柴又・八幡様の獅子
「葛飾むかし話」が好評につき、第3話をお届けします。
八幡様の獅子=物語
むかし柴又の名主、斉藤家には、不思議な頭の宝物がありました。
♂じし、♀じし、子じしの三頭の顔は、黒のうるしで塗られ、頭は黒く、つやつやの羽根がたなびいていて、古めかしい中にもそれは勇ましい姿をしたかしらでした。
斉藤家では、代々伝わるかしらを家の宝として、蔵の中に大事にしまっておきました。
ところが。
いつのころから蔵のコメが、何者かに食い荒らされるようになりました。戸締りをしっかりしていても食い荒らされるのですから、家の者はほとほと困り果てていました。
そして、蔵の中に大事にしまって置いたしし頭を、きみわるく思うようになり、とうとうこのかしら(頭)を江戸川に流してしまいました。
ところが、しし頭は、急な流れをものともせずにのぼって、上手に這い上がってきました。
「おかしな、ししじゃのう。」
と、家のものもふしぎなできごとに、主人も驚いてしまいました。
「このしし頭は、ふしぎな力を持ち、尊いもののようじゃ。」
「そうです。捨ててしまって、はばちが当たります。」
主人は近所の村人と相談して、真勝院という寺に、子の獅子このしし頭を奉納して、まつることにしました。
ところがこの寺が、二回三回と火事になり、みんな焼けてしまいましたが、どういうわけか,このしし頭を持ち出すことができました。
「ふしぎな力を持つししじゃのう」
「これはきっと、神ししじゃあ。」
と、ますますこのしし頭を尊いものと、あがめました。
そして、柴又駅にほど近い八幡神社に、神としてまつることにしました。
いつのころから、村人は病気もなく、みんなが仲良く暮らせることを祈りながら、このしし頭をつけて、太鼓や笛に合わせ、ししを舞うようになりました。
そして年に一度の秋祭りには、しし頭の先導によって、祭りがはじまり、しし舞を奉納するようになりました。
ある時疫病が流行して、村のあちこちに疫病が出始めました。今のように、良い薬もない時代なので、むら人は、この病気の恐ろしさにおびえてしまいました。
「神ししにお願いして、病をむらから追い出していただけないものだろうかのう」
「そうだそうだ、神ししにお願いしよう」
むら人は、八幡様に集まり、一心におがみました。
* 以前も、この獅子に関する取材をしました。
昔話と合致しましたので、お届けします。
http://www.digibook.net/d/0bd48353a0190c796f8bb0f5a955930b/?viewerMode=fullWindow
辿っていって2つが繋がってこのように記録に残されるとは素晴らしいです。
昔話ではありませんが25年ほど前、吉井川の河口で小学生が釣りをしていて、木彫りの古い観音様を釣り上げて大切にお祀りをしたところ、たいそうお陰があった(親の病気が治った)とかで地域の人が立派な祠を建て交代で詰めていらっしゃいます。
お粗末をしてはいけないものがあると云う事ですね!
リンク先 大きな画面でゆっくり見ました。
何だか お囃子? エキゾチックな感じがしますね。。
獅子のお顔も東南アジア系
疫病とか飢饉とかお祓いするものなのかな?
狛犬さんがよかったですね。。
「葛飾むかし話」、リクエストの応えて第三話、嬉しいです♪
柴又・八幡様の獅子舞にこんな昔話があったとは、寅さんでもご存じ無いでしょうね。
リンク先も興味深く拝見いたしました。
大事な獅子頭だったのですね。
粗末にしてはいけないと言う例えなのかも知れませんね。
そして今は祭りとなって、代々若者に受け継がれていく。
畏れを持って信仰心を今につなげていく。大事なことです。
デジブックで祭りの雰囲気が伝わってきました。
昔話 語り続けていかなければ・・・・
言い伝えの土地の話、昔話はどこにもあるものです。
風習、まつり、土地の行事などはやはり病に関するものが多いようです。(病が起源)
小さいとき、法定伝染病、隔離病舎なるものがありましたが、今はあまり聞かれなくなり新しい病気が時々発生しているようです。
吉井川の河口の話有難うございます。
八幡神社の近くに友達がいて、しし舞があるから見に来なさいよの誘いで、出かけた。
見物方々、取材しました。
あちこちの獅子舞を見ましたが、
舞うことは同じでしたが、それぞれ特徴があり、それなりに貴重な起因があるのでしょう。
それなりの訳があるのでしょう。
人々の信仰や絆が深まり
町にうるおいを与えて今日まできたのでしょう。
こうして本になって、また後世に伝わっていくのは
大切なことですよね。
獅子舞は、地方によって大きく異なります。
今まで見たのは二人でやる、一人が頭の部分、もう一人がお尻の部分これに黒い布をかぶります。
ここ柴又では一人踊りでした。
≫粗末にしてはいけないと言う例えなのかも知れませんね。
なるほど、なるほど、仰るとうりですね!!
むかしのことを引き継いでいつまでも、伝承していく。
田舎の方に行きますと、その引き継ぐべき子供さんが少ない、寂しい限りです。
少子高齢化、まつり、伝承行事が消えていくのは惜しいです。