皆の視線がセリに注がれる中、「彼女は僕の婚約者です」と仕方なくとんでもないウソをつくことになるジョンヒョク。これで彼女が自分の家にいる説明は出来たが、怪しむチョは、彼女の住民番号だの通行証(ジョンヒョクの婚約者なら平壌出身だろうということで、通行証なしにはここまで来ることもできないということらしい)を確認する事を要求。当然そんなものはないので「彼女は十一科所属だったんだ」と皆が驚くような単語を発する。
私のざっくりした理解では『彼女は出来るスパイとしてちょっと前まで南にいた。今回無事に任務を終えて帰国したが、まだ帰ってきたばかりなので何もない』というウソの上塗りのような理由で皆を煙に巻いたらしい。
一応、その場は取り繕うものの、近隣の婦人部たちは興味深々だ。結局部隊に帰れず、彼女と一緒にその夜を過ごすジョンヒョク。
翌朝も、彼が平壌から乗ってきた車(セリ的には『ただのセダンなのに、何がそんなに珍しいの?』)に近づきあれやこれや噂話に忙しい近所の人たちを前に、仲睦まじい様子を見せたがるセリ。場所が違っても女子同士のマウントは大事なのだ。
ジョンヒョクとしては明日になれば彼女は南に帰りもう二度と会うこともない。その場しのぎでも差しさわりはないということなのだ。
ただ、チョはとんでもない危機感を抱き、ジョンヒョクの家の会話をすべて盗聴させるのだ。
韓国ドラママニアのジョンヒョンの部下に「一体何年前のドラマの事が気になるの?」と言いながら@天国の階段のストーリーを語る様子を誤解する盗聴部員。
更に、ジョンヒョクの身分を知り、彼の兄の殺害の様子を知るチョの部下は、消すことの出来ない因縁におびえるのだ。
ピアノの才能がある弟を思い、父の後を継ぐことにした兄。そんな兄亡き後、結局スイスでの留学をあきらめ、帰国して軍人の道を選んだジョンヒョク。
兄と一緒に仕事をしていたスンジュンが、失踪したことも知らず(失踪に見せかけて瀋陽から北に逃げ込んでいるスンジュン)無事南に帰ることが出来ることと喜ぶセリ。
そんなセリはジョンヒョクの部隊のメンバーに感謝の気持ちを伝える賞状を渡し、ジョンヒョクにはプチトマト苗を残し、北を去る事に・・・
テレフォンカードを報酬に彼女を密航船に乗せることになったジョンヒョク達。
しかし、どこからか情報が洩れ、軍人たちが船の中に乗り込んでくるのだ・・・危機一髪を回避する方法は、韓国ドラマにありとは・・・
パトロール隊が乗り込んで来た事で、南行きの船に乗り換えることも出来ず岸に戻る事になってしまう。来週にでも再び挑戦したいというセリに対し、このような事があればしばらくは無理だと現実的な回答しかできないジョンヒョク。彼女に過大な期待を抱かせないようにとの気遣いも、「こんな時は心配しないで大丈夫だという言葉が聞きたいの」という彼女を慰めることは出来ず・・・
翌朝、来た時と同様にパラグライダーで帰ろうとするセリを止めるジョンヒョクは、彼女を助けるために、崖の上から一緒にパラグライダーで滑降するのだ。(彼女の使ったトランシーバーの電波を不信に思ったチョ達の追求を交わすにはこうするしかなかったのだ)
ショックから彼に当たり散らした事を謝るセリに対し、分かっているとだけ答えるジョンヒョク。なかなか男らしいではないか。
結局ジョンヒョクの家に逆戻りしたセリは、おこげにお砂糖をまぶした軽食を口にしながら、ジョンヒョク部隊の4人のメンバーに今後の事をあれこれ相談・・・
(この4人プラス1人の場面が遠慮がなくて、なかなか楽しい・・カルチャーショックを笑い飛ばし、厳しくもシンプルな北の暮らしに慣れていく様子のセリ・・・)
南に帰るためには何でもやる気になったセリは、お互いを監視しあうための女子会にも参加。びっくりするような突破力を発揮し、隊長夫人の懐に飛び込み、ファッションセンスだの美容情報(なんと彼女の会社の化粧品が闇市で売っているのだ)等を披露して、婦人会の中でうまく立ち回るのだ。これもすべて偽の夫ジョンヒョクの昇進を後押しし、権力を持ってもらい、自分の帰国の後押しをしてもらうためだ。
チョの命令でジョンヒョクの家を盗聴する男は、すっかり話の内容の虜になってしまっているが、金をチラつかせて部下を手なずけるチョのやり方は大変汚いもの。(ジョンヒョクが探っている事故の原因も当然チョの手によるものだ・・・)
コーヒーを飲みたい彼女のために闇市で生豆を購入し、自ら焙煎をして彼女にコーヒーを飲ませるジョンヒョク。手打ちのうどんを食べさせてあげたりと、手作りの食事が彼女の心を和ませていることは確実だ。
しかし、チョは南帰りの特殊スパイに若い女性がいないことを把握してしまったし、ジョンヒョクの本当の許嫁はロシアから帰国し、彼が住む村にやってくるのだ。
市場の暗闇の中、アロマテラピー用の蝋燭をかざしてお互いの姿を確認している場合ではないのだ