神奈川県はもとより東京の町田・多摩市など広大な版図を支配下におさめる天下の神奈中バスでは、長年にわたり、始発及び始発近く(「整理券なし」ゾーン)から乗る場合を除いて、原則として前乗り前降り方式が貫かれてきました。しかし、バリアフリー対応などの観点から、中乗り前降りへの移行が少しずつ進み、去る3月下旬に大和営業所管内が基本的に中乗りとなったことで、原則中乗り化が達成されました。但し、横浜市営バスと同じ道を走る一部の路線(例えば、現存有数の長距離路線である横04・横浜駅~鶴間駅など)では、引き続き前乗り中降りであり、完全に統一されたわけではありません。
そこで私も、たまたま所用があったため、中乗り化直後の大和管内路線に乗ってみました。まぁ事情が分かっていれば何も戸惑うことはないのですが、途中から乗る客は誰もが、前から乗り込んで前ドア脇のカードリーダーにタッチするものだと思い込んでいるため、運転手氏がいちいちドア脇スピーカーを使って「中ドア乗車です~。乗車時にパスモのタッチをお願いします~」と説明するのは少々大変そうでした (笑)。
そんな大和管内の中ドア乗車移行、折角の記念すべき機会ですので、誰がどう見ても大和の中ドア乗車化であることが分かるようなシーンを撮ろうと思いまして、狙いを定めたのが藤沢神奈交 (大和) 所属の青白塗装車! 2002年製のエアロスターに藤沢神奈交色を塗った車両はFK001・002の2台が存在し、もっぱら鶴間~大和間の計3ルート、ならびに延長バージョンである桜ヶ丘駅~大和駅~大和市役所~鶴間駅 (間17) に充当されていますので、運が良ければ割とすぐに捕まえることが可能な車両です。そしていざ撮影……桜の花が満開な某駅前でしばし待っていますと、上手い具合に青色車がやって来てくれました☆ 多くの場合嫌われる正面の「よだれかけ」も、このときに限っていえば大和管内の中ドア移行を決定づける歴史的証拠にもなりますし。
それにしても懸念されるのは、このエアロスターも2002年秋に製造されて以来、早くも車齢14年になろうとしていること。神奈中ではこの程度の車齢となりますと続々廃車となり、地方の事業者に譲渡されますので、この藤沢神奈工色エアロスターもあと残り1年前後という運命でしょうか……。いつの間にか廃車となってしまう前に、この塗装と桜の組み合わせを、「中ドア乗車」よだれかけとともに撮影出来たのは大いにラッキーでした♪