熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

トマト・プランター栽培記録2013(5)ビギナーズトマトに実が付き始める

2013年05月18日 | トマト・プランター栽培記録2013
   先に受粉していたピンクのミニトマトの実が、大分大きくなってきて、一番大きいのは、大豆つぶくらいになった。
   ビギナーズトマトも、受粉して、実が見え始めた。
   二番花房には花が咲き、三番花房もはっきりと分かるようになってきたので、順調に生育しているようである。
   
   

   最初に植えたピンクのミニトマトとビギナーズトマトの木が、大きくなって来たので、先週終わりに、簡易の支柱に代わって2メートル以上の支柱を立てて、茎を固定した。
   そして、タキイのミニトマトを集めた虹色トマトの苗木も大きくなってきて、先日の強風で、仮止めの支柱への固定が不十分で、一本折れてしまったので、これら7本も、同じように長い支柱を立てて、固定し直した。
   折れた苗木を固定して立てておいたのだが、水揚げをしていて枯れそうになさそうなので、どうせ、ダメだとは思うが、昨年も生き返った苗があったので、このまま様子を見ようと思っている。
   私の支柱は、主に、天然の篠竹を使っていて、それ程丈夫とは思えないのだが、この二年間特に不都合がなかったので、三本を結わえて固定している。
   二本を、プランター周りの土中に差し込んで固定して、残りの一本を、プランターの中に立てて、苗木の主柱を固定するのである。
   

   桃太郎ゴールドとフルーツルビーEXにも、一番花房がはっきりとあらわれ、咲き始めて来た。
   前者は、大玉トマトなので、かなり、茎は太くてしっかりとしている。
   木も大きくなるので、多少、他の苗より大きなプランターには植えているのだが、実際には小さいのであろうから、出来るだけ早い段階で摘心して、少数の充実した実を作ろうと思っている。
   花でも何でもそうだが、大体において、最初に咲いたり実るものが、一番良いように思う。
   
   


   アイコは、レッドもイエローもしっかりと育っていて、一番花房に花をつけている。
   イエローアイコの苗は、脇芽が勢いよく伸びているので、二本仕立てにしようかと思っているのだが、もう少し苗の生育状態を見て考えることにする。
   今のところ、どの苗木も、病虫害など出ていないので、薬剤散布などは、控えることにしており、施肥も、もう少し待とうと思っている。
   いずれにしても、梅雨入りまでには、木を出来るだけしっかりと育てたいと思っている。
   

   
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ロシア:超現実的で矛盾に満ちた国・・・ルチル・シャルマ

2013年05月18日 | 政治・経済・社会
   コモディティ・バブルに胡坐をかいて、実の経済力だと過信して反省の色の無い筆頭が、ブラジルとロシアだと言うのがシャルマの見解で、ゴールドマン・ザックスグループのBRIC's礼賛論とは、かなりニュアンスが違っている。
   モルガン・スタンレーと言う違いよりも、インド出身で、新興国をくまなく歩いて得た知見でものを論じているので、バイアスが架かり難いと思える分、シャルマの新興国論の方に信憑性があるように感じられるのが面白い。

   冒頭、ロシア人の平均年収が1万3千ドルでかなり富裕だがタクシーがなく、頻繁に停電が起こる。モスクワとサンクトペテルブルグは、「富はバーの上でダンスする」と言わるほど並外れた成金たちが華々しくどんちゃん騒ぎに明け暮れているが、地方都市は、いずれも灰色で暗く、見栄えも倫理観もソ連時代そのままである。と、ロシアは、超現実的で、矛盾に満ち溢れた国であると言っている。
   モスクワとザンクトペテルブルグ間は、超モダンな高速鉄道で結ばれているが、他の列車の耐用年数は20年。自動車販売は二桁で伸びているが、公共投資は中国の半分なので、モスクワの道路は荒廃していて世界最悪の交通渋滞。ザンクトペテルブルグのブルコボ空港は、図体は大きいが老朽化したソ連時代の遺物だと言う。

   このような矛盾は、ロシア社会の仕組みにまで行きわたっていて、政府は、小売り、インターネット、メディアやその他の消費分野については起業家たちに自由にやらせる一方、原油・天然ガスなどの戦略的セクターでは、統制を続けている。
   経済は、ある程度自由な産業と、国の統制下に置かれた産業と言う二つのシステムの下に共存しているのだが、原油が、政府歳入の半分、輸出の3分の2を占めており、この国の経済変動の多くを左右しているので、ひとたび、原油価格が暴落でもすれば、経済成長は一気にダウンして経済を壊滅的な状態に追い込む危うさを持っている。

   さて、プーチンだが、エリツィンの時代に勃興し始めていた政治的な自由は大方消えてしまったが、純粋に経済的な側面から見ると、ロシアを10年間に繁栄に導くのに成功した。
   1998年のロシア財政危機のどん底状態から政権を引き継ぎ、原油価格の高騰による幸運にも恵まれたのだが、オルガルヒに対しては、政治から距離を置いている限りは会社経営を認め、表面的には外部からの投資を歓迎する姿勢を示し、短期間でロシアの債務を収拾し、銀行を統合し、官僚制度に風穴をあけて起業を後押しし、個人所得税を13%に下げて国内の消費ブームを刺激するなど、ロシア経済にとって当面必要な基礎を築いたのである。
   しかし、原油価格の異常な高騰で経済の活況を経験したロシア人の思い上がりが高まって、政府支出への慎重な姿勢が跡形もなくなり、年金支払額を実質賃金の40%へ引き上げて、今や、ロシア人の40%が社会保障を受け取り、役人が12%いるので、全ロシア人の半分以上が生活を国に負っている状態になったと言う。

