日々の暮らしから

「街中の案山子」「庭にいます。」から更にタイトル変更します。

想像のゆりかごにいます。 

2010-04-13 12:20:44 | 本・映画・テレビドラマ・絵・音楽
ゆっくりと。
愛蘭土(アイルランド)紀行という司馬遼太郎さんの手になるゆりかごに。

以前、スペインのオリーブ畑を何時間もバスに揺られたとき、
この国の大航海時代、沢山の木造船が製造され、気候が変更するほど、国中の多くの森が失われました。殆ど砂漠化したようになったのですが、今はこうして、オリーブ畑になっています。
オリーブの木は、作業しやすいように、まばらに植えられているから、目の前一面に広がる光景に森の面影はない。

そうなんだ、と思いつつ幾歳月(笑)。

今度は、イギリスの森のことが、愛蘭土紀行に。
かの国では、他国に先駆けて、鉄鉱石を溶かして鉄を精製する技術が開発され、その溶かすための燃料として、次々に森が姿を消していった、との記載。
石炭からコークスを取り出して燃料として利用されるようになるまで、木が燃料だったのです。
そして、石炭から、石油と、時代は燃料を変えていったということ。
自分一代では、その変化を体感できないけれど、こうして本を通して理解できることが、またとなく楽しい。
で、輸送手段。
私たちは、車、または、鉄道、そして飛行機を思い浮かべます。
でも、それらより先に発達したのは、「運河」。
そう水運、船です。
工業が勃興せんとしているイングランドに、次々と人力で運河が掘られ、物資輸送で活躍したのだそうです。
で、あの蒸気機関の発明により、鉄道へとつながり、運河は廃れる。
その後、自動車と道路網の時代になっていく。

うーん、ゆっくりのようで、大きな変化が見られます。
今、日本では自動車会社はその系列子会社、関連会社を含めると、沢山の人を養っています。
これまでも、その時代、時代のメーン産業が、多くの人々を養ってきたのでしょう。
とすると、今の時点の勝ち組会社は、いつまでも勝ち組産業であり続けることはない、という流れになります。

その流れを変えるキーになるものは、時代によって様々でしょう。
あと、20年もしたら、
「あんな排気ガスを出すガソリン車によくも乗っていたものだ」と
そんなようになっているかもしれません。

ここ数年、新聞、テレビがインターネット社会の定着化で、情報発信の地位を脅かされている、と耳にします。
変わる潮流が速いような気がします。

かつてのヨーロッパも、目先の必要に迫られて、森を燃やしてきたのです。
その歴史を持っているからこそ、地球環境にも熱心なのでしょう。
古代、中世、そして、ビートルズまで、司馬さんの筆による、時空を超えての案内は、読書のゆりかごのようです。


追加
読み進めるほどに、教えられることが多くて、自問自答。

底知れない知識を縦横に語ることのできた、司馬さんも、なくなると知識もきえるのだ!
あー、もったいない。
だから、こうして書物を通して出会えるじゃないか。
私、司馬さんの1000番目の教え子になりたかった!

キミが1000番目なんて、彼はファンが多いから、100万番目ぐらいじゃないかと、横槍。笑

もう、ご本人にお目にかかれる機会はないけれど、彼の書物を通して、自称、末席の教え子になろう。
神様は、こんな力を司馬さんという人を通して、人にお与えになるのですね。
知らないことを知り、分かりやすく解説してくれる司馬さんの目線で、これから、ゆっくり彼の紀行文を傍らにおいて、読んでいこう。




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あの時代のエピソード、という宝物

2010-04-13 11:29:35 | 私の雑感あれこれ
そんな父親ですが、小学校低学年の頃まで、子供たちとお風呂に入っていました。
物語を聞かせてくけるので、お父さんと一緒のお風呂が大好きでした。
ところが、読書家の娘は、お父さんの話す物語(大抵はとんち話でしたが)の出だしを聞いて、「知ってる!その話、こうでしょ」というようになりました。

で、お父さん、新しく本を調達してきて、子供に見つからないように、隠していました。

きっと、「そんな時代もあったよね」(笑、中島みゆきっぽい)、と親は覚えているのですが、子供たち当人は、思い出すこともないでしょうね~。

どこの家にもあるでしょう。
我が家の、そんな時代の、親子蜜月のエピソードの一つです。
コメント (6)
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