まだまだある昨夏の福岡シリーズ、今度は一気に大牟田に南下しまして、かつての三池炭鉱鉄道の栄華を辛うじてしのぶことが出来るスポットを訪ねてみました。
天神から西鉄5000系の特急に乗り、単線区間の存在にもめげずにモーター音を響かせて突っ走って行くのを楽しむこと約1時間、かつて炭都であったことが信じられないほど寂れた雰囲気の大牟田駅に到着。トボトボと街を歩いて山を一つ越しますと、やがて谷間に工場が建ち並ぶエリアにたどり着きます。その一隅に人知れずひっそりと佇んでいるのが、かつての三池炭鉱鉄道の心臓部にあたる宮浦のヤードです。ここまで、確か駅から早足で20分少々。噴き出る汗を拭き拭き、こんもりとした緑に取り囲まれて時間が止まったかのようなヤードや戦前以来の工場群の遺構を眺めながら、化学工場&コンテナ集荷場の入換列車牽引用として辛うじて生き残っている45トンELを待ち構えました。
しかし、正確な運行時間など知る由もなく、事務所の前でELがパンタを畳んでいることに油断して辺りをブラブラしていたところ……突然事務所2Fから運転手氏と操車氏がドヤドヤと降りてきてパンタを上げ、すかさず「ブウォォォン」という、小さなボディからは想像も出来ない野太いタイフォンが鳴り、いきなり列車が動き出してしまいました! (@o@) 余りの突然の出来事に、撮影位置を離れていた私は狼狽しまくり……。何とか↑のように出発シーンを撮影したものの、後ろに空コキが数車連結されているのを見落とし、画面からは切れてしまいました……(-_-)。
JRとの貨車引き渡しが行われる仮屋川操車場へ向かった列車は、すぐに単機として戻って来ます。そして事務所の前でパンタを畳んで昼寝状態に……。しかし、JRの大牟田止貨物列車は既に朝の時点で到着している以上、遅かれ早かれ宮浦のヤードに入線するはずですので、これで一日の運行が終わってしまったと考えるのは早計です(先にJRのDE10が、炭鉄から引き出された貨車を大牟田駅に連れて行く作業を行うため、ELは場所を空けるために一旦戻ってきたという次第)。
そこでしばらくの間、福岡に戻らなければならない時間を睨みながら、ヤードに留置されている黄タキや銀タキをスナップするなどしてヒマをつぶしていたところ……ELがいきなりパンタを上げて再び動き出しました! そして待つこと約10分、仮屋川操車場からタキやコキを引き連れてELが戻ってきましたが……ELとタキの間に延々と空コキが挟まっているため、見栄えが……(-_-;;)。
ともあれ、こんな感じで宮浦~仮屋川間の1日2往復の運行は終了! まあ呆気ないものではありますが(そして、タイフォンの音はデカいくせに静かに迫って来るELはちょいと不気味 ^^;)、かつて沢山の石炭車を連ねて大活躍した凸型電機がこうして現役で走っている光景に大満足したのでした (^o^)。しかも、小型ELが黄タキや銀タキをゴロゴロ転がしている光景は、日本広しといえども最早ここだけでしか見られないものですし……。
こんにちは、コメントどうもありがとうございます~!
ふつう炭鉱が閉山になると、鉄道もろとも消えて行くのが世の習い……という感じですが、三池の場合は沿線に同系列会社による盛業中の化学工場があるのが非常に救いなようです。それでも、大部分の路線は既にレールも剥がされ、雑草茂る土地に戻りつつあるようです……。出来れば80年代前半にタイムスリップして、国鉄63系電車や51系電車に良く似た風貌を持つ客車がこの機関車に牽引されて炭住街をトボトボ走るシーンを見てみたかったです……。
ご覧になりたい場合は、早寝早起きが肝要かと……(^^;
但し、宮浦のヤードの入り口にある巨大な貨車門が閉まっていたら、残念ながら運休です。
大牟田はやはり寂しいとお感じになりましたか……。西鉄の終点の一つ手前にあたる新栄町駅周辺にそれなりの商店街があるようですが、車内から見てもシャッター街っぽい雰囲気が……(-_-)。とりあえず大牟田駅は、恐らく街の中心から離れた土地があるところに国鉄駅と西鉄の折り返し駅が置かれたというパターンかも知れません。それでも、後から新市街として発展したような雰囲気も感じられたのですが、それも70~80年代頃を境にあんな感じになったのかなぁ……と思われます。
個人的には、やっぱり市の代表駅の周辺は賑やかであって欲しいと思いますので、特に台湾でいえば板橋・桃園・中レキ駅周辺のゴチャゴチャした賑わいがいつまでも続いて欲しいなぁ……と (^^)。
確かに大牟田から西鉄の特急に乗った際、新栄町でたくさんお客さんが乗ってきて、事前知識のない私は驚きました。
確かにシャッター通りはつらいですよね。台湾はまだ地方都市が元気なのですが、日本に戻るたびに地方の姿に寂しさを覚えます。
いつか貨物列車の録音に行ってみたいです。
こんにちは、引き続きコメントどうもありがとうございます~!
やはり西鉄特急には新栄町から乗ってきましたか……(^^;
私も、東急や京急の駅前商店街を街歩きの原風景としておりますので、台湾の街の元気さは本当にうらやましい限りですが、このたび開通した台湾新幹線の各駅の周辺に出現した巨大な造成地群が今後もしアメリカ型の郊外型SCへと化けていったとしたら……と思うと、やはり不安は拭えません (-_-)。そういうSCは新鮮さをことのほか重視する台湾人には馴染まない、ということでしたら一安心なのですが (^^;
ちなみに、この三池の貨物列車ですが、機関車の駆動音自体は釣掛の割に不思議なほど静かで、タイフォンの音ばかりやたらとドデカい音ですので、録音されても拍子抜けされるかも知れません (^^;;;