「進駐軍に『ギブミーチョコレート』と言って、子供達が群がった」と、日本の戦後を語る話として読んだことがある。
進駐軍の施設でアメリカ文化ジャズに触れた、とか。
貧しい時代だったけど、アメリカ軍を通してなのか高価な缶詰なんかも手に入ったそうよ、とか。
それぞれの戦後があったのだろう。
日本の戦後を書いた本『敗北を抱きしめて』(ジョン。ダワー著)をカバンに入れていた頃、その本の話がきっかけで、幼児期に敗戦を体験した友人から焼け跡の話を聞いたことがある。
今住んでいるこの中核都市の城跡をはじめ、その周りも進駐軍の営舎となって、日本人の若い女性と進駐軍の兵士が腕組みして歩いていたという。
通りがかりの兵士が写真写してくれたりして、後から写真くれるって言ったけど、それっきりだったわね。
みんな、チョコレートをもらっていたけど、ウチの父は貰っちゃダメって言うから、もらえなくて…。彼女4,5歳の頃か。
イラクのことを思う。
多国籍の進駐軍が暮らしのすぐそばにいる毎日。
アメリカ、イギリス、スペイン、イタリア、韓国、日本などから沢山の進駐軍(日本の場合は土木作業員か)。平穏な日本で新聞を読んでいても、どの国がどう関わっているか詳しくは分からない。
暮らしのことでいっぱいで新聞を読むどころでないイラクの人たちにとっては、すぐそばにいる進駐軍がさしあたってかかわりがある外国人だろう。
突然、自国が爆撃を受け、逃げ惑い、幸いにも命をとりとめ平穏な生活をしたいと願う中で、外国人が手助けして出来上がった新政府。
彼らの目にはどのように写っているのだろうか。
役得で缶詰を貰ったといってほくそえんでいる人もいるだろうし、「ギブミーチョコレートはいけない」と、子供に教えているお父さんもいるんだろうなと、思う。
とても幸いなことで、私達世代は体験としての戦争を知らない。
「焼け跡」という文字を読んでも、それだけしか分からない。
臭いやひもじさ、そして絶望感もないまぜになったものだろうなと、体験した人の話を聞くと思う。
戦地からの帰還者なのか、ひどい身なりで焼け跡にたたずむ人がいて、気味悪かったと幼かった彼女の話。
悲しみの度合いは一人一人異なる。
イラクのことを思う。きっと新聞が伝えないことがいっぱいあるのだと。
進駐軍の施設でアメリカ文化ジャズに触れた、とか。
貧しい時代だったけど、アメリカ軍を通してなのか高価な缶詰なんかも手に入ったそうよ、とか。
それぞれの戦後があったのだろう。
日本の戦後を書いた本『敗北を抱きしめて』(ジョン。ダワー著)をカバンに入れていた頃、その本の話がきっかけで、幼児期に敗戦を体験した友人から焼け跡の話を聞いたことがある。
今住んでいるこの中核都市の城跡をはじめ、その周りも進駐軍の営舎となって、日本人の若い女性と進駐軍の兵士が腕組みして歩いていたという。
通りがかりの兵士が写真写してくれたりして、後から写真くれるって言ったけど、それっきりだったわね。
みんな、チョコレートをもらっていたけど、ウチの父は貰っちゃダメって言うから、もらえなくて…。彼女4,5歳の頃か。
イラクのことを思う。
多国籍の進駐軍が暮らしのすぐそばにいる毎日。
アメリカ、イギリス、スペイン、イタリア、韓国、日本などから沢山の進駐軍(日本の場合は土木作業員か)。平穏な日本で新聞を読んでいても、どの国がどう関わっているか詳しくは分からない。
暮らしのことでいっぱいで新聞を読むどころでないイラクの人たちにとっては、すぐそばにいる進駐軍がさしあたってかかわりがある外国人だろう。
突然、自国が爆撃を受け、逃げ惑い、幸いにも命をとりとめ平穏な生活をしたいと願う中で、外国人が手助けして出来上がった新政府。
彼らの目にはどのように写っているのだろうか。
役得で缶詰を貰ったといってほくそえんでいる人もいるだろうし、「ギブミーチョコレートはいけない」と、子供に教えているお父さんもいるんだろうなと、思う。
とても幸いなことで、私達世代は体験としての戦争を知らない。
「焼け跡」という文字を読んでも、それだけしか分からない。
臭いやひもじさ、そして絶望感もないまぜになったものだろうなと、体験した人の話を聞くと思う。
戦地からの帰還者なのか、ひどい身なりで焼け跡にたたずむ人がいて、気味悪かったと幼かった彼女の話。
悲しみの度合いは一人一人異なる。
イラクのことを思う。きっと新聞が伝えないことがいっぱいあるのだと。