熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

紅荒獅子・・・今年初めてのツバキ

2005年09月22日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   千重咲の真っ赤なツバキ、紅荒獅子が花を開いた。
   庭のアサガオと研を競っている。
   
   来年の5月頃まで、主役が代わりながら、ツバキの花が咲き続ける。
   誰が、春の木と名付けたのであろうか。
   
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ソニーの再生(その1)・・・「やっぱりソニーは新しいもの生み出さなきゃウソだよね」井深大

2005年09月22日 | 経営・ビジネス
   株主総会で、ストリンガーCEOが約束したソニーの戦略的再生プランが、今日午後発表されるようだが、その検討は、後にして、今読んでいる柳下要司郎編「井深大 ものづくり魂 この原点を忘れた企業は滅びる」から得た感想を書いてみたい。

   殆ど書き物として記録の残っていない井深大の記録を集めたもの。
   井深さんが書いた本田宗一郎論と森田昭夫との対談が殆どその総てであるが、3人のものづくりに懸ける限りなくイノベーションを志向したアンテルプルヌール魂とソニーの創業時の精神が痛いほど伝わってくる懐かしい本である。
   
   このブログのサブタイトルは、この本から借用した。
   ソニーは、井深さんの「やっぱりソニーは新しいものを生み出さなきゃウソだよね」と言う精神を追求し、イノベーションの覇者として他社の追随を許さないような革新的な製品を生み出して豊かなエレクトロニクス時代を切り開いてきた。
   ソニーは、トランジスター革命で、真空管に拘った電機会社大手を尻目にして、トランジスターラジオや、テープレコーダーや、ビデオや、トリニトロンテレビや、ウォークマンや、プレイステーション等々、次々と新しい製品を生み出して消費者を魅了し続けてきたのである。

   日経ビジネス最新号の面白い記事が出ている。
   ソニーが、「製品をゼロから見直し、拘った自信作」として、使い勝手を大幅に改善しデザインを一新した、大容量のHDDを搭載した新型ウォークマンを出した。
   しかし、同時に、アップルが、大容量のHAND型フラッシュメモリーをサムソンに安く量産させて、圧さ6.9ミリの超薄型、重さ42グラムの超小型の「iPodミニ」を発売して、ソニーが満を持して新製品を出した瞬間に、競争会社に出し抜かれてしまったと言うのである。
   
   ソニーは、14日に、WEGAからBRAVIAにブランド名を変えて、新薄型液晶テレビを発表した。
   WBSでも特にソニーらしい新鮮味はないと報道されたし、先行のシャープや松下も競争上の脅威を感じていないと言うほど、インパクトが少なかった。
   今回のBRAVIAには、新開発のエンジンを最上位機種にしか搭載していないと言う。先に、薄型テレビを売る為に、サムソンの液晶を使ってWEGAエンジン抜きの安いテレビを出して惨憺たる結果を招き、売りもの・目玉の技術を外した抜け殻の商品を売るとどう言う事になるのか、何も学んでいないと言う。
   競争相手に勝つ為には、一にも二にも差別化、差別化。如何に競合品と違った新しい魅力を備えた差別的な商品であるかを、消費者に叩きつける以外ない筈である。
   薄型テレビでは、シャープや松下に大きき差をあけられ、DVDレコーダーでも、他の音響機器でも、とにかく、コアのエレクトロニクス部門で群を抜くソニー商品は皆無になってしまった。

   ソニーは、いつの頃からか、何でも新しい素晴らしいAV機器、エレクトロニクス製品は、総てソニーが作り出すものと言う神話を生み出し、そんな十字架を背負って生きてきた。
   井深大や盛田昭夫が生み出したソニーの宿命でもあった。
   ところが、そんなソニーに対する夢も期待も遠くに行ってしまった。
   イノベーターでなくなったソニーは、最早ソニーではなくなってしまう。

   出井氏が、退任が決まった時、WBSの小谷キャスターに心境を聞かれて、「一生懸命頑張ったんだが、環境が悪かっただけで。」と応えていた。
   当時、やはり、小谷キャスターに、松下の中村社長が「(中村)革命がなかったら、松下は潰れていたかも知れない」と言っていたのを覚えていたので、この危機意識の差と経営者としての資質の落差に唖然としたことがある。
  
   ソニーの新再生プランについては、発表を見てからコメントしてみたい。
   
   
   
   
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