地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

ジャカルタ炎鉄録 (3) 非冷房薄緑編成

2009-08-23 00:21:00 | インドネシアの鉄道


 ジャカルタの日本製非冷房車のうち鋼製車は、前回ご紹介した通りオレンジ色に塗られていますが、最近どうやらイメージアップのため (?) 塗装変更を模索しているようで……中には黄色とグレーの帯に加えてもう一本、濃いグリーンの帯を加えている編成も目にしました。しかし、それ以上に大胆な塗装変更として、斜体全体を薄いエメラルドグリーンに塗り、グレーの帯を巻いた編成が4連1本存在し、ステンレス編成(改めてご紹介します)と組んで運用されています。う~ん、個人的には如何にも暑苦しいオレンジ色 (熱帯の地で見るその色は、中央線で見かける際とは比較にならないほど暑そう……^^;) よりも、ジャングルを伝う風のようなエメラルドグリーンに軍配を上げたいなぁ……ということで、この編成は来れば「当たり!」でしたが、所変われば品変わるという言葉の通り、色彩感覚も変わるものかも知れません。インドネシアの皆様は、一年中夏という気候の中でも毎日オレンジ色の電車を利用することに暑苦しさを感じないのだろうなぁ……と (^^;)。



 そんな薄緑編成……撮影初日ののっけから行き交う列車を激写しまくったのち、ポンドック・チナからボゴールまでいよいよ非冷房エコノミーに初挑戦しようという際に、ちょうど折良くやって来ました。……とは言っても、車内に一歩踏み込めば他の非冷房エコノミー車両と何も変わらなかったりするのですが (^^;)。午前中にボゴールへ向かう普通列車は、勿論朝のジャカルタ・コタ行のような殺人的混雑ということはなく、全ての座席が埋まって立ち客がちらほら……という程度でしたが、とにかく参ったのは通気の悪さによる蒸し暑さ……。とくに、2段窓の下段が嵌め殺しになっており、かつ扇風機が壊れているのは致命的……。そういう列車だからこそ、壊れたドアが全て開け放たれ、転落防止は乗客一人一人の責任となるのは自然な流れと言えましょう。そして、こんな蒸し暑い車内だからこそ、むしろドア部分にぶら下がったりステップ部分に腰掛けるというのは特等席なのだということに気がついた次第……(^^;;)。
 そこで、ポンドック・チナ駅で座席にありつけなかった私も早速、日本の旧型客車や台湾の手動ドア客車で楽しむのと全く同じように、ドアの手すりをつかんで体を思い切り外に出してみたのですが (良い子は絶対に真似してはいけません!!)、ををっ、ワンダホー!! (^O^) 単に風が涼しいだけでなく、車内にいると激しいフラットのため余り良く聞こえない103系風モーター音をバッチリと聴き取ることが出来ます (*^^*)。何と申しますかこの……103系的走行音と旧型客車的ノリを同時に楽しみつつ、沿線の椰子の木の連続や古くとも風雅な家並みを眺めるという悦楽……病みつきになりそうです。とくに、デポックを発車すると終点のボゴールまで平均駅間所要時間7分、しかもひたすら登り勾配の連続ということで、とにかくダイナミックの一言に尽きます……。これであとは、空気が澄んでボゴール近辺の名山の数々 (いきなり2千数百m級の山々がそそり立っている) が見えれば完璧だったのですが、モヤ~っと埃っぽい天気で視界は広がらなかったのが残念! また次回訪問時のお楽しみということで……(^^;