私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

マザーウォーター

2010-11-22 21:11:37 | 映画鑑賞
見終わった後、今話題の断捨離と言う言葉が思い浮かぶ。カフェにはメニューもない。豆腐屋にも看板はない。バーで出される飲み物は基本的に水割りのみ。だからメニューは必要ない。

徹底的とも思える文字情報の整理と、プラスチック製品の排除。
登場人物に対する情報の少なさよりも目に入る情報の少なさが気になった。
かもめ食堂も同じように情報が少ない映画だったが、あちらは北欧で女性が一人食堂を開くからには、いちいち口にせずとも何か大人の事情があるのだろと想像させる物があった。もちろんこの映画にもそんな事を想像させる台詞が沢山あるのだが、どうもそれがやや綺麗事に思えてしまう。何がそう思わせてしまうのかは、分からないが。


豆腐屋、カフェ、バーとお店が出て来る。登場人物たちは、桜咲く春を楽しみ、豆腐屋の店先のベンチで豆腐を食し、カフェでコーヒーを飲み、バーではちょっとのつまみとともにウイスキーの水割りを飲みそして子どもをあやす。しかし風呂屋の主人を演じる光石研は豆腐も食べなければ、水割りも飲まないし、桜を愛でることもしない。ただ文庫本を手にコーヒーを飲み、そして子どもをあやすだけだ。
それなのに、何故か浮いていないその存在。
登場人物の中で一番の自然体かもしれない。

***
マザーウォーターはウイスキーの仕込みに使われる水のことだそうだ。
小林聡美が演じるセツコが作るウイスキーの水割りの作り方が印象的だった。
水割りとは、あんなに何回もかき回さねばいけないものだったとは知らなかった。


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