熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

日本の民主主義の使命とレジリエンス

2025年01月08日 | 政治・経済・社会
   6日の日経に、岩井克人教授の「日本の世界的使命は何か」と言う興味深い論文が掲載されていた。
   これまで、資本主義や貨幣、法人について研究してきて、今後も続けられることが当然と考えてきたが、ここ数年、自分の足元が崩れつつあるという気がしている。「歴史の終わり」から説き起こして、現下の国際情勢の惨状を分析し、自由に基づく近代的な民主主義の最も声高な提唱者であった米国の内側で、反逆が始まっている。として、民主主義と言う制度がいかに脆弱であるかが白日の下に晒された。と言う。

   今世界は大きく混乱しているのだが、その混乱の中で見えてきたのは、日本の国という使命だという。
   かっては世界支配からの東洋の開放こそ日本の世界史的使命であると唱えていたが、敗戦後、西洋から極東と呼ばれたこの島国で、戦後80年にわたって近代的な民主主義が曲がりなりにも機能してきた。自由がなくては思考ができないが、その自由を当たり前のこととして人間が好きに学問ができた。その事実が、近代的民主主義が西洋的な理念ではなく、洋の東西を問わない普遍的理念の証である。
   日本の世界的使命とは、どれだけ凡庸であろうとも、そのような社会であり続けること。そして、その事実を世界全体に向けて語り続けることにある。と説いている。

   もう一つ、日本の民主主義についての論考で興味深いのは、ニューズウィーク「2025年の世界を読む」特集号のトバイアス・ハリスの「日本政治のしなやかさは民主主義の希望となり得る」と言うコラムである。
   総選挙で大敗した自公政権と野党の意外な協調ムードが、日本の多党制民主主義に驚くべきレジリエンス(しなやかな強さ)があることを見せつけて、世界の模範になる。と言うのである。
   自民党主導の少数与党の政府が誕生しても国会が膠着せず、むしろ与野党がより柔軟な協調体制を見せるようになった。野党は、与党の動きに誠実に対応し、弱った自民党政権を潰そうとはせず、日本式「コビタシオン(保革共存)」のパートートナーとして振舞っている。
   トランプの政敵への復讐、韓国の尹大統領の非常戒厳宣告、フランスやドイツの政治の混乱等々他の民主主義国とはその違いは鮮明である。日本の現在の政局は、ポピュリズムの台頭や格差と貧困の拡大、SNSが煽るデマと偽情報の拡散に負けず、民主主義のレジリエンスを世界に見せつけるチャンスである。と言う。

   私も世界中を駆け回ってきて、日本の民主主義の有難さは肝に銘じているので、全く異存はない。
   さて、まず、今25年の日本は、このしなやかな多党制民主主義を発展させ得るのかどうか、そして、日本の安穏な民主主義社会を維持し続けていけるかどうかが問題であろう。
   いずれにしろ、トリプルレッドで白紙委任状を手にした今世紀最も恐怖の民主主義ディストロイヤーと目される独裁者トランプの強烈な破壊工作の挑戦を受けて、いかにして、日本が虎の子の民主主義を死守できるか、厳しい挑戦が待ち受けている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

私もフェルメールのトリコになった

2025年01月06日 | 学問・文化・芸術
   NHK日曜美術館で、「私とフェルメール 谷川俊太郎」が放送された。
   1967年、アムステルダム国立美術館で、フェルメールの「小道」と言う作品を見て、フェルメールのとりこになった谷川。フェルメールの絵を見ると、「余計なことを考えずに純粋にきれいだなあ、と思えるのが魅力」だという。1980年の放映の特別アンコールである。

   谷川さんは、フェルメールは、若い時につかんだものを生涯追い求めた画家で、あまねく浮かび上がらせる光の存在が嬉しくて、内面の表現には関心がなく、見えるものそのものが世界であり、日常的なありのままが実在だと認識してその客観を再現した。とにかく美しい、画面が生きている、官能的であるから惚れた、と言う。
   要は惚れるか惚れないかの問題で、美しいものに出会うと幸せになり言葉がなくなる、フェルメールは、そんな稀有な画家だと言うことである。
   

   さて、私が、最初にフェルメールに感激したのは、1973年、留学先のフィラデルフィアから、フランスからの留学生のクリスマス休暇帰国のパンナムのチャーター便に便乗して渡欧して、アムステルダム国立美術館へ、レンブラントの「夜警」を見に行った時で、
   フェルメールの「牛乳を注ぐ女 」を見て、女の捲り上げたシャツの黄色っぽい辛子色から黄緑へとグラジュエーションの微妙な色彩の豊かさなど、何とも言えない程、美しく、注がれれている牛乳の微妙な光など、細部まで、感動して、一気にフェルメールファンになってしまった。
   私も谷川さん同様に、理屈抜きにフェルメールのとりこのなった。

   アムステルダム美術館には、フェルメールの作品は、「小道」と「牛乳を注ぐ女」のほかに、「恋文」「青衣の女」の4点があったと思う。同じ美術館で、同じフェルメールを見ても、好きな絵が全く違い、感性の差を感じて、驚いている。私には、詩心がないのかも知れない。
   
   その後、オランダに赴任後すぐに、ハーグに出かけて、「マウリッツハイス美術館」に行って、「青いターバンの少女(真珠の耳飾りの少女)」や「デルフトの眺望」などを見て、また、感激しきりであった。
   幸い、フィラデルフィアで2年過ごし、アムステルダムとロンドンに8年間いたので、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、オーストリアなどの欧米の美術館などを片っ端からまわって、フェルメール行脚をした。
   オランダに3年住んでいたので、フェルメールが作品を描き続けたデルフトを何度も訪ねて、古色蒼然とした故地を散策しながら雰囲気を楽しんでいた。
   次の絵は、フェルメールの「デルフトの眺望」だが、殆ど、今も変わっていない。 

