私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

ムーンライズ・キングダム

2013-03-16 20:33:49 | 映画鑑賞
交換手によって電話回線がつながれていた1965年、ニューイングランドの小さな島で行われていたボーイスカウトのキャンプから一人の少年が脱走。
12歳の少年サムは、同じく12歳の少女スージーと駆け落ちを実行するのだ。
勢いに任せての駆け落ちではない。文通をしながら計画は綿密に練られているのだ。
双眼鏡と愛猫の餌のキャットフードを持ってボーイスカウトのキャンプから脱走するサムと落ち合うスージー。
メガネをかけた幼いとも思える少年サムと、なぜかアイラインを濃く描き、妙な色っぽさのある少女スージー。
大人から見るとどうもお似合いの二人には思えないのだが、この二人がことのほか真剣なのだ。
寂しい中年男の警官やボーイスカウトの隊長、少女の両親など、登場人物の大人が全部なんとなく流されて生きている感じがするのに比べ、子供たちは妥協を知らないからなのか、ことのほか人生に対して真剣なのだ。
だからこのまま生きていてはだめだ!と自らこだわりを持って駆け落ちを実行。

そういう妙な物語なのだが、画面はどこまでもカラフルで華やかな色調だ。緊急事態だ!といっても電話は交換手がいなければつながらないし、画面が時々固定されるので、流れる時間もどこかゆっくりだし、走り回る姿もコミカルなリズムだ。
しかし真剣に自分たちの未来について考えるサムとスージーの存在が、どこか踏み出せない大人たちに幸福を見つけるきっかけをもたらすのだ。

ブルース・ウィリスがごくごく普通の穏やかな中年男性を演じているのが新鮮だったし、どこかぼーっとしたところのあるボーイスカウトの隊長を演じるエドワード・ノートンも、楽しんで演じているのが伝わってきた。

穏やかでとてもとても可愛い映画だ。


ムーンライズ・キングダム 映画パンフレット 監督 ウェス・アンダーソン 出演 ブルース・ウィリス
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