熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

久しぶりの関西の秋(1)

2012年11月21日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   国立文楽劇場で、「通し狂言 仮名手本忠臣蔵」公演を行っているので、関西に出かけた。
   二泊三日の短い旅だったが、忠臣蔵に通った中日は別にして、両端の日は、丁度秋のシーズンでもあったので、奈良と京都を訪れることにした。
   
   朝早く東京を発つつもりでも、千葉からでは結局9時30分発のJAL便がやっとで、伊丹から、バスに乗り継いでも、奈良に着いたのは、午後の1時過ぎである。
   大学時代の友人と、春日ホテルのレストランで、昼を一緒にしたのだが、体調を崩していたので、別れて、唐招提寺が改装なったようだし、近くの薬師寺に向かうことにして、時間があれば、秋篠寺に寄ろうと思って出かけた。
   しかし、県庁の屋上にまず登れと勧められたので、目の前であるから多少は良かろうと思ったのだが、結構、見晴らしも良くて気持ちが良かったので、時間を取ってしまった。
   私も、何回も奈良に通っているのだが、この県庁の屋上は、殆ど観光客もいない正に穴場であった。
   東大寺の大仏殿や南大門から若草山、それに興福寺の五重の塔が間近に望遠できるのが良い。
   
   

   結局、この日は、西ノ京へ行くのを諦めて、時間がない時にはいつも歩く東大寺の境内をを散策することにした。
   丁度、興福寺の再建中の中金堂の北川にある仮金堂の、普段公開されていない本尊・釈迦如来坐像などが公開されていたので、これと、興福寺の国宝館に入って阿修羅像などを見ることにした。
   新しい本尊以外は、薬上菩薩と薬王菩薩立像、四天王像、吉祥天女像、大黒天立像などは重要文化財である。
   真っ黒な顔をして釣り目で頭巾を被った大黒天や、美女ではないが非常に福与かで鮮やかな極彩色の吉祥天女など、非常に興味深い仏像であった
   国宝館は、正に、素晴らしい国宝仏が沢山展示されている宝物館で、何回訪れているか分からない程通っているのだが、今回は、場内が非常にすっきりと改装展示されていて、LED照明を採用されたとかで、見易くなっていた。
   しかし、私には、前のように、阿修羅像など、ガラスケースの中で、身近に鑑賞出来て、立ったり座ったりして位置を変えながら表情の豊かさを楽しめる方が良かったと思っている。
   それに、ハイシーズンであった所為もあり、丁度、上野の美術館の特別展の雰囲気で、順路に沿って数珠つなぎの見学者の長い列で、私などは、見知った興味のある仏像しか見ないので、追い越せなくて苦労した。
   
   

   奈良公園の紅葉は、もっと、春日神社の方に歩いて行けば楽しめるのであろうが、興福寺と東大寺の境内には比較的モミジの木は少なくて、京都の紅葉で有名な古寺のような華やかさはないのだが、弱い薄日に霞む風情は、中々、見事である。
   
   
   
   
   

   私の歩くコースは、県庁横から道を渡って依水園前を左折れして、入江泰吉旧宅を越えて真っ直ぐ歩いて、戒壇院前を右折れして回り込み、大仏池を左にして、二月堂三月堂を目指す道である。
   大仏殿の裏側を回って、講堂跡を通り過ぎて、小川沿いに坂道を上るコースだが、二月堂を仰ぎ見る坂道は、写真にもよく出てくる場所だが、季節の花が美しいと中々雰囲気があって良い。 
   何時もなら、二月堂で長い時間を過ごして、不空羂索観音など多くの国宝仏と対話するのだが、今は、改装中で、閉館である。
   不空羂索観音や日光月光は、南大門脇にあたらしく新築なった「東大寺ミュージアム」に展示されているのだが、この日は、残念がら、閉館時間を過ぎて行ったので、拝観できなかった。 
   
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする