私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

夜明けの街で

2011-10-08 20:08:17 | 映画鑑賞
新しく職場にやってきた若い派遣社員の女性と、偶然夜のバッティングセンターで出会う男。

彼女に弱虫と思われるのが嫌だったのか、卑怯者と思われるのが嫌だったのか、それとも自分でも知らず知らずのうちに彼女に興味を持っていたのか、それともちょっとした秘密を持つことにどきどきしていたのか、いつの間にか彼女から離れられなくなっていく男。

嘘を重ねる男の行動とともに、男のナレーションで彼女にはまっていく様が横浜を舞台に描かれるのだが、パンチがないというんだろうか。お互いがお互いの魅力にはまっていくどろどろの不倫というのでもなく、若い魅力と殺人という秘密を武器に男を虜にしていく小悪魔というわけでもなく。中途半端に不倫で、中途半端にミステリアスとでもいうんだろうか。
執着しているといいながらも、その熱い思いはあんまり伝わってこない。二人の姿がかなり中途半端な感じなのだ。
それでは舞台となる横浜の魅力が存分に味わえるのかといえば、夜景は綺麗なのだが、それもやや不発。

若い派遣社員を演じた深田恭子は、魔性の女というよりソフト小悪魔的な雰囲気で、ふわふわした感じでを出していたが、男を演じた岸谷五朗はやや不完全燃焼なんではないだろうか。


何が一番リアルに思えたか。それは木村多江演じる「あんまり自分を追い詰めちゃだめよ。パパの悪い癖なんだから」と夫を気遣う妻の存在。
彼女の立ち位置が一番リアルでそして怖い。

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中村雅俊と田中健。
俺たちの旅を見ていた私には懐かしい二人が出演していたが、残念ながら一緒に出演している場面はなし。



夜明けの街で (角川文庫)
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