう。50年とは半世紀で、戦争が終わって平成の半ばまで至る長さである。取り出してもその処分先など何も決まっていない。
除染と称して、汚染地域の土壌を削って集めてはいるが、これとて中間貯蔵施設でしかない。行く先はないのである。
放射能の減衰時間は人の寿命に比べて極めて長い。人が管理するには余りにも無謀といえる。なのに、経団連の会長だったかが、原発相稼働ではだめでどんどん作りましょうと発言している。石坂浩二にも再稼働発言をさせている。
更に外貨獲得にと海外への売り込みを、安倍晋三はゴーサインを出している。アメリカでの開発に失敗した、東芝であるが7000億円を超える赤字を出してさらに会社を傾けた。インドでは現地の人々の反対を受け、ベトナムでもトルコでもイギリスでもとん挫した。要するに海外は何処も原発を作ることができなかったのである。原発政策の失敗だけでなく、安倍外交の失敗である。
なのに自民党はまだお題目のように、ベースロード電源と言い続け再稼働への道を開くのであるか。
フクシマのアンダーコントロール発言の無邪気さは、未だベースロード電源として原発再稼働をもくろむ財界に支配されたゾンビと化したのではないか?
核燃料サイクルは破綻し、使用済み核燃料保管残スペースは2%と言うのに、六ヶ所村再処理工場再開を目指している。2009年、0.8兆円で試運転を試みたが、2017年3兆円の予算を投入しても見通しはない。安倍政権目玉の原発海外輸出も無残に破綻した。
原発政策に追い詰められた阿部晋三は、発電単価が安いとか、放射性廃棄物処理問題に一言も触れたことはないと居直るのだろう。