私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

母の日

2010-05-09 19:20:16 | なんということはない日常
「毎日が母の日じゃないと困るのよ」
子供の頃、母の日にプレゼントをしようと計画していた時に母に言われた一言だ。
お小遣いも殆どなく、何をプレゼントしていいのか途方にくれていた小学生には非常に有難い一言だった。
もっともらしく「はい」と頷きながらも、「何も買わなくてよかった」とホットしたのを覚えている。
その教えを守り、毎年母の日だからと特別なことは何もしてこなかった。そして今年・・・
今年も特別なことは何もないのだが、気持ちはいつもと違う母の日になってしまった。

去年の秋、体重が落ち、倦怠感が抜けないという母は検査入院をした。
足も腫れ、おなかに水がたまってきたことで素人目にもいい状況ではないことは良く分った。
2週間もしないうちに病院に呼ばれ、病状を説明され、主治医の先生に母に残された時間を告げられた。
様々な状況から緩和治療しか出来ない状況だったので、残された時間のことだけは告げずに、それ以外は母に全てを話すしかなかった。
家族も辛かったが母も辛かったと思う。
9月の下旬までプールにも通っていたのだ。それが11月には「治らない病気です・・・」なんていわれるなんて・・・・

冬の間はそれでも、よかった。週1回、私と一緒に買い物に行き、帰りにスタバに寄るのを楽しみにしていた。
オリンピックが終わった頃からそれも出来なくなり、殆どベットから起き上がれなくなった。何もしないのに、息が上がるということで調べて見ると胸にも水がたまっていることが分った。
痩せていき、面変わりする様を見るのはとても辛い。
自分でも頬の肉が落ち、眼が目立ち、子ザルちゃんのような顔になっているのを鏡で確認しながら「サル山のおサルちゃん・・・だ」などと言っているのだ。

それでも私達家族に出来ることはなるべく普通に接してあげることだと思い、極力さりげなく世話をすることにした。
なるべくそっと手を添えて、さっと済ますように・・・
本人は私達家族が負担に思うの望まないだろうし、私も何かするたびに「ありがとう・・・ありがとう」と涙ぐまれるのも非常に辛い。
そんな風に出来ているかはわからないが、とりあえずそんな風に思いながら毎日過ごすようにはしているのだ。母にどの程度通じているのかは分らないが・・・

母の日を一緒に過ごせるのは多分今年が最後になってしまうだろう。それでも特にいつもと変わらない日曜日になってしまった。
それでもいいだろう。毎日が母の日でないと困ると言っていた母にはそれが一番いいことだと、勝手に思っている。

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こんな風に書くと毎日大変そうに思われるかもしれないがそうでもない。
会社にも普通に通い、以前よりちょっと頻度は落ちてはいるが、映画も行くし、飲みにも行く。勿論韓国ドラマも以前と変わらずに楽しんでいるし・・・
(普通にしているのが、一番の親孝行と、私が勝手に思い込んでいるだけかもしれないが・・・・)

介護保険の内容にも詳しくなった。便利になっている介護グッズにもびっくりだ。
両親のケアマネージャーの人も親身になって相談に乗ってくれるので非常にありがたい。


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写真は母が以前使っていたエプロン。
今は私が毎日使っている。

***追記***
メッセージを頂いた。
優しい言葉ありがとうございました。