失敗から学ぶことは多い

「学校は失敗するところだ」という詩がある。
ところが、こどもたちは失敗することを極度に恐れる。
それはそうでしょう。大人でも失敗することって不安なものだから。

総合的な学習の中で「縄文クッキー」を作るにあたって、ちょっとこの辺で「失敗してもそれを糧にして次につなげる」という経験をしておきたいなぁと思い、助言を最低限度におさえ、クッキー作りをこどもたちに任せた。

指導をあまり入れていないので、「きっと失敗してくれるだろう」とわけのわからん期待をしていた。

案の定、5分の4のグループは、今回の縄文クッキー作りに満足できなかった。


ここからが人生学習。「生きる力」を伸ばす指導である。・・・・・というと格好良すぎるかな。3時間ほど時間をおいて、クッキー作り体験を脳内で熟成させた後に話し合いをする。


けっこう大事な話し合いをしたので、きっとこどもらの心の中には「失敗から学べる物は多い」ということに気づいたことだろう。


(心の面)
*無計画でものごとに取り組むのは良くない。
*楽をしようとしたら良いものは生まれない。
*あわてて作らないで、ゆっくりと時間をかける余裕が必要だ。

(調理方法)
*材料をかなり細かくすりつぶさないと食べにくいものになってしまう。
*あまり大きなクッキーを作らないで、できるだけ小さい方が良い。
*焼いている時にツマヨウジをさして中を確認した方が良い。
*表面をこがさないようにした方が良い。

(味について)
*材料を欲張って、なんでもかんでも入れてしまわず、よく選んで決めるべきだ。
*砂糖を多めに入れてみた。それがおいしくできた原因だったようだ。
*次に作る時には、いろんな工夫をして良い味にしていけるだろう。

(材料について)
*とにかく入れた種類が多すぎた。少なめの方が良い。
*ひとつのクッキーの中にたくさん入れるのではなく、いろんな種類のクッキーを作るべきだった。
*固い材料はつぶせないからやめた方が良い。
*材料のバランスを考えて作った方が良い。

(縄文時代の人々の暮らしについて)
*きっといろんな材料を何回も何回も試して(試行錯誤)、おいしいクッキーを作っていったんだろうと想像できた。
*今は店で売っているものを材料にできるが、縄文時代は森や山で採ってこなくてはならないので大変だし、たぶんもっとまずいクッキーだったんじゃないかと思う。
*縄文時代の人だって、歯ごたえの固すぎるクッキーではダメだったんじゃないかと思った。
*縄文時代には砂糖はなかったんだろうから、ハチミツを入れたのかな?



この様に調理体験に考察を加えて、もう一度チャレンジしてもらえばより良いものができあがっていくだろう。残念ながら時間がないので再チャレンジはできないが、話した内容は子ども達の「生きる力」になっていると私は思う。

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