裁判の日に女性弁護士は現れなかったが、ムハンだけは証言をすべく法廷にやって来た。しかし弁護士がいなければ裁判にならず、裁判長は5月の延期を告げるのだが、今日の証言が終わったらスイスに向かうつもりだったムハンは次回の出席を約束することも出来ない。
加害者側の製菓会社の弁護士は薄ら笑いだし、スンジンは話しかけても言葉もない。「一緒に帰ろう」というムハンの言葉も聞かずに一人バスに乗るスンジンを追いかけるムハン。
6年前、自殺を図った動物園に向かった彼女に追いつき、「ここが始まりだったんだ・・・」というムハン。手首を切った彼女を助けたムハンにとって、癌が見つかったムハンにとって、全ての始まりはスンジンの娘が亡くなった11年前ではなく、スンジンが自分の事務所にやって来た8年前ではなく、雪の降る6年前のあの冬の日だったのだ。
許して欲しい・・・というムハンに「簡単に許すつもりはない」と言うスンジンは、ムハンにスイスに行かず、自分のそばにいるように言うのだ。
そんな風に残り少ない時間を一緒に過ごすことを決めた二人。
娘にどんな風に自分の病気を伝えたらいいかと悩むムハン。そんな涙するムハンを抱きしめるスンジン・・・
製菓会社のトップの態度が許せず思わず殴りかかってしまうスンジンの元夫もいい人だ。製菓会社の弁護士がスンジンの実家を訪れたことで、ムハンの作ったCMの事を知ってしまった元義母をなだめるのも彼の役目だ。CMを見た孫娘がお菓子をねだったために起きた事故を思い、騙されたと涙する元義母に「黙って見守ってください」なんてなかなか言えないと思う。
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廻りの人に感謝の気持ちと愛情を伝えてほしいとムハンにアドバイスし、さらには彼に相談せず、新薬での治療を試すことを決めるスンジン。最後は病院で過ごすんじゃなく君と過ごしたいという言葉にも笑顔を見せる。奇跡を起こそうとする中年夫婦の姿にじーんとしてしまう。