地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

さようなら、大川貨物と手押し入換

2008-03-14 13:46:39 | 貨物列車


 明日はJRグループのダイヤ改正。城東貨物線改め「おおさか東線」のように生まれ変わる存在あれば、「銀河」「あかつき&なは」のように消える存在あり。新聞のテレビ欄を見ても、各局それぞれ取材を組んでいるようで……今夜から明日にかけては様々なドラマ (いや、大混乱? -_-;) が繰り広げられるのでしょうか。
 しかし、色物 (?) と流行りものに疎い私としましては、どうしても地味な存在に関心が向かってしまいます。そこでとりわけ注目し、暗澹とした気分にならざるを得ないのは……車扱貨物の大削減 (T_T)。その背後にあるのは、効率が悪くスピードアップもできない車扱を追放し、コンテナ化 (特に化成品タンク車についてはコキ200利用のタンクコンテナ化)・拠点駅への集約を達成し、小規模な入換のために費やすエネルギーをカットしようというJRFの思惑でしょう。それに加えて、例えば小坂から秋田北港への濃硫酸輸送のように、そもそも濃硫酸が産出されなくなるために、鉄道輸送の必要性もなくなるという場所もあります (小坂は改めて特集します)。ともあれ……いろいろな貨車がゴチャゴチャと連結された光景に長年親しんできた身にとっては、寂しいダイヤ改正です……。
 こうして車扱の存在に大ナタが振るわれることになった結果、鶴見線の扇町と大川のあいだで細々と続いてきた液化塩素輸送も見納めとなりました……。発送から到着までがたったこれだけの距離で完結してしまう車扱貨物輸送は、単純に考えればコストと時間がかかりすぎるようにも思えますが、液化塩素という危険物をある程度まとめて輸送し、しかも両端とも線路でつながっていることが、この如何にもほのぼのとした「工業地帯のローカル貨物列車」を成り立たせてきたのでしょう。しかし大川貨物も、車扱削減の例外となることを免れなかったようです……。



 大川貨物といえば、DE10がタキ5450を1~2車連結してキビキビと動き回る姿が魅力的だったのもさることながら、個人的にとりわけ「大川ならではの見どころだよなぁ~」と思っていたのは、ズバリ手押し! (*^^*) 手押しといえば、英国でSLが発明される前から、鉱山のトロッコを動かす手段であったという点でまさに鉄道の原点! そんな手押しが、構内配線の都合上とはいえ、大川から扇町へ返空タキを輸送する際には必ず見られたというわけで……工業地帯の風景とのギャップが何とも言えない雰囲気を醸し出していたものです (^O^)。手押しを担当するかなりんの掛員さんたちは、力仕事で大変そうですが、それでも「さすが鉄道車両って呆気なくレールを転がるものなのだなぁ……」と思ったりもしました (笑)。
 しかし、最近はたまに運転日に時間をつくって訪れても運休ばかりで (号泣)、今回ご紹介する画像は2~3年前のものです。桜咲くうららかな日だまりの中、あるいは草いきれがムッと漂う夏の日射しの中、また撮りたいものだなぁと思っていたのですが、結局最後の日々の姿を撮影できないままとなってしまいました……。
 大川支線はすでに小麦粉の輸送が終わって久しく、液化塩素の輸送も終わった今、残るは朝夕のみの運転となった205系の通勤列車のみ。しかし、大川工業団地へは川崎駅からのバスの方が便利で、武蔵白石から大川へも歩いて数分。ことによると、中長期的には大川支線自体がなくなる可能性もあるのではないか……と考えるにつけ、大川支線をゆく205系も今のうちに撮り貯めておく必要があるのだろうかと思っています (もちろん、それが杞憂で終わることを願いたいのですが)。

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2 コメント

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Unknown (開運skyliner)
2008-03-14 22:30:26
鶴見線大川支線と聞いて真っ先に思い浮かべるのは何と言っても首都圏に残った最後の旧型国電、いや!もっと年輩者ならば省線電車かな?そう、クモハ12形の最後の活躍場所でありました。一時期では扇町を除く鶴見線全ての線区にも走り、特に大川へ行くよりも鶴見から海芝浦までクモハ12で行くのがステータスになったりもします。そんなクモハ12形は再び大川支線に舞い戻りましたがそんなクモハ12に乗りに休日にはホリデーパス片手によく出掛けてました。時は流れクモハ12形は退役され103系が大川まで入ったのも束の間で山手線にE231系が投入されるとそ2ら追い出された205系によって103系を置き換えてしまいました。大川支線がなくなるのであれば大川支線での205系を撮っておくべきですね!それもクモハ12形と103系、そして205系をそれぞれ同一アングル、これは良い定点観測をしてみたいです。
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Unknown (おっとっと)
2008-03-14 22:56:42
>開運skylinerさま
 こんばんは、コメントどうもありがとうございます。
 大川支線といえば、武蔵白石駅の急カーブ上のホームからクモハ12が発着していたのも懐かしいですね。本数も、誰も乗らないのに15~20分間隔だったり……(汗)。
 さて、「大川支線がなくなる」というのは、あくまでここだけの最悪の場合の予想であり、現実にそういう計画があるといった話ではございませんので、決して鵜呑みにされませんよう……。それでも、相模線の西寒川支線のように、貨物を失って朝夕の通勤列車が細々と運転されるのみになった路線は消えていったことから、決してあり得ない話ではないと思いまして……。和田岬線ほどまとまった乗客があれば廃止はないでしょうが……。
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