私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

やがて、警官は微睡る

2016-04-08 22:06:07 | たまに読んだ本
新規オープンした横浜のホテルで発生した立てこもり事件に偶然居合わせた刑事。
捜査で現場に居合わせたのではない。突然当事者になり、新人ホテルマンと一緒になって混乱を収拾しようとする刑事。

犯人捜しの面白さというよりも、自分がそこで何をすべきなのかという点に焦点を充てたストーリーになっているので、やや長めながら割と読みやすいストーリー展開だ。
おどおどした新人ホテルマンが、突然谷に落とされた獅子のようにみるみる別人になる様子さえ除けば、そのほかのキャラクターは自分の役割をきっちりこなそうとしている感じだ。
それは立てこもり事件を起こした犯人も同じだ。
犯人たちの行動は凄惨であるにも関わらず、ミッションをこなすという形で淡々と事を運ぼうとしている感じがあるため、刑事たちとの温度差がかなりある。

緊迫というより、妙な知恵比べという雰囲気がある。

********
犯人たちには明確なミッションがあるのだが、そのミッションを遂行する場所に、わざわざ公共性が高い場所を選ぶというのがなんとも面白いなと思う。
公共性の高い場所の中で密室を作り上げ、不特定多数の人が行きかうホテルの中で自分を消そうとする。
誰もいないところで何かをこっそりするのではなく、大胆に目立たないように事を進める。そういう設定にホテルはぴったりかもしれない。

やがて、警官は微睡る
クリエーター情報なし
双葉社