日々の暮らしから

「街中の案山子」「庭にいます。」から更にタイトル変更します。

映画「ビルマの竪琴」を見る。

2007-08-08 13:00:49 | 本・映画・テレビドラマ・絵・音楽
1985年製作の水島上等兵を中井貴一が演じているもの。
「ビルマの竪琴」はそれより以前にも多分映画化されているように思うし、第一、国語の教科書か副読本かで、扱っていた物語だったから、私達世代(若い人たちは、何歳ぐらいまでだろうか?)の日本人はどこかで耳にしたことがある話という印象だと思う。
8月という月は、戦争の話題がテレビにもよく取り上げられる。
先日も玉砕の島、硫黄島の生存者のコメントをテレビで放送していました。
私たちに戦争の体験を語ってくださる方は、常に年配者であり、その方々も80歳代が殆どになってしまいました。
その方たちは、どの方も驚くほどの記憶で語ってくださるのを聞きながら、その話の現場にいたときは、その語り部は20歳前後の若き兵士だったのです。
青春の真っ只中を「戦に行くべし」以外の選択がない時代、そのときの体験をずっと、心にとどめて生きてこられたのだと、そう思って画面を眺めると、理解しきれないのだろうな、と考え込んでしまう。
そんな、昨今の私に、昨日「ビルマの竪琴」でした。
若い水島上等兵が、多くの亡骸を置き去りにはできないとして自分自身に下した結論は、彼の生き方の選択。
日本への帰還船の中で、仲間が言った台詞「上官は水島の帰りを待っている家族にどう説明するんだろう…」
戦争のなんと罪作りなことか・・・。

日本兵も敵軍であるイギリス兵も、好きで戦をしているのではないのに、流れに巻き込まれるしかない一兵士には、判断の余地はない。

戦後の30年代に教科書にも掲載された話。
戦争のやりきれなさを描いている話なのに、
でも、それからもずっと、次の世紀になった現在まで、戦争のない時代はまだ来ていない。
映画の地ビルマも、今はミャンマーと呼び名も変わって、アウンサンスーチー女史も軟禁状態と、時折新聞で知る。

なかなか、良かれと思う方向に向かうことの困難さを思う。
石坂浩二が上官を演じるこの部隊に、暴力も理不尽もなかったことが、少し心をほのぼのとさせる。



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