日々の暮らしから

「街中の案山子」「庭にいます。」から更にタイトル変更します。

新聞の紙面から

2007-10-17 12:39:09 | 本・映画・テレビドラマ・絵・音楽
朝日新聞10月16日朝刊、声欄は「新聞と私」特集をしている。
昨日の先頭記事を、幣ブログをお訪ねくださる何人かの方にも読んでいただけたらと、勝手に思い、再録させてもらいます。

以下、引用

「若き父伝える変色した紙面」
                    主婦 折目恵子(愛知県豊橋市 57歳)
 実家の父は、北海道の漁師だった。戦後、電気もガスも水道もなく「陸の孤島」と言われた知床半島でサケ漁をしていた。
 私が小学生の頃、父が写真入りで新聞に載った。当時の漁場での生活を、記者のインタビューに答える形式で書かれた記事だったと思う。
 20年前、65歳で父が亡くなったとき、家業を継いでいた弟が、その新聞記事を額に入れて飾った。改めて記事を読み、涙が止らなかった。
 「なぜ知床で漁を始めたのか?」という記者の質問に、父は「戦争で取られたが、病気で帰された。親が恥ずかしがって帰ってくるなと言った」と短く答えている。
 あの戦争さえなかったら、きっと父の人生は違ったものになっていただろう。父だけでなく、同じような環境の人たちは大勢いたはずだ、と変色した古い新聞を見て思った。
 新聞と聞けば、必ず思い出す遠い記憶だ。

以上、引用終わり

こんな風に、思わぬ展開を強いられる人生もあるのですね。
父の新聞記事を額縁に、という心根をお持ちの息子さん(跡継ぎさん)が育ったことが、心暖かく思われます。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 朝からカタカタミシンの音 | トップ | アチャ!コンビニ弁当やお手... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

本・映画・テレビドラマ・絵・音楽」カテゴリの最新記事