『薩摩スチューデント西へ』
幕末、薩英戦争から2年後、薩摩藩の若者のロンドン留学への旅行記です。
留学生15名と藩命の仕事を携えた4名、総勢19名の船旅が、彼らの日記その他の記録を頼りに、小説仕立てに書き進められています。
林望氏はリンボウ先生として、気軽に読めるイギリスがらみのエッセイを書く人、というイメージでしたが、この本では、縦横に使われている日本語を堪能しながら読みました。
そして、鹿児島弁の会話で内容が進行していくのですが、鹿児島弁だからこそ、の篤さがにじみ出ている風にさえ思え、ラジオの朗読番組で取り上げてくれたらいいのに、と何度が思いました。
「著者渾身の傑作感動巨編。」と文庫本カバーに記されていますが、読みがいがありました。幕府には内密の、藩命による留学です。香港、マカオなど寄港地で見た欧米人の支配下に置かれたアジア人の惨めさを目の当たりにしたり、とてつもなく発達しているヨーロッパ文化に出会い吸収していく様、その書きぶりに引き込まれていきます。
最近は小説から遠ざかっていましたが、いいものですね。
幕末、薩英戦争から2年後、薩摩藩の若者のロンドン留学への旅行記です。
留学生15名と藩命の仕事を携えた4名、総勢19名の船旅が、彼らの日記その他の記録を頼りに、小説仕立てに書き進められています。
林望氏はリンボウ先生として、気軽に読めるイギリスがらみのエッセイを書く人、というイメージでしたが、この本では、縦横に使われている日本語を堪能しながら読みました。
そして、鹿児島弁の会話で内容が進行していくのですが、鹿児島弁だからこそ、の篤さがにじみ出ている風にさえ思え、ラジオの朗読番組で取り上げてくれたらいいのに、と何度が思いました。
「著者渾身の傑作感動巨編。」と文庫本カバーに記されていますが、読みがいがありました。幕府には内密の、藩命による留学です。香港、マカオなど寄港地で見た欧米人の支配下に置かれたアジア人の惨めさを目の当たりにしたり、とてつもなく発達しているヨーロッパ文化に出会い吸収していく様、その書きぶりに引き込まれていきます。
最近は小説から遠ざかっていましたが、いいものですね。
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