   フェルメールの作品で現存しているのは、37作品で、そのうち、ボストンの作品が盗難にあって行方不明なので、たったの36作品である。
   アメリカでは、ニューヨークに8、ワシントンに4、そのほかに3、
   オランダでは、アムステルダムとハーグに8、
   イギリスではロンドンなどに4、
   フランスに2、
   その他、ドイツ、オーストリア などに8、だと思うのだが、
   フェルメールが生活して絵を描き続けたオランダのデルフトには、一作品も残っておらず、世界中に拡散している。
   その内、幸いにも日本に来た2作品を含めて、30作品くらいは実際に見ている。

   久しぶりに、フェルメールに出会えた感じで幸せである。 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

バイデン日鐵のUS Steel買収を拒否

2025年01月04日 | 政治・経済・社会
   バイデン米大統領は3日、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの143億ドル(約2兆2500億円)規模の買収を阻止する考えを表明した。「何度も述べているように、鉄鋼生産や生産に携わる鉄鋼労働者は我が国の屋台骨だ」とコメントして、「国内で所有・運営される強力な鉄鋼産業は国家安全保障上の重要な優先事項であり、強じんなサプライチェーン(供給網)にとって不可欠となる」との認識を示し、安保への懸念を強調した。
   同盟国間の民間企業どうしが合意した買収を、米大統領が認めないのは極めて異例 であり、ワシントン・ポストによると、側近らがバイデン氏に対して、買収の阻止は今後の日米関係に悪影響を与えるとして翻意を求めたが、バイデン氏の考えは変わらなかったという。 
 
   しかし、米シンクタンクのハドソン研究所によると、USスチールの取引先は自動車や建設など民間部門が多く、国防関連先に鉄鋼を供給していない。また、国防総省が必要とする鉄鋼は米生産量の3%にとどまり、米鉄鋼業界は十分な生産量を確保できているという。  同研究所は、安さを武器に世界の鉄鋼市場の支配を強める中国に対抗する必要性を強調。同盟国の日本からの投資を受け入れれば、「米国の安全保障を強化するだろう」と指摘していた。と言う。

   このバイデン大統領の買収阻止の正式発表にたいして、USスチールのブリットCEOは、「バイデン大統領の行動は恥ずべきもので、腐敗している」としたうえで、「労働組合の幹部へ政治的な見返りを与えたが、それはUSスチールと社員の未来、国家の安全保障を損なうものだ」と批判した。 さらに「経済的にも安全保障のうえでも重要な同盟国である日本を侮辱し、アメリカの競争力を危険にさらしている。中国共産党の指導者たちは、小躍りして喜んでいるだろう」と指摘した。

   レイムダックで死期を迎えたバイデンの白鳥の歌ならず、最後の悪あがき、
   US Steelの今後が哀れだが、アメリカのレッドオーシャン製造業の晩鐘が聞こえてくる。

   US SteelのHPの表題ページは、口絵写真のままで変化なし
   NIPPON STEEL United States Steel
   MOVING FORWARD TOGETHER AS THE
   BEST STEELMAKER
   WITH WORLD‐LEADING CAPABILITIES

   日鐵とUS Steelの理路整然とした声明がすべてを語っているので、今回は蛇足を避けて、
   日テレ記事からの引用にとどめる。
   【日本製鉄とUSスチールによる共同声明全文】
日本製鉄とUSスチールは、バイデン大統領が、本買収に対して禁止命令を決定したことに失望しています。この決定は、バイデン大統領の政治的な思惑のためになされたものであり、米国憲法上の適正手続き及び対米外国投資委員会(以下、CFIUS)を規律する法令に明らかに違反しています。大統領の声明と禁止命令は、国家安全保障問題に関する確かな証拠を提示しておらず、今回の決定が明らかに政治的な判断であることを示しています。バイデン大統領の決定を受けて、日本製鉄とUSスチールは、法的権利を守るためにあらゆる措置を追求する所存です。
日本製鉄とUSスチールは、本買収により、ペンシルバニア州やインディアナ州をはじめとする米国鉄鋼業がある地域が再び活性化し、米国の鉄鋼労働者の雇用確保、米国の鉄鋼サプライチェーンの強靭化、米国鉄鋼業の中国に対する競争力の強化、及び米国の国家安全保障の強化につながるものと確信しています。日本製鉄は、USスチールが事業を行う地域コミュニティ及び米国鉄鋼業界全体に利益をもたらすため、米国の象徴的な企業としてのUSスチールを支え、成長させるために必要な投資を行うことができる唯一のパートナーです。日本製鉄は、既にコミットしている27億ドルの投資の一環として、ペンシルバニア州モンバレー製鉄所に少なくとも10億ドル、インディアナ州ゲイリー製鉄所に約3億ドルの投資を行うことを決定しています。本買収を禁止することは、USスチールの設備を長期間にわたり稼働させるために必要な27億ドルの投資が実行されないことを意味し、良好な処遇条件で家族を養う何千もの労働組合員の仕事が危機に晒されることになります。バイデン大統領による今回の買収禁止命令は、自身の政治的な思惑のために、米国鉄鋼労働者の未来を犠牲にすることに他ならないと考えます。また、USスチールの株主に対して、買収完了時に1株当たり55ドルを支払うとの約束を果たすべく、日本製鉄とUSスチールは、法的権利を守るためのあらゆる措置を講じてまいります。 
日本製鉄とUSスチールは、CFIUSの審査において、当初から、誠実かつ透明性をもって真摯に協議に応じてきました。CFIUSに提出された記録を見れば、日本製鉄によるコミットメントを伴う本買収は、米国の国家安全保障を弱体化させるのではなく、強化するものであることが明らかです。CFIUSの審査プロセスが、政治によって著しく適正さを欠いていたことは明白であり、その結論は、実質的な調査に基づかず、バイデン政権の政治的目的を満たすためにあらかじめ決定されたものでした。米国政府が、米国の利益につながる競争を活性化する本買収を拒否し、同盟国である日本国をこのように扱うことは衝撃的であり、非常に憂慮すべきことです。残念ながら、米国へ大規模な投資を検討しようとしている米国の同盟国を拠点とする全ての企業に対して、投資を控えさせる強いメッセージを送るものです。 
日本製鉄は、CFIUSの示した懸念に対応すべく、本買収完了後のUSスチールの取締役の過半数は米国籍とし、そのうち3名の独立取締役はCIFUSが承認すること、CEOやCFO等の重要職位は米国籍とすること、USスチールが提起する通商措置に日本製鉄は一切関与しないこと、生産や雇用を米国外へ移転しないこと、ペンシルベニア州、アーカンソー州、アラバマ州、インディアナ州、テキサス州にあるUSスチールの拠点の生産能力をCFIUSの承認なく10年間削減しないこと、国家安全保障協定(National Security Agreement)の遵守状況等をCFIUSに定期的に報告すること、CFIUSは取締役会にオブザーバーを派遣する権利を有すること等を含む、米国政府にとって完全に強制執行が可能な様々な問題解消措置を自主的に約束しました。しかしながら、CFIUSは、日本製鉄とUSスチールが100日間にも亘って、自主的に提示した4つの確固たる国家安全保障協定案に対して、書面によるフィードバックを全く行わなかったことから明らかであるように、両社が提案した問題解消措置のいずれについても適切に検討することはありませんでした。本日、バイデン大統領が決定を下したことに、日本製鉄とUSスチールは、深く失望しています。
日本製鉄とUSスチールは、本買収に際し、USスチールの従業員、地域コミュニティ、政府関係者、政治家、経済界をはじめ、米国および日本の様々なステークホルダーの皆様に多大なる協力と熱烈な賛同を頂いたことに感謝申し上げます。我々は、米国のステークホルダーの利益のために、米国で事業を遂行することを決して諦めません。日本製鉄とUSスチールのパートナーシップが、USスチール、特に全米鉄鋼労働組合との基本労働協約対象拠点をはじめとして、USスチールが将来にわたって競争力を保ち、発展し続けるための最善の方法であると確信しています。それらの未来を確かなものとするために、日本製鉄とUSスチールは、日米政府関係者を含むステークホルダーの皆様と引き続き緊密に連携し、法的権利を守るためのあらゆる措置を追求してまいります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アーサー・ラッファー「トランプは自由貿易主義者」

