介護関連で、うれしい気分を味わったので、少し書きます。
うれしい気分(というか、誇らしく思う、というか、世の中、ほらこんなに捨てたモンではないという気分)を、皆様に少し自慢したくて、書きます。
10月半ば、一人暮らしの夫の80代の母が股関節骨折で入院。
多分、今後は一人暮らしが困難だろうと言うことで、施設を探し始める。
長男、二男はそれぞれ離れたところで暮らしている。
三男は住居は比較的近いけれど、職場に5日間泊り込みで、その間連絡が取りにくい状態。
以後、離れて住む息子3人は、メールで情報の共有
息子との同居の見通しは困難で、母は施設入居を了解する。
母の住所地の1施設(以下「海辺の里」という)に順番待ちながら申し込む。
同市と隣市のケアハウスのいくつかを訪ね、残りに対しては電話で問い合わせるがすべて順番待ち。
思案しているところに、ケースワーカーさんが、30分ほどの距離のところの施設「山の里」を紹介してもらう。
その結果、空室ありで息子たちは安堵。早速母を車椅子で連れて見学。
「満員、待機しても何時とはいえません」という返事ばかりだったこともあり、見晴らしもよく、部屋も比較的広い、その「山の里」も申し込む。
改めて、入居に際して「山の里」の面接に行く。
自立生活の基準を調べるテストがあったらしいが、母は計算問題や記憶力が思ったほどできなかったこともあり「バカにされた」と気分を悪くする。病院でのリハビリをもう少し続けることにする。
その間、「山の里」に一旦入居して、「海辺の里」の順番が来るのを待とうと説明する。
母は「最近も『海辺の里』に入った人がいる」と仕切りと口にする。
息子3人は「それはおかしい。『海辺の里』は順番待ちだから、『山の里』に入居して、空がでたら引越そう」と何度も何度も言い聞かせるが、一旦「ウン」と言っても、すぐに翻意してしまう。
2月3日(土)
三男と空のある入所予定の「山の里」へケアマネージャーさんらとの打ち合わせのために出向く。「遠くて、どうしても、ここ(『山の里』)はイヤだ」といい、契約は2月1日からとして、実際の引越しは少しあとにしてもらう。集まってもらったケアマネージーさん、ヘルパーさんに迷惑をかける。
そんなとき、母本人が、友人に頼んで、「「海辺の里」見学に行くことになっていると耳にする。
2月6日(火)
友人と「海辺の里」に見学に行く。その友人から「多分近いうちに『海辺の里』に入居できるから、施設長に電話を入れてくれ」と電話があったという。
『海辺の里』に問い合わせる。
友人と来られた。母は「思ったよりいい施設」といっていたと。施設長さんは「次の入居を母と考えている」とのこと。「多分15、16日頃ではないか」と聞く。
えっ、急によい話!とは思う。土日でないと引越しはできないので、17日にお願いする。
2月7日(水)
親類のKさんから電話。「病院から母が今日明日にでも退院してくれと言われている。見舞いに来ていた母の友人から、いろいろ人に動いてもらって『海辺の里』に入れるようになったと、聞きました」と。
「『海辺の里』に入る17日までの間、自宅に来てもらってもいい」とのこと。
このときはじめて、即退院要請されていることを始めて知る。
病院のソーシャルワーカーさんに確認。
同日(水)
退院要請は確かだということがわかる。
「『山の里』に入所できるのに、拒んでいるのは本人で、『海辺の里』にいろいろ人を使って動いているらしいという話が伝わっている」とのこと。またまた、えっ、そんな!
驚くことばかりです。
メールで、他の兄弟にも、今日聞いた話を、できるだけそのまま知らせ、こんな形での順番繰上げは良くないのでは、と伝える。
勿論、みんな えっ!です。
2月8日(木)夜遅く。
三男から、「人を使って順番を早めて入るのはいけないことだから、『海辺の里』に断ってくださいと」のメール。
2月9日(金)朝
夫と話す。コネを使っての順番繰上げはしてはいけないこと。
『海辺の里』の施設長からは「特殊な緊急の場合をのぞいて、皆さん順番に入ってもらいます」と、確かに聞いたはずだ。母の場合は、『山の里』があるから、行くところがない場合ではない、しかし、いくら「山の里」に連れて行っても、イヤだと拒否するのだから、息子たちにとっては困った事態ではある。さて、即断るべきか?
