CNNによると、中米エルサルバドルは、アメリカからの強制送還者を、前例のない国籍を問わずに受け入れることで合意し、アメリカ国籍を有し、現在収監中の凶悪犯罪者も対象に加えるというのである。
ルビオ国務長官は昨日、エルサルバドルのブケレ大統領との会談で、上記の合意について発表した。
ルビオ国務長官によれば、エルサルバドルは引き続き米国に不法入国した自国の強制送還者を受け入れる一方、他にもあらゆる国の不法移民を受け入れる意向があると表明し、これらの人々がギャング組織に属する犯罪者であれば、エルサルバドル国内の刑務所に収監するというのである。
加えてルビオ国務長官は、現在米国内で拘束されている危険なアメリカ人犯罪者も、エルサルバドルの刑務所で収監するとの申し出をブケレ大統領から受けたというのである。その対象には米国籍を所有し、合法的に米国に居住している人々も含まれるというのである。
アメリカ人を含め有罪判決を受けた犯罪者らは手数料と引き換えにエルサルバドルの巨大な刑務所「テロリスト監禁センター」に収容するというのである。完全の超法規的行為と言わざるを得ない。他国の犯罪者しかも凶悪犯というのであるが、国境を越えた犯罪者の引き取りなど、国際法的にも人道的にも、許されることではない。
その上で「手数料はアメリカにとってはかなり割安になるだろうが、我が国にとっては大きい。それにより刑務所システム全体を持続可能なものにできる」と、ブケレ大統領は言うのである。金になるからアメリカの不都合人物(囚人である)を引き取りましょうというのである弱小国の生き残り戦術に他ならない。。
ブケレ大統領は収監率の高さを治安の良さの要因として称賛するが、アムネスティ・インターナショナルなどの人権団体は、エルサルドバルでは非常事態宣言下で収監されている8万人超の多くは無実だと認識している。実際は上記のように上半身裸にさせるなど、中国のウイグル人収監の仕打ちに酷似する。
この奇怪な取引は、弱小国のエルサルバドルが選択した、トランプ擦り寄りの生き残り戦術であろう。
日本だってそれほど変わらないだろう。イスラエルのネタニアフに次いで我が国が謁見すると喜んでいるが、どんな条件をも受け入れて、高価な使いもしない兵器を大量購入したりして、トランプ様のご機嫌を伺うことになるのだろう。