2025年01月03日 | 政治・経済・社会
  NHKの新春番組「NHKスペシャル 巻頭言2025 新・トランプ時代 混迷の世界はどこへ 」で、トランプの経済顧問であったラッファー教授が、トランプの貿易関税やインフレなどについて興味深い見解を述べていた。
   まず、冒頭、勲章を貰った所為でもなかろうが、トランプは、博識で教養があり正しい判断を下すと意表を突く発言で煙幕を張る。

   「MAGA」の権化のトランプが、自由貿易主義者だというラッファーの発言に違和感を覚えたのだが、まず、見解を示すと、
   何故、関税を引き上げようとするのかと言う質問に、日本人はトランプのユニークさを知らない、彼は自由貿易の交渉が好きなのだ、関税を課すぞと脅しているのは、各国に交渉のテーブルつかせるためである、関税はどちら側にも損害を与えて誰も得をしない、自由貿易はウィンウィンである、トランプは自由貿易の世界を本当に実現したいと思ている、実は、トランプは自由貿易を望んでいる、と言う。
   本当に日本に関税を課すのかついては、それは日本次第、自由貿易の交渉に日本が応じれば関税を課さない、ぜひ、関税のない自由貿易政策を結ぼう、日本は政府の保護政策が国民に損害を与えるを理解していない、勿論守るべき品目はあるだろうか最小限にとどめるべきで、保護主義を理由にすべてを守ってはいけない、と言う。
   

   至極尤ものように聞こえる見解だが、まず、アメリカの実体経済からは、逆立ちをしても、トランプが自由貿易を思考する余地はない。レーガン時代にラッファー・カーブで一世を風靡した経済学者の残影がトランプ時代到来に蘇ったというべきか、
   どう考えても、アメリカファーストで、同盟国は勿論、世界との連携、共存共栄に一顧だにしないトランプが、自由貿易の大切さ、その意味を理解しているとは思えないし、脳裏にある筈もない。
   国際競争力を喪失してポンコツになったラストベルトの産業を守るために、腹いせに関税を引き上げるような時代錯誤の姑息な政策を打ち出す単細胞。日鐵のUSスチール買収の拒否が決まったようだが、バイデンもトランプも、斜陽の極に達したアメリカの実力を全く知らず、外資を締め出し世界からの頭脳の流入を拒否し、高関税を課して貿易戦争を引き起こして国際経済を縮小して、結局返り血を浴びて窮地に泣くのはアメリカ。

   新トランプ時代の到来だが、混迷の世界は、どう動くのか、全く先が読めない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日経平均株価は4万円直前で年越し

2024年12月31日 | 政治・経済・社会
   2024年の株式市場も、今日の大納会で終了した。
   世界全体が大変な危機に見舞われた激動の1年であったが、終わってみると、次の新しい年の動向が気にかかる。

   大手証券会社の株価予測では、日経平均株価が年末には4万円と言うことであったが、未達ながらも年末最高値でほぼ達成間近で年を越しており、
   年度末には4万2000円、25年末には4万5000円にと上昇トレンドで推移するとしている。
   来る春闘次第だが、賃上げに期待して実質賃金がポジティブに上昇する可能性が高く、企業業績が上向きであり設備投資の拡大傾向がみられると言うことで、日本経済の活力の復活を予測する向きもあって、25年の経済予測はかなり楽観的である。
   したがって、株価も上昇傾向だと言うのだが、さて、どうであろうか。

