ファイン翁主の生死はすっかり権力争いの一つの駒として扱われるようになってしまう。そんな星の元に生まれてしまい、自分で何かを選択する事が出来ない彼女だが、自分を助けてくれたバウと義理の弟であるデヨプが自分の事で諍いを起こす事だけは避けたいのだ。何とか二人を助けたいと弓を射る姿が凛々しくも痛々しい・・・
しかし、何も出来ないとは言っていられない。自分を狙った追手との戦いで傷を負ったデヨプに朝鮮人参を飲ませる為に、バウと一緒にエセ役人となり、詐欺で金を手に入れようとするのだ。以前の姿からは想像も出来ないファイン翁主の姿。自分の命は自分の思い通りにならずとも、自分の為に誰かが傷つく事だけは避けたいのだ。王女のプライドと優しさがなんとも切ない。
それぞれの方法でファイン翁主を助けようとするバウとデヨプ。デヨプが考え出したのは、父が隠し持っている、謀反以外はなんでも許されるという免罪符を実家から持ち出す事。
お互いの出自を知らない時には、友人になろうとした位の仲だ。デヨプが失火で両親の気を引いている間に、バウが隠された免罪符を持ち出すという連係プレー。しかしデヨプの父は火事の中でも、秘密の書類を確認する位、非常に疑り深い。(更にこの父はファイン翁主とデヨプを結婚させなかった事もあり、もっと他の秘密もありそうだ)
そして火の手が上がる中で、デヨプの父が自分の本当の敵であることを知ってしまうバウ。失火は無事に消火出来たものの、バウの心の中には復讐の炎が燃え上るのだ・・・
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ファイン翁主は、父である王が自分が生きている事を知りながら、それ自体を政争の具として使っている事を知ったら、又再び崖から飛び降りる事だろう・・・何よりも実の父と義理の父が自分の生死を利用して権力争いをしているのだ。