周知の通りヤンゴンでは、去る1月から市内・近郊路線バスの大幅な再編が実施され、系統数の激減とダウンタウン直通便の分断の結果、利用者のバス離れが起こっているのだとか……。しかも日経新聞によると、この変革を主導しているのは与党NLD (国民民主連盟) の将来を嘱望されている若手大物とのことですので、社会経済的に相当の大鉈として展開されたものだということが明らかとなりました。勿論、それによって過去の路線バス組合マタタの非効率や低劣サービスと手を切るということであれば良いのでしょうが、結果が見えて来るのはこれからなのでしょう。
とりわけ利用者の不満は、一時見放されていたヤンゴン環状線の利用者急増として現れているようで、ミャンマー国鉄としても増発で必死に対応している模様です。
そこで、最近ミャンマーを訪問された方の画像をネットでつらつらと眺めるにつけ、昨年の今頃はヤンゴン近郊運用におけるキハ40系列・キハ11の急増をうけて離脱車が多数発生していた古参客車が次々に復活して増結されているという印象を受けます。とりわけ、かつての最大勢力であったDC改造車LBTX900形はもとより、リベットゴツゴツで窓も細かくどう見ても超古参級なLBPTZ10850形、アッパークラス客車BDUEZ10700形を格下げ三扉化したLBT10700形といった面々がジャラジャラと連結されている光景は、初めてヤンゴンを訪れたときに目にした環状線客レ全盛時代の晩年を思い出すものがあります。いくらRBEの運用が増えたとはいっても、インセインの奥深くにこれらの車両が温存されており、いざという局面になれば引っ張り出して来たということなのでしょうか。
もっとも個人的には、1950年代日本製豪華客車を格下げしたLBGTX1700、LBGTX1880をもう一度拝んで乗りたいものです。また、エンジンを外して客車化されたRBT2500による編成も復活して欲しいものですが、罐の東方紅21が離脱してしまったということなので如何ともし難いものがあります。先月中国中車大連から船積みされた最新DLは、東方紅21と同じダークグリーンを纏った日本風連結器の装備車ですので、是非ヤンゴン地区運用に入り、何処かにお隠れになったRBT2500を牽引して欲しいものですが、まぁそれは妄想というものでしょう。
というわけで、昨年ヤンゴンで撮影した近郊客レの中で最も美しい、DD900形とLBTX900形客車の組み合わせをアップしておきたく存じます。