   今年、私の株式投資に関して変わったことは、銀行株が値上がりしたので、20年以上も塩漬け株であった三井住友が水面上に上昇したので現金化して、これに、旧NISAで満期になった三井物産株の現金化を加えて、新NISAの成長株投資に振り向けたことであろうか。
   8月の大暴落前後に切り替えたのだが、鳴かず飛ばずで赤字続きであったが、やっと、年末になって、プラスマイナス均衡し始めて、5%ほどプラスになって年を越すことになった。
   微妙な時期ながら、自動車株や鉄鋼株、それに商社株なので、先行き不透明で浮沈が激しいとは思ったが、長期保有のつもりなので、株価の変動にはあまり気にする必要はないと思っている。
   時流に乗った注目株や成長株には興味がない。興味がないと言うより、分からないと言うことであり、また、調べたいと思わないし、結局、この会社が傾くようでは日本も終りだという会社の株になる。

   いずれにしろ、私の株のポートフォリオは、やっと、プラスマイナスとんとんになった。
   来年は、また、沈むかもしれないが、成り行き任せである。

   確たる思想も哲学もないと言われるトランプ2.0がスタートすれば、何が起こるか分からない。
   行き当たりばったりの創造的破壊(?)が、吉と出るか凶と出るか、世界秩序が大転換する予感が新鮮でもある。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

年末年始の海外旅行の思い出など

2024年12月28日 | 海外生活と旅
   今日28日の土曜日から年末年始の9連休の正月休暇が始まった。
   テレビのトップ番組は、この休暇を利用した民族大移動ともいうべきニュースで賑わっている。
   しかし、歳をとって思うように長期の旅行に行けなくなってしまってからは、旅に対する感覚や思いが全く変わってしまった。
   あれだけ、世界各地を歩きまわって旅を生き甲斐のように感じていた自分ながら、まったく、海外旅行に出かけたいと思わなくなっているのである。

   正確に言えば、数年前、元気に海外旅行に行ける状態であったときには、このブログの「ニューヨーク紀行」のように、フィラデルフィアの母校を訪問して、ニューヨークでMETでオペラを楽しみ美術館や博物館を行脚するなど文化三昧のセンチメンタルジャーニーを計画していた。しかし、アメリカを自由に走り回る体力に自信が持てなくなったので諦めた。

   海外との関わりのある仕事をしていなければ、おそらく、あらゆる努力をして海外旅行に行こうと悪戦苦闘をしていただろうと思う。
   しかし、幸いにもアメリカへの留学の機会を得て、欧米などに14年在住して、海外関係の仕事を含めれば、サラリーマン生活の半分以上も外国と付き合ってきたので、その殆どは海外旅行と同じ経験であったようなものである。

   海外旅行と言う意味では、欧米に居ると、クリスマス休暇と夏休みに、毎回2週間ほどの休暇を取る習慣があって、私の場合、現法の社長であったので率先して休暇を消化する必要があり、意識して、海外や遠方への長期旅行に出ることにしていた。
   例えば、一例だが、アムステルダムに居た時には、車で、ドイツのローテンブルグなどのロマンテック街道を通ってノイシュバンシュタイン城にでて、ザルツブルグからウィーンに行き、リンツからハーメルンなどのメルヘン街道を経て帰ると言った調子で、ミシュランのレッド本とグリーン本、地図を頼りに自由気ままの旅を続けるのである。
   デンマークのコペンハーゲンやブレンナー峠越えくらいまでは、車で行けたが、イタリアやスペインや北欧へは、当然飛行機と鉄道を使い、イギリス国内は、ロンドンから車で、全土を回った。
   ラテン系の国は、危ないので車は使わなかったが、フランスだけは、ロワールの古城めぐりやノルマンディやモンサンミッシェルなど車でないと旅が出来ないので、装甲車のように頑丈なボルボをレンターカーして走った。
   スペインのパラドールや古城ホテルなどは事前予約をしていたが、特別なホテル以外は大概ぶっつけ本番の旅で、臨機応変の自由旅の醍醐味も旅の楽しみでもあった。
   英語が基本で、ブラジルでかじったポルトガル語と大学で学んだ第二外国語のドイツ語を、チャンポンに使いながらの旅であるから、まさに、無手勝流の旅であったが、当時は、Japan as No.1の時代で、日本人として誇りを持っていたので、不安も危険も感じなかった。

   とうとう行けなかった国が、お隣の韓国、インド、アフリカなど興味深いところが残っているのだが、諦めざるを得ない。
   それに、歩いたところが殆ど歴史や伝統のある文明地帯であったので、秘境や未開地への旅の憧れも残っている。
   年末年始の旅模様の映像を見ながら、思いだけは旅路を彷徨っている。
   
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夏ミカンマーマレードを作る

2024年12月26日 | 生活随想・趣味
   今年も、夏ミカンが実って綺麗に色づいたので、早速、数個捥いで、マーマレードを作った。
   ここ数年、JAPANマーマレード協会の國分美由紀理事長の「英国式簡単マーマレードレシピの紹介」の動画を参考にして作っている。
   これまで、インターネットで、「夏ミカンマーマレードの作り方」を検索して、色々試みてみたのだが、丁寧すぎて作業が大変であった。
   しかし、この「英国式簡単マーマレードレシピ」だが、イギリス人のことだから、手間暇掛けて込み入った複雑な方法でやるはずがないと思っていたので、やってみたら、まさにそうで、レイジーな私には格好の作り方であった。

   作り方だが、前に苦労したのは、夏みかんの皮の処理で、8等分にカットした皮の内側の白いワタを包丁で剥がして取り去る作業であったが、このレシペでは、8等分にカットした皮付きの実をそのまま水で煮て、柔らかくなるまで煮るだけで済む。それに、皮を千切りにするのも、煮立った皮をハサミで切り刻むだけで済むので、至って簡単である。
   その後の作業は、煮汁と千切りにした皮を鍋に戻し、砂糖を加えて煮詰めれば出来上がりである。
   時間の管理は、カンで処理する以外になかったが、まずまず、対応できたし、レシペで代えたのは、水の量を少し減らしたのと、砂糖の1㎏は多すぎるので7割程度に抑えたことくらいで、ほぼ、2時間くらいで出来上がる。 

