イランの国民的女優(タラネ・アリドゥスティ)がデモを支持したとして逮捕
彼女が出演している映画「セールスマン」はイランの社会問題が暗い影を落とすサスペンスだ。「イスラム原理主義」により、日本とは全く違う判断が下されるイラン。その中で起こった事件に対しても、「イスラム原理主義」に基づくと思われる常識による判断が下されるのだが、それによって夫婦の間には元に戻る事がない亀裂が入るのだ。
以下、映画を観た時の感想。
****
自宅に隣接するビルの工事の為に、引っ越しを余儀なくされるある夫婦。
それだけでもかなりなストレスなのに、転居先で見知らぬ男が自宅に入り込むという事件に巻き込まれる。
男に襲われ不安に怯える妻と、妻を襲った男を自力で見つけ出そうとする夫。
直面した出来事はどれも自分達が巻き起こした事ではないのに、事件に向き合う事で、何故か自分達の心の奥底を見つめなければならないような状態に陥る夫婦。
自分達が巻き起こした事件ではなかったのに、犯人を探しても、夫婦の関係が元に戻る事はない。
どこが間違っていたのかと考えても、答えは出ない。
答えがないのが答えなのかとも思うが、なんとも複雑な思いにとらわれる。
****
この映画の監督@アスガル・ファルファーディは、トランプ大統領の入国制限命令でアカデミー賞受賞式を欠席するものの、この映画は外国語映画賞を受賞。