日々の暮らしから

「街中の案山子」「庭にいます。」から更にタイトル変更します。

郷愁の光景

2009-07-09 09:50:02 | 子育ての周辺
6月に、愛知万博記念公園に保存されている「サツキとメイの家」に行ってきた。
宮崎駿監督のアニメ「となりのトトロ」の主人公の住まい、とのこと。
アニメなのに、現存建物保存の風なのか、なんか変。
そもそも作者が考えた家。それをなぞって、昭和30年代風に拵えて、大層に保存し、入場料を取って観覧させているのだから。⇒企画の幼さというか、まったく平和ですねー。

さて、入館してみて、かつて暮らしたことのある一軒家を思い出した。
良く似ている。
ガラガラとガラスの格子戸をあけるところ。
入って右手に洋室があること。
畳の続き間があること。
日の当たらないところにある、台所の狭さ、使い勝手の悪さ。
支部長宅用の官舎だったから、敷地100坪で、縁側も広くてなのですが、築年から相当経っている旧式でした。

そして、そこに住んでいた頃には、我が家にもサツキとメイ世代の子供たちがいました。
彼女らのお父さんは大学の先生だけれど、我が家の子供たちのお父さんは裁判官。
帰宅は5時過ぎと早いのですが、子供たちが寝た後、毎日夜9時から12まで書斎で仕事という生活。

旧式の和式トイレはハイハイの子供が落ちたら大変と、外鍵を付けたり、幼い息子にはトイレが届かず、ブロックを並べて置いたり。
父子でお風呂に入っていたのもこのころです。お父さんに子供たちがおねだりする定番の物語もありました。
サツキとメイの家は、そんなかつてを思い起こさせてくれました。

以前に書いたことがあるけれど、
父の日を前にしての作文を書くことになって、お父さんの仕事を娘が訊ねたので「『悪いことをした人に、これはいけません』っていう仕事」と返事したら、
「なーんだ、そんなの当たり前じゃない。簡単なのー」と答えたりしていたのも、この頃。

おもえば面白い娘でした。
ある日、子供3人に留守番させて、1,2時間ほどの外出から帰った時のことです。
といっても、留守番という概念が判るのは6歳の娘ぐらいで、小さな弟妹は、お姉ちゃんがいるから安心、というぐらいでしょうか。
いや、1歳の末娘にはそのことすら理解できなかったかもしれません。

子供たちは確かに3人元気に玄関に出迎えてくれたのですが、
8畳の和室の様子が変です。
食卓の椅子が3つ、4つと何かを囲むように置かれています。
えっ!一瞬何事!
そうは思いました。
理由があったのです。
整理ダンスの上に置いてあった、電気スタンドのコードが垂れていて、ヨチヨチ歩きの末っ子が、興味でコードを引っ張ったらしいのです。
ガチャン!!です。
蛍光灯のガラスは飛び散ります。
ヨチヨチ歩きに、危ないから近寄るな、と言っても、どこまで理解するかわかりません。
で、彼女がしたこと。
隣室の食卓用の椅子でぐるりとガラスの破片が落ちたあたりを囲んで、ヨチヨチでも、ハイハイでも近づけないようにしよう、そう考えたわけです。

文字で書くと、説明が長くなりますね。
私の目に入ってきた光景は一瞬です。
あっ!彼女の知恵!
です。

「あなたは子供のときは、キラッと光る行動をしたり、言ったりする子だったよね」と、いったことがあります。
彼女、なんと返すと思いますか。
「今でも、私は同じだよ。お母さんの耳にそう聞こえないだけのはずなんだけれどなー」

本当でしょうか。
うーん。
煙に巻くのも上手いようです。

コメント (8)
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