   親しくしていたエンジニアリング会社の会長ジムの家を訪れると、訪れる度毎に、奥方マーゴが サーブしてくれる茶菓のジャムは庭の果物で作った自家製の物で、結構美味しかった。どうして作るのだと聞いたら、簡単なので教えてやると言っていたのだが、チャンスを失してしまった。 
   上等なジャムは、ピカデリーのフォートナム&メイソンで買うものと思っていたのだが、マーゴのジャムの方が風味があって美味しいので、帰国した時には、自分で手作りをしようと、フッと思った。

   幸い、鎌倉の庭には、果実の木が何本か植わっていたので、これまでに、キウイ、梅、枇杷などのジャムや果実酒を作って、楽しんできた。
   キウイは伐採したのでダメで、昨年は、梅と枇杷が不作で、僅かに実をつけた夏ミカンでマーマレードしか作れなかったのだが、来年は、素晴らしい梅酒と梅ジャムを作りたいと思っている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本の1人あたりGDP、世界22位

2024年12月25日 | 政治・経済・社会
   朝日新聞レジタルが、「日本の1人あたりGDP、世界22位 円安や高齢化影響、韓国下回る」と報じた。

   内閣府は23日、2023年の国民1人あたりの名目国内総生産(GDP)は米ドル換算で前年比0.8%減の3万3849ドルとなり、経済協力開発機構(OECD)加盟38カ国中22位だったと発表した。21位の韓国(3万5563ドル)を下回り、22年も1人あたりGDPで日本を上回っていたことが判明した。OECD加盟国の順位で韓国に抜かれたのは初めてだった。と言う。
   国民1人あたりGDPは、石破茂首相が就任後初の所信表明演説で「増加」を掲げるなど、政権が重視する指標の一つだが、日本の順位は00年の2位をピークに下落の傾向が続く。22年はイタリアに抜かれ、14年ぶりにG7で最下位に転落した。
   専門家の「円安や日本企業の競争力の衰えだけでなく、高齢化が進んで1人あたりの稼ぐ力が低下したことも大きい」との分析を紹介し、
 名目GDPは物価の変動分も反映されるため、日本も円ベースの金額は物価高もあって増えたが、円安が進んだことで、ドル換算時の目減りの影響のほうが大きくなった。と言う。

   韓国に抜かれたことは、既に、このブログの22年1月の記事で、日刊SPA!が、”韓国に追い抜かれる日本。平均賃金や一人当たり実質GDPも…韓国人の本音は?”を引用して報じている。
   GDPの国際比較は、購買力平価だと比較的現実的だが、通常の米ドル評価では、為替レートが大きく関わるので、今日のように極端な円安の場合には、日本の順位が大きく下がる。今現在1ドル156円くらいだが、円高の時には1ドル80円を切っていた頃もあった筈で、倍近くで雲泥の差である。

   問題は、そんなことではなく、日本経済が失われた30年間、GDPが、500兆円台に止まって、殆ど実質的に成長しなかったことで、人口減でありながら、一人当たりのGDP成長も果々しくなく、足踏みしておれば追い抜かれるのは自明の理である。

   なぜ、日本経済が成長から見放されてしまったのか、何度もこのブログで書き続けてきた。
   経済成長の原動力たる日本企業の労働生産性が、先進国で最下位であり目も当てられない位低いことが元凶である。
   経済成長要因は、「全要素生産性の上昇、労働の増加、資本の増加」の3要素だが、日本の場合、人口増は少子高齢化でマイナス要因であり、投資も低迷しているので、経済成長のためには、全要素生産性の上昇アップ、すなわち、技術革新・規模の経済性・経営革新・労働能力の伸長・生産効率改善など幅広い分野の技術進歩が必須要件である。
   特に、少子高齢化で、移民を活用しない限り、労働人口減が急速に進み経済成長の足を引っ張るので、全要素生産性上昇率と資本装備率の上昇で労働生産性を上げて国際競争力を涵養して経済の質を向上させることが重要である。のだが、このエンジンが一向に始動しない。

   何故か。
   日本の経済政策の問題は、競争を喚起して積極的な企業の参入・退出を図らずに、特に、競争力をなくしたゾンビ企業を温存させる愚をおかし続けてきたこと、この企業の新陳代謝を促してイノベイティブな新規参入を促進できなかったことが、日本の生産性上昇率の低迷や国際競争力の低下の最大の原因になってきた。
   既得利権を死守する時代離れした旧態依然たる経済体制を抜本改革して、無用な民間企業への過度なセーフティーネットやサポートを取り外すなど、ゾンビ維持体制を駆逐すべきである。  
   シュンペーターの説いた創造的破壊者をどんどん生み出せるような経済社会を醸成すること、これしか生きる道はない。

   経済は成熟老成化して成長力を失い、平安無事でそこそこの生活水準に満足して、もういいかと、太平天国を決め込んで、活力も敢闘精神もなくした国民心理が恐ろしい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鎌倉交響楽団:第九コンサート

2024年12月23日 | クラシック音楽・オペラ
   22日、鎌倉芸術館で、鎌倉交響楽団の「第九コンサート」が開催された。 
曲目は、ヴェルディ オペラ「ナブッコ」序曲
   ベートーヴェン 交響曲第9番二短調作品125「合唱付」
出演は、
   富澤裕(指揮)
   鎌倉交響楽団(管弦楽)
   川越未晴(ソプラノ)
   藤田彩歌(メゾソプラノ)
   山中志月(テノール)
   宮下嘉彦(バリトン)
   鎌倉芸術館第九合唱団(合唱)
   合唱指導:富澤裕、辻端幹彦

   管弦楽は、素人楽団ながらかなり水準の高い演奏で、富澤裕の指揮のもと、本格的なオペラ歌手のソリストと300有余の重厚な合唱団に増幅されて、素晴らしい第九の世界を魅せてくれた。