   ロシアは、2008年の世界金融危機では、最も大きな打撃を受けた国で、経済規模の縮小と成長率の下落で、積み上げてきた石油安定化基金を流用するなど、原油価格が50ドルに下がると、クレムリンの財政は赤字に転じてしまった。
   ブラジル同様、コモディティ・バブルの恩恵を最大限受けながらも、新たな工場や道路、設備には殆ど金をつぎ込まなかったので、生産性が着実に低下しており、低成長と高物価と言う組み合わせは、潜在成長率の急速な落下を惹起して経済を蝕んでいる。
   2008年までは、ロシアは、見事な復活物語のモデルであったのだが、金融危機に直面して、石油以外の新たな収入源を必要とした時には、将来を見越した産業政策と経済強靭化政策の欠如故に、力強い成長を維持すべく改革を新権威実行いようとする組織も政治的意思も欠けていることが露呈してしまって、暗礁に乗り上げてしまった。
   結局、極言すれば、ロシアの産業構造は、総ては、石油と天然ガスで、いまだに、脆弱であり、国際競争力のある産業は何も育ってはいないと言うことであろうか。
   現に、ロシアには、見るべきMNCは皆無であり、国際舞台で競争できる企業さえ存在しないのである。

   さて、この困難なロシアの経済状況以上に、もっと深刻な問題は、プーチンの政権居座り体制で、2008年大統領二期目の終了時に止めておれば、偉大なロシアの指導者で終われたのに、今や、ロシアにとっては、深刻なリスクだとシャルマは言う。
   政府の仕組みがどんなものであれ、国の指導者が自らの政権を長引かせようとし始めることは、懸念すべき兆候だと言うのが、シャルマ理論の核の一つで、能力がないか、もしくは腐敗した指導者たちが、自らの権力保有期間の延長を勝ち取ったり、自分の配偶者を選んで退陣するケースなどは最悪だと言う。

   
   ロシアが、如何に時代離れした矛盾に満ちたいい加減な国であるか、シャルマは、列挙し続けている。
   ロシアには、中間層が存在しないし、中小企業の割合は、どの新興国よりも低く、躍動感のある起業家精神に満ちた企業は殆どない。
   ロシアは、世界でも最も人口密度の低い国で、世界的なブランドを引き付けるだけの十分な人口と所得を持った都市は5つだけで、ロシアの富と権力は、益々、モスクワに集中している。
   ロシアのトップ10に入る富豪は、エリツィンが、1990年代に行った格安セールによって主要企業を二束三文で取得した層と実質的に同じグループである。
   長者番付の移動は殆どなく、上位の80%は、政府と強力なコネのあるコモディティ、特に、石油と天然ガスに関与している人物たちである。
   金融システムは、唯一の銀行に支配されていて、ロシア人は国内に殆ど投資しないので、銀行ローンは至難の業であり、ロシア人は、外銀を頼らざるを得ず、極めて不安定であり、ロシア・ルーブルは、二度も通貨崩壊している。
   政治の犯罪化は日常茶飯事で、政治とビジネスの癒着は益々深まる一方であり、賄賂を求める役人への対応係を生業とするセクターの企業が存在する。
   したがって、多くのロシア人は、現状を諦めて出国してしまい、中小企業は育つはずもなく、民間資本が大挙して国外脱出を図る国はロシア以外にはない。
   ロシアのビジネス環境は、外国人にとっても頭痛の種で、世銀調査によると、ロシアは、ビジネスのし易さランキングで、183か国中120位。
   それに、人口の減少している国であり、労働人口も下落傾向だと言う。

   シャルマのロシアの章の締めくくりは、「ロシアで「いい話」を聞いたら行間を読むべし」
   BRIC's BRIC'sと言って、結構、日本企業もロシアを目指して進出しているのだが、違法行為であある筈の「賄賂を求める役人への対応係」と、どう付き合っているのであろうか、興味津々である。
   ハーバードのタルン・カナとクリシュナ・G・パレブ教授が、エマージング・マーケットとは、市場参加者が生産的な売買のために売り手と買い手を効率的に引き合わせる環境つくりを模索することによって、今まさに台頭しつつある市場 であると定義している。
   この新興国の市場と我々先進国市場との間に存在する「制度のすきま」を如何に埋めて事業を展開するのかと言うことなのだが、あまりにも、ロシアとの「制度のすきま」が大きすぎて、おいそれと、その隙間を埋められそうにない。

   これで、シャルマのBRIC's論は終わったのだが、海外経験が長くて多くの辛酸を舐めて国際ビジネスの難しさを嫌と言う程経験している筈の私でさえ、どうも、BRIC'sと言うその能書きだけに引っ張られて幻想を抱いていたような感じがしていたようで反省をしているのだが、聞くと見るのとは大きな違いがあると言うことである。
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