微妙な問題だから、妻の私は、「なんらの判断をはさまないからね」といって、断りは、母が日曜日に「山の里」に引越したあとの、月曜日にしようという考えに落ち着いたところで、夫出勤。
同日、9時4分 「海辺の里」から電話。
「17日の見込みだったのがはっきりとOKになりました」と。
ドキッ。「判りました。電話があったことを伝え、またこちらから電話します」と聞き置く形を取る。
どうすれば、一番迷惑がかからないか、厄介な状況です。
夫から電話。
先に親戚のKさんから電話があり、「海辺の里」に、「今の状況で入ることを断ると判断した」ことを伝え、施設に電話する用件があれば伝えてと頼む。
彼女は即電話したらしく、事実はこちらが心配していたのと違ったらしいとのこと。
「(コネではなく)正当な順番です」との回答だったとのこと。
それを聞いて、胸がスー、です。
即、『海辺の里』に電話をして、順番が繰り上がった事情を聞き逐一書き留める。
そして、「病院の即退院要請を、日曜日まで待ってもらっていること。日曜日に『山の里』に入居予定。1週間後に17日に『海辺の里』に移ることになる」と、こちらの状況を伝えると、「退去後のクリーニングが簡便でよければ、17日(土)を11日(日)に早めても良い」との返事を貰う。
こんなこともあるのかと、どんよりした雲が途端に晴れたようです。
即、明日帰省して「山の里」への引越し準備予定の長男宅に電話。勿論、書き留めた内容を知らせ、正当な順番で、引越し先が、本人希望の「海辺の里」になったことを伝える。
長男の話では、そんなコネを使おうとすることはいけないことだから、希望しても叶える必要はない!順番どおりではなくて、もう一度順番の最後に回るべきだと、母親の取った行動を怒っていたと。
10月半ばから、介護のことで、病院関係者、いろんな施設の方々、市役所の方、いろんな方と接してきました。どこであっても嫌な印象は受けませんでした。
そして、もっとも「いいな」と思ったのは、電話を掛け捲り、何度も足を運び、手間や経費がかかっても、ルールを守った方法を取ろうと、そこにおいては、3人の息子たちの意見がすっきりまとまっていたことです。
それは、当たり前のことなのですが、この選択をして尚望みがかなったこと、うれしく思いと共に、恵まれているのだろうなとも思いました。
2月11日
三男と帰省して引越しを手伝った長男夫婦の協力で引越しは完了。
長男のメールでは、引越し前の病院で「○さんや△さんのおかげで、『海辺の里』に入れると自慢げに話していた」とのこと。「それは違う。誰でも順番で入居できる。そういう言い方は人に迷惑がかかると、何度も言い聞かせてきた」と書かれていた。
その後ですか?
2月12日(月)朝、三男から電話。ケアマネージャーさんとの打ち合わせに、「海辺の里」の母の部屋へ行くと、顔を見た途端、「ここを出る。家に帰る」と言っているとのこと。
何だコリャ、の世界です。
2月13日(火)昨日の電話が気になって、「海辺の里」に電話してみる。
今、保育所の子供たちが、お寺の行事のお団子作りをやりにきています。その様子をみて、「お母さんは、俳句の季題になるねと、おっしゃっていましたよ」と。
少しずつ、生活になじもうとしているのかもしれない。
家事が好きなタイプではなかったので、3食バランスの取れた食事もできるし、周りの目を気にすることで、気力も沸くと思ったりする。体力回復には良い環境じゃないだろうか。
これからも、いろいろあるかもしれません。
でも、筋の通る選択をしてきたことが、良い方向に向かうのだと実感できた体験でした。
うれしい気分(というか、誇らしく思う、というか、世の中、ほらこんなに捨てたモンではないという気分)を、皆様に少し自慢したくて、書きます。
10月半ば、一人暮らしの夫の80代の母が股関節骨折で入院。
多分、今後は一人暮らしが困難だろうと言うことで、施設を探し始める。
長男、二男はそれぞれ離れたところで暮らしている。
三男は住居は比較的近いけれど、職場に5日間泊り込みで、その間連絡が取りにくい状態。
以後、離れて住む息子3人は、メールで情報の共有
息子との同居の見通しは困難で、母は施設入居を了解する。
母の住所地の1施設(以下「海辺の里」という)に順番待ちながら申し込む。
同市と隣市のケアハウスのいくつかを訪ね、残りに対しては電話で問い合わせるがすべて順番待ち。
思案しているところに、ケースワーカーさんが、30分ほどの距離のところの施設「山の里」を紹介してもらう。
その結果、空室ありで息子たちは安堵。早速母を車椅子で連れて見学。
「満員、待機しても何時とはいえません」という返事ばかりだったこともあり、見晴らしもよく、部屋も比較的広い、その「山の里」も申し込む。
改めて、入居に際して「山の里」の面接に行く。
自立生活の基準を調べるテストがあったらしいが、母は計算問題や記憶力が思ったほどできなかったこともあり「バカにされた」と気分を悪くする。病院でのリハビリをもう少し続けることにする。
その間、「山の里」に一旦入居して、「海辺の里」の順番が来るのを待とうと説明する。
母は「最近も『海辺の里』に入った人がいる」と仕切りと口にする。
息子3人は「それはおかしい。『海辺の里』は順番待ちだから、『山の里』に入居して、空がでたら引越そう」と何度も何度も言い聞かせるが、一旦「ウン」と言っても、すぐに翻意してしまう。
2月3日(土)
三男と空のある入所予定の「山の里」へケアマネージャーさんらとの打ち合わせのために出向く。「遠くて、どうしても、ここ(『山の里』)はイヤだ」といい、契約は2月1日からとして、実際の引越しは少しあとにしてもらう。集まってもらったケアマネージーさん、ヘルパーさんに迷惑をかける。
そんなとき、母本人が、友人に頼んで、「「海辺の里」見学に行くことになっていると耳にする。
2月6日(火)
友人と「海辺の里」に見学に行く。その友人から「多分近いうちに『海辺の里』に入居できるから、施設長に電話を入れてくれ」と電話があったという。
『海辺の里』に問い合わせる。
友人と来られた。母は「思ったよりいい施設」といっていたと。施設長さんは「次の入居を母と考えている」とのこと。「多分15、16日頃ではないか」と聞く。
えっ、急によい話!とは思う。土日でないと引越しはできないので、17日にお願いする。
2月7日(水)
親類のKさんから電話。「病院から母が今日明日にでも退院してくれと言われている。見舞いに来ていた母の友人から、いろいろ人に動いてもらって『海辺の里』に入れるようになったと、聞きました」と。
「『海辺の里』に入る17日までの間、自宅に来てもらってもいい」とのこと。
このときはじめて、即退院要請されていることを始めて知る。
病院のソーシャルワーカーさんに確認。
同日(水)
退院要請は確かだということがわかる。
「『山の里』に入所できるのに、拒んでいるのは本人で、『海辺の里』にいろいろ人を使って動いているらしいという話が伝わっている」とのこと。またまた、えっ、そんな!
驚くことばかりです。
メールで、他の兄弟にも、今日聞いた話を、できるだけそのまま知らせ、こんな形での順番繰上げは良くないのでは、と伝える。
勿論、みんな えっ!です。
2月8日(木)夜遅く。
三男から、「人を使って順番を早めて入るのはいけないことだから、『海辺の里』に断ってくださいと」のメール。
2月9日(金)朝
夫と話す。コネを使っての順番繰上げはしてはいけないこと。
『海辺の里』の施設長からは「特殊な緊急の場合をのぞいて、皆さん順番に入ってもらいます」と、確かに聞いたはずだ。母の場合は、『山の里』があるから、行くところがない場合ではない、しかし、いくら「山の里」に連れて行っても、イヤだと拒否するのだから、息子たちにとっては困った事態ではある。さて、即断るべきか?
微妙な問題だから、妻の私は、「なんらの判断をはさまないからね」といって、断りは、母が日曜日に「山の里」に引越したあとの、月曜日にしようという考えに落ち着いたところで、夫出勤。
同日、9時4分 「海辺の里」から電話。
「17日の見込みだったのがはっきりとOKになりました」と。
ドキッ。「判りました。電話があったことを伝え、またこちらから電話します」と聞き置く形を取る。
どうすれば、一番迷惑がかからないか、厄介な状況です。
夫から電話。
先に親戚のKさんから電話があり、「海辺の里」に、「今の状況で入ることを断ると判断した」ことを伝え、施設に電話する用件があれば伝えてと頼む。
彼女は即電話したらしく、事実はこちらが心配していたのと違ったらしいとのこと。
「(コネではなく)正当な順番です」との回答だったとのこと。
それを聞いて、胸がスー、です。
即、『海辺の里』に電話をして、順番が繰り上がった事情を聞き逐一書き留める。
そして、「病院の即退院要請を、日曜日まで待ってもらっていること。日曜日に『山の里』に入居予定。1週間後に17日に『海辺の里』に移ることになる」と、こちらの状況を伝えると、「退去後のクリーニングが簡便でよければ、17日(土)を11日(日)に早めても良い」との返事を貰う。
こんなこともあるのかと、どんよりした雲が途端に晴れたようです。
即、明日帰省して「山の里」への引越し準備予定の長男宅に電話。勿論、書き留めた内容を知らせ、正当な順番で、引越し先が、本人希望の「海辺の里」になったことを伝える。
長男の話では、そんなコネを使おうとすることはいけないことだから、希望しても叶える必要はない!順番どおりではなくて、もう一度順番の最後に回るべきだと、母親の取った行動を怒っていたと。
10月半ばから、介護のことで、病院関係者、いろんな施設の方々、市役所の方、いろんな方と接してきました。どこであっても嫌な印象は受けませんでした。
そして、もっとも「いいな」と思ったのは、電話を掛け捲り、何度も足を運び、手間や経費がかかっても、ルールを守った方法を取ろうと、そこにおいては、3人の息子たちの意見がすっきりまとまっていたことです。
それは、当たり前のことなのですが、この選択をして尚望みがかなったこと、うれしく思いと共に、恵まれているのだろうなとも思いました。
2月11日
三男と帰省して引越しを手伝った長男夫婦の協力で引越しは完了。
長男のメールでは、引越し前の病院で「○さんや△さんのおかげで、『海辺の里』に入れると自慢げに話していた」とのこと。「それは違う。誰でも順番で入居できる。そういう言い方は人に迷惑がかかると、何度も言い聞かせてきた」と書かれていた。
その後ですか?
2月12日(月)朝、三男から電話。ケアマネージャーさんとの打ち合わせに、「海辺の里」の母の部屋へ行くと、顔を見た途端、「ここを出る。家に帰る」と言っているとのこと。
何だコリャ、の世界です。
2月13日(火)昨日の電話が気になって、「海辺の里」に電話してみる。
今、保育所の子供たちが、お寺の行事のお団子作りをやりにきています。その様子をみて、「お母さんは、俳句の季題になるねと、おっしゃっていましたよ」と。
少しずつ、生活になじもうとしているのかもしれない。
家事が好きなタイプではなかったので、3食バランスの取れた食事もできるし、周りの目を気にすることで、気力も沸くと思ったりする。体力回復には良い環境じゃないだろうか。
これからも、いろいろあるかもしれません。
でも、筋の通る選択をしてきたことが、良い方向に向かうのだと実感できた体験でした。