   半世紀以上も、クラシック・コンサート行脚を続けているので、随分、色々なところで、第九を聴いてきた。
   フェスティバルホールでのカラヤン指揮ベルリン・フィル、アムステルダムのハイティンク指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管、ロンドンのロイヤル・アルバートホールでのアシュケナージ指揮ベルリン放送管、ロンドンのセントポール寺院でのクルト・マズア指揮のニューヨーク・フィル、その他内外楽団でいろいろ、
   演奏はそれぞれであり、その時々で感激し感動し続けてきたが、すべて忘却の彼方、
   この日も、改めて、鎌倉交響楽団の第九コンサートで、同じ感動を味わった。ベートーヴェンは凄い!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小沢一郎「正に異次元の物価高」

2024年12月22日 | 経営・ビジネス
   インターネットを叩いていたら、日刊スポーツ新聞社の
「小沢一郎氏「クリスマスだというのにケーキは異様に高い…正に異次元の物価高」と私見」と言う記事が出てきた。
   「・・・都内や京都など観光地のホテル代も異様に値上がり。ラーメンなども相当値上がりしていると聞く。正に異次元の物価高」と記述。そして「アベノミクス=異次元緩和が元凶。円安で物価高は加速し、生活を破壊。賃上げだけでは追いつかない。政治を変えないと生活できなくなる」 と言う。
   アベノミクス論議はともかく、最近の値上げラッシュ、インフレの異常さについては、小沢一郎の論を待つまでもなく、日本社会の深刻な緊急課題である。
 
   さて、口絵の写真は、某グルメショップの日本酒の広告
しぼりたて新酒純米大吟醸生原酒飲みくらべ一升瓶3本組
日本酒最高種別の「純米大吟醸×生×原酒」のみ!
店頭では入手できない、プレミアムな3本組!◆限定2,000セット
   その価格が、◆21,470円 税込が、販売価格13,189円 税込
   なぜ、一気にこれだけ安くなるのか分からないのだが、同ショップの日本酒では一番上等であったので、新年にと思ってオーダーした。品数も豊富で選択肢も多いし、これまでにも買った店なので信用はしている。

   私がここで言いたいのは、庶民は如何にして、この不幸なインフレを少しでも回避することができるのか言うことである。
   私の一つの対策は、ネットサーフィングと言うか、安いものを探してネットを検索することだと思っている。丹念に渉猟すれば、同じものが、かなり安く買えることがある。
   この場合、留意すべきは、得体の知れない怪しい宣伝や広告が結構多いので、必ず、信頼出来る店なり商品を選ぶことである。

   一つの例は、
   MIZUNO(ミズノ) ノルディック・ウォーク 4段折りたたみウォーキングポールLITE 2本1組 ユニセックス
   を買おうと思って、ミズノのHPの後、アマゾンを検索すると、
   参考価格: ¥17,600が、-21% ¥13,834 税込 と安くなっている。
   普段はミズノ直販でしか買わないのだが、ディスカウントがないので、今回は、これでかなり安く買えたのである。

   アマゾンの価格は、絶えず変動していて注意が必要だが、まず、ほぼ押し並べて一般よりも低価格なので、価格コムなどと併用しながら、安値の基準と考えて参考にしている。値がさ商品を買うときには、良い方法だと思う。

   量販店に行っても、これらのネット情報の拡散のお陰で安く買えるようだし、実店舗なので実物を見て買える上に、アフターケアを考えれば、そこそこの値段であれば、この方が良いかも知れない。

   いずれにしろ、日用雑貨品や食品など、身近な商品とは違って、結構値が張る耐久消費財などの高額商品を買うときには、インターネット情報の活用が必須だと言うことである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

令和七年元旦の年賀状を出す

2024年12月20日 | 生活随想・趣味
   イギリスとオランダへのシーズンズグリーティング・カードを出すために郵便局へ行って、ついでに、年賀はがきを買った。
   郵便料の値上げが響いて、一気に年賀状が減ったと言うことで、出しても今年で年賀状終いをする人が多くなったと、メディアが報じている。
   私への年賀状も、毎年、歳のために年賀状じまいをする人が何人かいて、それに、亡くなっていく人もいるので、少しずつ減っている。
   年賀状じまい シールなども売っていて、年賀状への逆風が勢いを増しているのが良く分かって面白い。

   私のような年寄りには、長い年賀状文化の歴史と伝統が染みついていて、時代が変わったからと言って、はいそうですかと、すんなりと止めるわけには行かない。
   それに、一年に一度だが、知人友人の消息が分かって嬉しいし、昔に帰って懐かしくなる。

   若かりし頃、と言っても、50年も60年も前のことだが、パソコンもなけれれば便利なプリンターもない、当時は、すべて手書きで準備したのだから、年賀状書きは年末の大仕事であった。
   私など、木版を掘って押していたが、毛筆で丁寧に書く人もいたり、一寸した芸術作品もあったりして、興味深かった。

   ところで、今の私の場合は、富士通パソコン添付のソフト筆ぐるめを使用しての年賀状作成。
   古いバージョンなので、サポート切れでダメだから新しいバージョンに切り替えろと催促通知が五月蠅いのだが、画像作成ソフトが使えて住所録さえ機能すれば全く問題はない。
   今春パソコンが機能不全になって初期化したので、全てのデータが消えてしまった。しかし、そのまま旧バージョンを起動して、住所録は再整備して、裏面の画像等通信面は新規作成したら、立派に令和7年年賀状が出来上がった。
  高いだけで、オーバースペックで、過剰機能の新規バージョンのソフトなど必要ないのである。

   私個人や家族との付き合いなどで、まだ、年賀状を80枚近く書いたのだが、来年も元気で、パソコンが叩けるかどうか、
   家内は出来ないので私の仕事なので、年賀状を出すか出さないかは私次第なのである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ホンダと日産が経営統合を検討

