東京行きの新幹線の中で、iPODに収録した青空文庫で、太宰治の「ヴィヨンの妻」を読む。
去年映画化された作品。実は学生時代に全集を買っているのだけれど、たまたま掲載の巻が見当たらず、よって,読んだかどうかは覚えもない、という状態だった。
ヴィヨンの妻は、太宰の奥さんがモデル(?)との作品紹介の一行も、読んでみようかな、の興味のきっかけか?(自問)
時代は昭和19年頃だから、戦争末期。妻の連れ合いは、30歳で、妻は6歳年下で、幼子を抱えている。
その夫は、中世のフランスの詩人「フランソワ・ヴィヨン」についての論文を書いたり、で、無頼派詩人に傾倒している青年。自分の生活の無頼振りと、ヴィヨンの破天荒振りを重ねて、自分の妻に「ウィヨンの妻」と冠しての話、なのだろう、か。
夫は、旧家の次男で、ゆくゆくは膨大な財産がはいるという立場と、ちゃっかり記されていて、生活素行はハチャメチャで、見るからに出来の悪そうな幼子を抱えた妻は、苦労を背負い込んでいる、という設定。
コレまでに、その昭和の時代を書いたノンフィクションも多々読んできたものにとっては、この戦とも関係なく、お酒に酔いしれ、散財しまくり、あとは財産が転がり込んで…、の設定が、太宰という人の「お話」、それだけのこと、に思えてしまった。
但し、今の私には、です。
昭和40年代始めから中頃、私が太宰を読んだ頃は、彼の、文章は惹きつけて止まない、ものをもっていると感じられて、どの作品も、読み始めると、そこから媚薬のような出ているのではないかとすら思えるほどの、特徴があった、のに。
いつの間にか、太宰を卒業していたのですね。
去年映画化された作品。実は学生時代に全集を買っているのだけれど、たまたま掲載の巻が見当たらず、よって,読んだかどうかは覚えもない、という状態だった。
ヴィヨンの妻は、太宰の奥さんがモデル(?)との作品紹介の一行も、読んでみようかな、の興味のきっかけか?(自問)
時代は昭和19年頃だから、戦争末期。妻の連れ合いは、30歳で、妻は6歳年下で、幼子を抱えている。
その夫は、中世のフランスの詩人「フランソワ・ヴィヨン」についての論文を書いたり、で、無頼派詩人に傾倒している青年。自分の生活の無頼振りと、ヴィヨンの破天荒振りを重ねて、自分の妻に「ウィヨンの妻」と冠しての話、なのだろう、か。
夫は、旧家の次男で、ゆくゆくは膨大な財産がはいるという立場と、ちゃっかり記されていて、生活素行はハチャメチャで、見るからに出来の悪そうな幼子を抱えた妻は、苦労を背負い込んでいる、という設定。
コレまでに、その昭和の時代を書いたノンフィクションも多々読んできたものにとっては、この戦とも関係なく、お酒に酔いしれ、散財しまくり、あとは財産が転がり込んで…、の設定が、太宰という人の「お話」、それだけのこと、に思えてしまった。
但し、今の私には、です。
昭和40年代始めから中頃、私が太宰を読んだ頃は、彼の、文章は惹きつけて止まない、ものをもっていると感じられて、どの作品も、読み始めると、そこから媚薬のような出ているのではないかとすら思えるほどの、特徴があった、のに。
いつの間にか、太宰を卒業していたのですね。