地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

2014相州のレアバス (4) 富士急エアロスターM

2014-07-08 00:00:00 | 濃いぃ路線バス&車両


 神奈川県内の多くのバス業者は排ガス規制が厳しいエリアを走っているため、手持ちのバスを僅か車齢15年未満で廃車としてしまうことが一般的です。しかし、県西部は厳しい排ガス規制の対象外であるため、富士急・箱根登山・伊豆箱根ともども、たまに古めの車両がやって来て嬉しい思いをするものです♪ とはいえ、とくに箱根登山と伊豆箱根は大観光地・箱根を走るため、さすがに急速に新型車へと置き換えられつつあるような気がしております。これに対し、足柄上郡を主要な地盤としている富士急湘南バスの場合は、零細な路線を多数抱えて厳しい経営が続くいっぽう (このため路線の統廃合が続いているようです)、朝夕などはそれなりに乗客が多い路線や企業の送迎貸切需要があり、さらには登山シーズンには続行運転大作戦が展開されることもしばしばな西丹沢線もあるため、大型車も車齢10年以上のものを中心にそれなりに擁しています。
 先日は、メタボ防止のために西丹沢での山登りを楽しみまして、その際に新松田から西丹沢自然教室行に乗ったのですが、果たせるかな、やって来たのは1995年製のエアロスターM♪♪



 基本的に新松田~西丹沢線は上述の通り、登山オンシーズンには寿司詰め続行運転も見られるという一大観光路線ではありますが、いっぽう丹沢湖を中心とした山北町の山間部は過疎化とクルマ社会化が著しいため、雨の日や丹沢登山オフシーズン(とにかく蒸し暑い梅雨時から8月末頃まで) の平日は悲しいほど客が乗っておらず、下手をするといつ廃止になってもおかしくないという状況です……。同じような沿線環境の路線として、例えば神奈中には道志川に沿って走る三ヶ木~東野~月夜野線がありますが、ここは昔40~60分間隔であったところが今や大減便されてしまい、平日は数本、土日は朝夕2本のみという惨状……(土日は完全運休という案もあったそうなのですが、これをやられると北丹沢エリアの登山の足が壊滅的打撃を蒙るため、辛うじて登山バスとして残っているのが実情)。ただ、神奈中の津久井エリアと同じように徹底減便or廃止としてしまいますと、登山客のみならず中川温泉に行く一般客にも大打撃となり、何とか観光で町おこしをしたい(そして小中学生の通学の足を確保したい)山北町にとっても大問題であることから、この西丹沢線につきましては山北町などの補助金を受けつつ、平日7.5往復、土曜休日10往復が確保されています。そこで、通常西丹沢線では、山北町の観光をアピールする西工ボディが専属として(?)運用されているところです。
 しかし、朝一番に新松田を発車して西丹沢に向かう便につきましては、小田急線渋沢~新松田の中間点から枝分かれして山奥に進んだところにある集落・寄(やどろぎ)から通勤通学客を乗せてきた便がすぐに折り返すというものであるため、基本的に山北町ラッピング車ではなく富士急標準塗装の大型車でやって来ます(とゆーか……利用するたびにそう)。そこで、7Eなどがやって来ても嬉しいものですが、今回はエアロスターMで登場! この5568号車は、ググってみますと1995年製ということで、そう先は長くない……と思うにつけ、曇りのベストライティングで新松田駅前撮影大会 (笑) を楽しめて良かったなぁ~と思います。恐らく、神奈川県内を走る路線バスとしては現役最古参級であることは間違いないでしょうし♪ 側面に貼られた高速バスの宣伝がなければサイコーなのですが……。
 ちなみに、この新松田駅前、看板などを除けば基本的に1970~80年代の地方都市の駅前っぽい雑然とした雰囲気が残っているのも上々です♪ そこに朝夕ともなれば富士急湘南バスと箱根登山バスがジャンジャン出入りするのは一大スペクタクルとしか言いようがありません (笑)。ただ、小田急線と御殿場線の乗換客が駅前広場をカオス的に横切って行くため、人カブリが頻繁に発生するのが難……(^^;)。