2024年12月18日 | 経営・ビジネス
   ホンダと日産自動車が経営統合を検討しているというニュースがメディアを駆け巡っている。
   産経の記事は、「ホンダと日産、苦境の統合協議 「助け舟」か「どろ船」か、難しい損得勘定」と言うタイトルで、現状の問題点を如実に示している。
   持ち株会社を設立し、それぞれの会社を傘下におさめる形で経営統合する想定で協議を進めるもようだ。両社は8月に次世代の電気自動車(EV)などの技術開発の協業で合意しており、統合でより大きな相乗効果を発揮できないかを探る。ただ、販売低迷による日産の業績悪化で統合協議の行方は予断を許さない。 と言う。

   これを反映して、株式市場は、後場寄り付きで、日産は「ストップ高」で、417.6円、ホンダは、一気に値を下げて、1,242.5円(-3.19%)
   トヨタは値を上げて、2,718.5円(+1.72%)

   窮地に陥った日産が、ルノーに救われたのはずっと昔の話、
   自動車王国のドイツでさえ、フォルクスワーゲンが経営不振にあえいでいる状態であるから、欧米先進国からの白馬の王子は期待できず、ハゲタカの餌食になる不安さえあったのであるから、ホンダのアプローチは千載一遇のチャンスである。
   問題は、日産を統合して新会社を順調に経営して行ける能力と体力がホンダにあるかどうかであろう。

   私は、建設会社のオランダ現法の社長であったので、幸い、日産の欧州本社や倉庫などの建設に携わったので、当時、破竹の勢いでヨーロッパに進出して盛業を謳歌していた日産をよく知っている。
   その後、日産を良くしたのも悪くしたのも、カルロス・ゴーン。
   サウジアラビアで仕事をしていたので、レバシリ・オリジンのビジネスマンが如何に熾烈で利に敏いか、ブラジルにも長かったので、ラテン資質のビジネスのモラル軽視や無軌道さなどもよく知っているのだが、ゴーンは謂わばこのレバノンとブラジル両因子の申し子。
   技術技術で、最高の自動車を追求し続けてきた日産には、このような異分子の経営には免疫がなかったと言うことか。

   全く私事ながら、日産のファンで、20年以上も持ち続けていた塩漬けの日産株を、先日、泣く泣く節税にと思って損切売却した。
   今日のストップ高で、2割ほど損をした勘定だが、これも、人生、面白いものである。
    ついでながら、大暴落を続けているホンダ株を、まだ下がると思ったが、2単位買い増した。日産への応援である。ホンダが傾くようなら、日本はもう終わりだと思っている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大河ドラマ「光る君へ」を見続けた

2024年12月17日 | 観劇・文楽・歌舞伎
   NHKの大河ドラマのファンと言えばファンなのだが、これまで、最初から最後まで完全に観続けたことはない。
   しかし、この「光る君へ」は、完全に観た。
   理由は、源氏物語、紫式部がメインテーマであったからである。
   京都の大学に通い始めてから、古社寺散歩に興味を持ったのが切っ掛けで、平家物語と同時に源氏物語を読み愛読書になったのである。
   源氏物語や紫式部に関する本は随分読んできたし、このブログでもブックレビューなどで触れている。

   さて、今回の「光る君へ」だが、平安の王朝絵巻と言うか華麗な舞台が展開されていて興味深かったのだが、私が期待していたイメージとは少し違っていた。
   意外だったというか、新しい発見があったり、教えられることも多かった半面、私が見たかったのは、「源氏物語」の醸し出す世界なり雰囲気であったので、それが殆どと言うほど感じられなかったのである。
   末尾で、まひろが道長がいたからこそ書けたのだと述懐していたが、殆どこの舞台では光源氏と道長のイメージのダブりはないし、道長にも光源氏ほどの強烈な個性の表出もなかったし、全く別人物であった。
   尤も、歴史の一角を切り取った紫式部と道長の物語であって、その殆どが大石静の創作のラブストーリーだと言うことであれば、私の期待外れも当然。
   素晴らしい大河ドラマとして楽しめたので、それで良いのであろう。

   このドラマのメインテーマは、まぎれもなく、道長とまひろの二人の恋物語である。幼い三郎とまひろの恋が導入部となり、道長がまひろに贈った幼い二人の出会いを描いた扇が何度もイメージアップされていたが、この直覚の愛が最後まで尾を引いているほど強烈であり、
   実際には、道長と紫式部との間に男女関係があったかどうかさえ分からない世界に、作者は正面切って踏み込んだのである。
   これはこれで創作の妙として面白いのだが、道長に対するまひろの思いが「光る君へ」と言うのなら、純愛一途の道長に対して、まひろの恋は半身であり腰が引けているのが気になっている。

   あまりにも不埒で徹頭徹尾ドンファンであった光源氏に比べて、このドラマの道長や一条天皇が純愛一途で如何に優しいオノコであったことか、
   それに、まひろが、あまりにも真っ当な平凡な常識人として描かれているので、あの強烈な源氏物語の作者だとどうしてイメージできようか、
   そう思えば、まひろが道長とクンズホグレツ愛の交歓に明け暮れて、男女関係に大らかであった平安王朝の世界にのめり込んでいたとしても、不思議でなかったのかも知れない。だから、源氏物語を構想できた。と妄想している。

   シェイクスピアが、なぜ、あれだけの凄い戯曲を書き得たのか、
   紫式部が、どうして、前代未聞のあの凄い源氏物語を書けたのか、
   私の疑問であり続けている。

  大河ドラマ「光る君へ」は素晴らしいドラマであった。
  まひろ(吉高由里子)と藤原道長(柄本佑)とのドラマチックで感動的な舞台展開、
  最初から最後まで、俳優ぞろいの凄い舞台が秀逸だが、源倫子役の黒木華の名演が印象に残っている。
  視聴率が問題となっているが、気にすることはない、それだけ、質が高くて観賞価値のある素晴らしいドラマであった証であって、大衆受けしなかっただけである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

