久しぶりの藤沢周平作品です。昭和60年に文庫本になった(数年前に電子書籍に)本ですが、今も十分に読み手の心に響くところがあり、かつ読みやすい短編集です。ちょっとした描写場面でのプロの文章表現者のものを見る視点にさすがというか上手いです。
これまで私が読んだものは武士階級の物語だったので、江戸下町の裏長屋の住民が登場人物の本は初めてではないかしら。
北原亜細以子さんの江戸下町の長屋の木戸番夫婦を要に置いた物語を数冊読んだ後のこともあり、この本もまた惹きこまれて読める。
物語には、必ず書き手の倫理観、人間観が入ってくるのだけれど、藤沢周平ファンの私は、「やっぱり藤沢周平の作品だな~」と満足感を味わえました。
それにしても、年齢がすっかり現代とはずれていますね。
女性が16歳で夫婦になるのは、当たり前のこと。二十歳も過ぎれば、嫁ぎおくれの感の時代です。
そういえば、昭和40年代でも4年制大学を卒業すると婚期が遅れるから、短大ぐらいがちょうどいいって風潮は残っていました。
江戸期の下町の暮らしって、こんな風に展開されていたのだと、想いは巡ります。
今の平均寿命を江戸期の人が知ったら、さぞかし仰天ものでしょう。
またまた余談ですが、
先日みた岩倉使節団とともにアメリカに渡った、津田梅子、山川捨松ら女子留学生をとりあげた歴史番組で、こんな話を聞きました。明治、大正期(昭和初期も?)の女学校では、「卒業顔」といういい方があったそうです。
初めて耳にしました。
女学校で学んでいても、いい縁談があると退学して結婚を選択する生徒がしばしばおり、卒業を迎えるまで縁談が決まらない(器量がよくない)顔を、卒業顔と言ったそうです。
あの人は、器量がイマイチだから、ちゃんと卒業までいく人だね、と。
なんという社会だったのでしょう。
これまで私が読んだものは武士階級の物語だったので、江戸下町の裏長屋の住民が登場人物の本は初めてではないかしら。
北原亜細以子さんの江戸下町の長屋の木戸番夫婦を要に置いた物語を数冊読んだ後のこともあり、この本もまた惹きこまれて読める。
物語には、必ず書き手の倫理観、人間観が入ってくるのだけれど、藤沢周平ファンの私は、「やっぱり藤沢周平の作品だな~」と満足感を味わえました。
それにしても、年齢がすっかり現代とはずれていますね。
女性が16歳で夫婦になるのは、当たり前のこと。二十歳も過ぎれば、嫁ぎおくれの感の時代です。
そういえば、昭和40年代でも4年制大学を卒業すると婚期が遅れるから、短大ぐらいがちょうどいいって風潮は残っていました。
江戸期の下町の暮らしって、こんな風に展開されていたのだと、想いは巡ります。
今の平均寿命を江戸期の人が知ったら、さぞかし仰天ものでしょう。
またまた余談ですが、
先日みた岩倉使節団とともにアメリカに渡った、津田梅子、山川捨松ら女子留学生をとりあげた歴史番組で、こんな話を聞きました。明治、大正期(昭和初期も?)の女学校では、「卒業顔」といういい方があったそうです。
初めて耳にしました。
女学校で学んでいても、いい縁談があると退学して結婚を選択する生徒がしばしばおり、卒業を迎えるまで縁談が決まらない(器量がよくない)顔を、卒業顔と言ったそうです。
あの人は、器量がイマイチだから、ちゃんと卒業までいく人だね、と。
なんという社会だったのでしょう。
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