日々の暮らしから

「街中の案山子」「庭にいます。」から更にタイトル変更します。

こんな一コマ。

2008-06-18 07:45:40 | 私の雑感あれこれ
先月のことです。
東京の若者達の街、歩行者天国なのでしょうか、賑やかな通りを歩いていました。普段離れて暮らしている長男、長女らと一緒に、目的の場所を目指して地図を片手に。
道が二手に分かれているその中心点に、(私達が歩いている道筋の、ちょうど目の前に)、確かに見覚えがある顔を見つけました。
年配の男性と女性、そして5歳ぐらいの女の子。
疲れたのか、路肩の盛り上がったところに腰を下ろしています。
若者が行き交う街に、そこだけ違った趣・・・。

・・・私、この人たち知っている!
写真でみた人と同じだから。
だから、この方は、今日娘が結婚しようとしている相手のご両親。
あっ、言葉が通じない。
でも、こんな街で道に迷って疲れ果てたかのようでもあり・・・。
咄嗟にこう思いました。
「私はあなたたちを知っています」
「私は、今日結婚式を挙げようとしているTの母親です。連れは参加しようとしている家族です」
そのことを伝えなくてはならないと、思いました。
彼らは、この日本で、息子Kと私の娘Tしか知らず、言葉もわからず、でも、今ここに、KもTもいない。
英語もわかりません。
KとTの名前を繰り返して、一緒に目的場所に行きませんかと、誘導するアクションを繰り返しました。
どこまで通じたのか、通じていなくて困惑したのか。
考えてみれば、私は年末に娘がかの国で、皆さんにお会いして沢山の家族写真を持ち帰ったのを見ていますが、相手は私の顔を見るのは初めてなのですから。

そうこうしているうちに、今日の花婿であり、唯一の通訳Kが妹と戻ってきて、不可解な状況は解決。

コレが、あの、先月の末娘のささやかな結婚式に当たっての、前座余興のような出来事でした。

そのときの出会いがはじめてでしたから。
かの国からきた家族は普段着で出席するだろうから、お母さんたちも普段着でもいいよ、そんなふうな、ささやかなイベントでした。
息子のおかげで、日本という国に来れることができました。
にこやかな表情で、そう答える(もちろんKの通訳付き)、お父さん。
1ヶ月近くの日本滞在。東京の交通のシステムの複雑さ、それを混乱もなく理解している一般の人々に驚いたとのこと。
かの国には、鉄路そのものがありません。

日本の「結婚式って…」という相場からは、かなりかけ離れているのかもしれません。
――先日も、結婚式は、留め袖を着たの?それとも洋装?と、結婚する息子を持つ同世代の友人に尋ねられましたが、あのささやかさでは、留め袖は場違いかなと、娘のウェディングを思い起こしていました。――

こんな縁もあるのです。
きっと、世の中には、もっとへぇー、と思うような縁もあるのでしょうね。
コメント
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