激動の世界で平安な幸せが如何に貴重か

2024年12月15日 | 政治・経済・社会
   朝起きると、インターネットを立ち上げ、日経を開き、テレビを見るのだが、悲惨な世界情勢の報道が後を絶たず、益々酷くなっていて、胸が痛む。
   ウクライナ戦争からパレスチナイスラエル戦争、これに、シリアのアサド政権の崩壊が加わって中東が一気に混沌としてきた。
   さらに、平穏であった韓国も揺れ始めた。
   来年から始動するトランプ政権が、アメリカのみならず、ヨーロッパの政治経済社会を再編成するであろうし、
   欧米先進国と中露専制国家との軋轢対立の激化、新興中進大国の台頭など、国際情勢が不透明になってきた。

   一番文化文明が発展して頂点に達している筈の今日の人類社会において、信じられないようなバンダリズムが跋扈しており、
   まだ、第3次世界大戦の兆候の足音は遠いが、いつどこかの火薬庫が爆発して大惨事を引き起こして宇宙船地球号を窮地に追い詰めるかも知れない。

   それに比べれば、対岸の火事とは言いながら、わが日本は、如何に平和で平安無事であるのか。
   5歳で終戦を迎えたので、第二次世界大戦の悲惨さを微かに覚えている。
   防空警報が鳴ると頭巾をかぶって防空壕に逃げ込む。西宮に居たので、毎夜、大阪と神戸方面の夜空は空襲で赤く染まっていた。ある日、梅田に出た時には、焼け爛れて廃墟と化した大阪駅前の惨状を見て脳裏に焼き付いている。米軍機に撃墜された日本の戦闘機の破片が、銀紙のように輝きながら舞い落ちてきた。空襲が激しくなったので、隣の宝塚に移転して、しばらくして西宮に帰ったら、家の周りは跡形もなく焼失してしまっていた。
   思い出したくない。

   随分経ってから、アメリカへ留学してMBA教育を受けたので一宿一飯の恩義は感じているが、広島長崎への原爆投下や悲惨な常軌を逸した爆撃など許せないので、アメリカに対しては愛憎半ばで複雑な気持ちである。
   さて、アメリカなど連合国による戦後処理が幸いしたのか、日本は民主主義、資本主義の恩恵を受けることとなって、今日に至っている。

   幸いと言うか、少数与党となったお陰で自民独走が解消して少数者の見解も考慮される雰囲気が生まれて、政治の風通しも良くなった。
   103万円の壁が喫緊の課題、
   年明けには、日経平均株価が4万円越えだという。
   日本は殆ど無風状態で、中ぐらいの幸せ感であろうか、
   太平天国を決め込んで新春を迎えようとしている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中国はコーヒーブームだという

2024年12月12日 | 学問・文化・芸術
   NHKがニュース9で、コーヒー価格の高騰のニュースの中で、中国で最近一気にコーヒーブームが起こっていると報じた。

   私が、最初に中国で、喫茶店でコーヒーを味わったのは、このブログの「初春の上海・江南紀行」でも書いているのだが、2017年2月で、
   上海の南西15キロ、明清時代の街並みが残っている典型的な江南水郷の面影を残した七宝古鎮の運河「蒲匯塘」のほとりのライオン・コーヒー店でである。
   コーヒーショップに入って、小鳥が、川面を渡ってきた一寸した絵になる風景を運河越しに眺めながら、小休止した。
   カフェラテが、31元、600円ほどだが、口絵写真のように店員が綺麗に模様を描いてくれた。 
   

   

   その後、上海の繁華街の豫園商城 に、スターバックスがあったので、人混みをかき分けて入って、定番のカフェラテを頂いたのだが、全く、日本やアメリカと同じで、違和感がなく、中国社会に、コーヒーが、かなり浸透しているのを感じた。
   

   細かい情報は記憶に残っていないので、(日経BP 総合研究所)のレポートを借用すると、
   中国ではコーヒー市場が熱を帯びている。若者にとってコーヒーは生活習慣の一部になり、社交ツールにもなっている。コーヒー消費の中心は20~40歳の都市に住むホワイトカラーで、1人あたり年に326杯を飲んでいる計算になるという。現在、中国にはコーヒー関連企業が約17万4000社あり、そのうち22年に新たに登録された企業は約3万2000社で、新規登録企業の増加ペースは23.1%に達している。コーヒー界のトップであるスターバックスは中国市場で事業を拡大しており、25年に中国での総店舗数を9000店にするという。一線・二線都市のコーヒー市場は競争が激しく、ここ2年間近く、スタバなどは三線・四線都市へと急速に事業を拡大している。微博(ウェイボー)などのSNS上では、「火鍋レストランの海底撈火鍋もないような福建省の小さな県にもスタバができた」などの投稿が増えている。と言う。

   イギリスでは、国民的飲料であった筈の紅茶を、スタバが凌駕し、
   茶の国中国でも、辺鄙な田舎でもスタバが開店するという。
   世界全体が、スタバの飲料、と言うよりも、食文化革命が起こっている。
   しかし、そのスターバックスも、イタリアで美味しいコーヒーに感激した創業者が、1971年にアメリカ合衆国ワシントン州シアトルで開業した 新参者。
   私がアメリカに留学していた1972~74年には、喫茶店などある筈がなく、MACやケンタッキーなどの不味いアメリカンしかなくて、真面なコーヒーを味わうためには、高級レストランで高級料理を食す以外になかったのである。
   経営学の神様ドラッカーが、麗々しくもスターバックスをイノベーションだとの賜ったが、ずっとずっと前から、日本には、全国に素晴らしい喫茶店が沢山あって、遥かに美味しくて文化価値の高いコーヒーの喫茶文化を醸成育成していた。
   アメリカや中国やほかの国が、コーヒー音痴で、やっと目覚めたというだけの話である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする